短編
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「っ!!」
ガキン!
「雛鶴さん!下がって!」
ある商家で潜入調査をしていた雛鶴は、鬼に気取られ襲撃を受けていた。夫は鬼殺隊の柱だが雛鶴自身はくノ一とは言え呼吸の使えない一般人。追い詰められ止めを刺されそうになった所で助けに入ったのは紗雪だった。瞬く間に鬼の首を斬ると騒ぎにならないうちにと雛鶴を抱きかかえその場を離れる。
「ありがとう紗雪さん」
「いいえ、間に合って良かったです。宇髄さんの鎹鴉に突撃された時には驚きましたが」
「虹丸が?」
夜でも人通りのある大通りのすぐそばで降ろされた雛鶴が目を丸くするのに紗雪が穏やかに微笑む。
「よほど慌てていたのでしょう。私が一番近くにいたんだと思います。側頭部に一直線に激突されました」
「えっ!大丈夫なの?」
よく見れば紗雪のこめかみ当たりが赤くなっている。雛鶴は眉を寄せたが紗雪は笑うだけだった。
「大丈夫ですよ。虹丸もぶつかる時に背中から来ましたから怪我はしていません」
「虹丸じゃなくて紗雪さんよ!」
いくら急いでいたとは言え申し訳ない。そっとこめかみに触れる雛鶴に紗雪はぽんぽんとその手を叩いた。
「平気です。雛鶴さんの命に替えるようなものではありませんよ」
まだ任務が残っているからと立ち去った紗雪を雛鶴は見えなくなるまで見送った。
「おっ」
「っと!」
別日。任務終了後、変装のため着替えていた宇髄の荷物から腕輪が落ちた。任務に同道していた紗雪が落ちる前に捕まえる。
「危ない所でした」
「すまねぇな紗雪」
受け取ろうと手を伸ばす宇髄に手渡そうとし…紗雪が腕輪を繁々と眺める。
「…物凄い大きいですね」
なんなら紗雪の腕が2本通ってしまいそうである。興味津々の紗雪に宇髄が笑った。
「腕通してみろよ」
「えっ、良いんですか?では失礼して」
右腕に通してみるが、羽織の上からでさえぶかぶかで話にならない。子供が大人のものを身につけているような様子に宇髄が声を上げて笑った。
「派手にそうなるわな!」
「えー、これ足でも大きそうじゃありませんか?宇髄さん筋肉量が凄まじいですね」
「なになに?何してるんですか?」
腕輪を宇髄に返却していると須磨がひょっこり顔を出した。雛鶴やまきをもこちらに向かって歩いてきている。
「宇髄さんの腕輪をお借りしていたんです。流石にいくら鍛えてもこの腕輪には間に合いそうもありません」
「そりゃあそうですよ!いくら紗雪さんが鍛えているからって天元様並になれたら怖すぎます!」
想像したのかブフッ!と宇髄が吹き出した。紗雪が苦笑いする。
「これでも師範に鍛えられて随分筋肉はついた方なんですが…やはり限界はありますね」
「いや、女で煉獄の鍛錬についていけるやつなんてお前と甘露寺だけだろ。つーか男でも逃げ出したやつが結構いるわ」
しかし紗雪はうーんと考えるとポツリと呟いた。
「ですが、まだ玖ノ型が出来ないんですよね。もう少し鍛錬の量を増やすべきなのでしょうか」
「止めとけよ。マジでぶっ倒れるぞお前」
くしゃりと頭をかき混ぜられて苦笑する紗雪を雛鶴がじっと見ていた。
「天元様。ご相談があります」
「どうした?雛鶴。派手に改まって」
朝食の後、縁側でお茶を片手にのんびりしていた宇髄の前に雛鶴が正座した。真剣な目で見つめられて寄りかかっていた柱から身を起こす。
「紗雪さんの事なのですが」
「おう、紗雪がどうした」
宇髄がお茶を口に運ぶ。
「天元様の四人目の妻として考えていただけませんでしょうか!」
「ぶふーっ!?」
宇髄の吹き出したお茶が朝日で無駄にきらめいた。咳き込む宇髄の背中を雛鶴がさする。
「大丈夫ですか?天元様」
「だ、大丈夫だ…つーかお前、とんでもないこと言うのな!?」
「私は本気です!」
真剣な眼差しの雛鶴に宇髄はため息をつくと向き直った。
「とりあえず何でそんなこと考えたのか聞かせろ」
「紗雪さんは腕が立ちます。私たちと違って天元様のお役に立ちます。お人柄もいい。それに天元様も紗雪さんを随分気にかけていらっしゃるではありませんか。よく任務に声をかけてらっしゃいますし」
「あのなぁ」
宇髄は特大のため息をつくと指を三本、雛鶴の前で立てて見せた。
「派手に却下だ。理由は三つ。一つ、俺にその気が全く無い。確かに紗雪の事を気にかけちゃいるが、精々が妹って感じだ」
この時代に馴染もうと必死なのを見ていると保護者のように手助けしてやりたくなる。だがそれだけだ。
「二つ、紗雪にも全くその気がない。見てりゃ分かる。アイツの頭の中は今鬼殺の事で一杯で他のこと考えてる余裕なんて無いんだよ」
「三つ、俺は煉獄に殺されたく無い」
紗雪をよ、まで言った段階で殺されること請け合いだ。宇髄の言葉にしかし雛鶴は諦められないようだった。
「そんなの分からないじゃありませんか。煉獄様だって継子だから大事にしているだけかも知れませんでしょう?」
「いや、頑張るなぁ雛鶴よぉ」
宇髄にその気がないの部分もガン無視である。宇髄は頭をかくとよし!と頷いた。
「紗雪に直接尋ねてやるよ。そしたらお前も納得できるだろ?」
「ちゃんと!ちゃんとお願いしますね!!」
わかったわかった!と苦笑する宇髄だった。
「すまねぇな、任務前に」
「いえ、何かありましたか?」
夕暮れの迫る音屋敷に呼ばれた紗雪は宇髄と対面していた。何か緊急事態かと緊張が走る。縁側に腰掛けていた宇髄が真剣な眼差しで紗雪を見つめた。
「お前、俺の所に嫁に来る気はないか?四人目の」
「………」
思ってもいなかった宇髄の言葉に紗雪は目を見開いた。一陣の風が紗雪の髪を揺らしていく。しばしの沈黙の後、ふふっと笑い出したのは紗雪だった。
「宇髄さん、そんなやる気無さそうに言わないで下さい。茶化したらいいのか冗談が過ぎると怒った方がいいのか迷います」
「そんな分かりやすかったか?」
ポーカーフェイスに自信のある宇髄は顎に手をやると首を傾げた。
「私、観察が得意なので」
「だとよ雛鶴」
宇髄が後ろを振り返ると襖の向こうから雛鶴が姿を現した。まだ納得出来ないのか眉を寄せている。紗雪が目を丸くした。
「え、雛鶴さんの提案なんですか?」
「おう、雛鶴がどうにもお前を気に入ったみたいでな。俺の嫁にしたいんだと」
「はぁ…」
紗雪は困った顔で頰をかいた。雛鶴が紗雪の手を取りじっと見つめる。
「天元様はいい男ですよ紗雪さん」
「いやぁ…いくら何と言われましても。宇髄さんの頼みはともかく雛鶴さんのお願いは何とかして差し上げたいのは山々ですが、こればかりはどうにもしてあげられません」
「おい!俺の扱いが派手に低過ぎんだろ!!」
目を釣り上げて怒鳴る宇髄に紗雪は明るく笑った。
「じゃあ、宇髄さんや雛鶴さんの希望でも無理です」
「雑に合わせてきやがって」
ブツブツ文句を言う宇髄から雛鶴に視線を向けると紗雪はその手の上に自分の手を重ねた。
「雛鶴さんが私を気に入ってくださったのは嬉しいです。ですが大変申し訳ないのですが宇髄さんは兄貴分と言う感じしかしません。もちろん大変お世話になっていますし感謝はしていますが…それと嫁云々は別でしょう」
「………そうね。ごめんなさい、紗雪さんの気持ちも確認しないで」
雛鶴は漸く頷くと手を下ろした。シュンとしてしまった雛鶴を励ますように宇髄が明るい声を上げる。
「でもまぁ!紗雪が継子になるってんなら大歓迎だぜ!おればっかりじゃなく不死川や悲鳴嶼さんもだろうけどな!!」
「過分な評価を痛み入ります。ですが炎の呼吸を使っている以上、炎柱である師範の教えを受けられる今は非常に恵まれていると思っています」
そうだろうなと宇髄は思った。本人の自覚は別にしてあれだけ大事にしているのだから、恵まれていると思ってくれないと煉獄が流石に気の毒だ。
「邪魔するぞ宇髄!話は済んだか!?」
「ほれ、その恵まれてる師範殿が迎えにきたぜ」
「いや、恵まれてるのは私なんですけど…」
ひょこりと顔を出した煉獄に宇髄が軽く手を上げた。紗雪が煉獄の元に駆け寄っていく。
「お待たせして申し訳ありません」
「うむ!話は終わったようだな!では任務に向かうとしよう!!」
「はい。では失礼いたします」
一つ頭を下げると煉獄の後ろをついて行く紗雪を見送る。雛鶴がポツリと呟いた。
「どうしてあれで気付かないんでしょう」
そんなの分からないじゃないかと言っておいてなんだが、煉獄がここまでべったりと着いて歩いているのは異常事態だ。
「ま、紗雪は煉獄専用鈍感装置だからな」
宇髄の台詞に頷くしかない雛鶴だった。
ガキン!
「雛鶴さん!下がって!」
ある商家で潜入調査をしていた雛鶴は、鬼に気取られ襲撃を受けていた。夫は鬼殺隊の柱だが雛鶴自身はくノ一とは言え呼吸の使えない一般人。追い詰められ止めを刺されそうになった所で助けに入ったのは紗雪だった。瞬く間に鬼の首を斬ると騒ぎにならないうちにと雛鶴を抱きかかえその場を離れる。
「ありがとう紗雪さん」
「いいえ、間に合って良かったです。宇髄さんの鎹鴉に突撃された時には驚きましたが」
「虹丸が?」
夜でも人通りのある大通りのすぐそばで降ろされた雛鶴が目を丸くするのに紗雪が穏やかに微笑む。
「よほど慌てていたのでしょう。私が一番近くにいたんだと思います。側頭部に一直線に激突されました」
「えっ!大丈夫なの?」
よく見れば紗雪のこめかみ当たりが赤くなっている。雛鶴は眉を寄せたが紗雪は笑うだけだった。
「大丈夫ですよ。虹丸もぶつかる時に背中から来ましたから怪我はしていません」
「虹丸じゃなくて紗雪さんよ!」
いくら急いでいたとは言え申し訳ない。そっとこめかみに触れる雛鶴に紗雪はぽんぽんとその手を叩いた。
「平気です。雛鶴さんの命に替えるようなものではありませんよ」
まだ任務が残っているからと立ち去った紗雪を雛鶴は見えなくなるまで見送った。
「おっ」
「っと!」
別日。任務終了後、変装のため着替えていた宇髄の荷物から腕輪が落ちた。任務に同道していた紗雪が落ちる前に捕まえる。
「危ない所でした」
「すまねぇな紗雪」
受け取ろうと手を伸ばす宇髄に手渡そうとし…紗雪が腕輪を繁々と眺める。
「…物凄い大きいですね」
なんなら紗雪の腕が2本通ってしまいそうである。興味津々の紗雪に宇髄が笑った。
「腕通してみろよ」
「えっ、良いんですか?では失礼して」
右腕に通してみるが、羽織の上からでさえぶかぶかで話にならない。子供が大人のものを身につけているような様子に宇髄が声を上げて笑った。
「派手にそうなるわな!」
「えー、これ足でも大きそうじゃありませんか?宇髄さん筋肉量が凄まじいですね」
「なになに?何してるんですか?」
腕輪を宇髄に返却していると須磨がひょっこり顔を出した。雛鶴やまきをもこちらに向かって歩いてきている。
「宇髄さんの腕輪をお借りしていたんです。流石にいくら鍛えてもこの腕輪には間に合いそうもありません」
「そりゃあそうですよ!いくら紗雪さんが鍛えているからって天元様並になれたら怖すぎます!」
想像したのかブフッ!と宇髄が吹き出した。紗雪が苦笑いする。
「これでも師範に鍛えられて随分筋肉はついた方なんですが…やはり限界はありますね」
「いや、女で煉獄の鍛錬についていけるやつなんてお前と甘露寺だけだろ。つーか男でも逃げ出したやつが結構いるわ」
しかし紗雪はうーんと考えるとポツリと呟いた。
「ですが、まだ玖ノ型が出来ないんですよね。もう少し鍛錬の量を増やすべきなのでしょうか」
「止めとけよ。マジでぶっ倒れるぞお前」
くしゃりと頭をかき混ぜられて苦笑する紗雪を雛鶴がじっと見ていた。
「天元様。ご相談があります」
「どうした?雛鶴。派手に改まって」
朝食の後、縁側でお茶を片手にのんびりしていた宇髄の前に雛鶴が正座した。真剣な目で見つめられて寄りかかっていた柱から身を起こす。
「紗雪さんの事なのですが」
「おう、紗雪がどうした」
宇髄がお茶を口に運ぶ。
「天元様の四人目の妻として考えていただけませんでしょうか!」
「ぶふーっ!?」
宇髄の吹き出したお茶が朝日で無駄にきらめいた。咳き込む宇髄の背中を雛鶴がさする。
「大丈夫ですか?天元様」
「だ、大丈夫だ…つーかお前、とんでもないこと言うのな!?」
「私は本気です!」
真剣な眼差しの雛鶴に宇髄はため息をつくと向き直った。
「とりあえず何でそんなこと考えたのか聞かせろ」
「紗雪さんは腕が立ちます。私たちと違って天元様のお役に立ちます。お人柄もいい。それに天元様も紗雪さんを随分気にかけていらっしゃるではありませんか。よく任務に声をかけてらっしゃいますし」
「あのなぁ」
宇髄は特大のため息をつくと指を三本、雛鶴の前で立てて見せた。
「派手に却下だ。理由は三つ。一つ、俺にその気が全く無い。確かに紗雪の事を気にかけちゃいるが、精々が妹って感じだ」
この時代に馴染もうと必死なのを見ていると保護者のように手助けしてやりたくなる。だがそれだけだ。
「二つ、紗雪にも全くその気がない。見てりゃ分かる。アイツの頭の中は今鬼殺の事で一杯で他のこと考えてる余裕なんて無いんだよ」
「三つ、俺は煉獄に殺されたく無い」
紗雪をよ、まで言った段階で殺されること請け合いだ。宇髄の言葉にしかし雛鶴は諦められないようだった。
「そんなの分からないじゃありませんか。煉獄様だって継子だから大事にしているだけかも知れませんでしょう?」
「いや、頑張るなぁ雛鶴よぉ」
宇髄にその気がないの部分もガン無視である。宇髄は頭をかくとよし!と頷いた。
「紗雪に直接尋ねてやるよ。そしたらお前も納得できるだろ?」
「ちゃんと!ちゃんとお願いしますね!!」
わかったわかった!と苦笑する宇髄だった。
「すまねぇな、任務前に」
「いえ、何かありましたか?」
夕暮れの迫る音屋敷に呼ばれた紗雪は宇髄と対面していた。何か緊急事態かと緊張が走る。縁側に腰掛けていた宇髄が真剣な眼差しで紗雪を見つめた。
「お前、俺の所に嫁に来る気はないか?四人目の」
「………」
思ってもいなかった宇髄の言葉に紗雪は目を見開いた。一陣の風が紗雪の髪を揺らしていく。しばしの沈黙の後、ふふっと笑い出したのは紗雪だった。
「宇髄さん、そんなやる気無さそうに言わないで下さい。茶化したらいいのか冗談が過ぎると怒った方がいいのか迷います」
「そんな分かりやすかったか?」
ポーカーフェイスに自信のある宇髄は顎に手をやると首を傾げた。
「私、観察が得意なので」
「だとよ雛鶴」
宇髄が後ろを振り返ると襖の向こうから雛鶴が姿を現した。まだ納得出来ないのか眉を寄せている。紗雪が目を丸くした。
「え、雛鶴さんの提案なんですか?」
「おう、雛鶴がどうにもお前を気に入ったみたいでな。俺の嫁にしたいんだと」
「はぁ…」
紗雪は困った顔で頰をかいた。雛鶴が紗雪の手を取りじっと見つめる。
「天元様はいい男ですよ紗雪さん」
「いやぁ…いくら何と言われましても。宇髄さんの頼みはともかく雛鶴さんのお願いは何とかして差し上げたいのは山々ですが、こればかりはどうにもしてあげられません」
「おい!俺の扱いが派手に低過ぎんだろ!!」
目を釣り上げて怒鳴る宇髄に紗雪は明るく笑った。
「じゃあ、宇髄さんや雛鶴さんの希望でも無理です」
「雑に合わせてきやがって」
ブツブツ文句を言う宇髄から雛鶴に視線を向けると紗雪はその手の上に自分の手を重ねた。
「雛鶴さんが私を気に入ってくださったのは嬉しいです。ですが大変申し訳ないのですが宇髄さんは兄貴分と言う感じしかしません。もちろん大変お世話になっていますし感謝はしていますが…それと嫁云々は別でしょう」
「………そうね。ごめんなさい、紗雪さんの気持ちも確認しないで」
雛鶴は漸く頷くと手を下ろした。シュンとしてしまった雛鶴を励ますように宇髄が明るい声を上げる。
「でもまぁ!紗雪が継子になるってんなら大歓迎だぜ!おればっかりじゃなく不死川や悲鳴嶼さんもだろうけどな!!」
「過分な評価を痛み入ります。ですが炎の呼吸を使っている以上、炎柱である師範の教えを受けられる今は非常に恵まれていると思っています」
そうだろうなと宇髄は思った。本人の自覚は別にしてあれだけ大事にしているのだから、恵まれていると思ってくれないと煉獄が流石に気の毒だ。
「邪魔するぞ宇髄!話は済んだか!?」
「ほれ、その恵まれてる師範殿が迎えにきたぜ」
「いや、恵まれてるのは私なんですけど…」
ひょこりと顔を出した煉獄に宇髄が軽く手を上げた。紗雪が煉獄の元に駆け寄っていく。
「お待たせして申し訳ありません」
「うむ!話は終わったようだな!では任務に向かうとしよう!!」
「はい。では失礼いたします」
一つ頭を下げると煉獄の後ろをついて行く紗雪を見送る。雛鶴がポツリと呟いた。
「どうしてあれで気付かないんでしょう」
そんなの分からないじゃないかと言っておいてなんだが、煉獄がここまでべったりと着いて歩いているのは異常事態だ。
「ま、紗雪は煉獄専用鈍感装置だからな」
宇髄の台詞に頷くしかない雛鶴だった。