短編
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「俺らが入ったらすぐ閉めろよ?良いな」
「分かった」
深夜、屋敷のものが寝静まった頃を見計らい四人は応接間に来ていた。宇髄の指示に善逸がボタンに手をかけ頷く。
「押すよ」
ガコン!と音がして、隠し扉がゆっくり開いた。ざわりと遠くの闇がさざめいた後、勢いよく足音がこちらへと近づいてくる。
「派手においでなすったな!」
「行くぞ!宇髄!!」
二人が闇の中に飛び込んでいき善逸が扉を閉めようとする。雲が月を遮り暗闇がますます濃くなったことに紗雪が気を取られた瞬間、何処からか執事長の杵島が隠し通路の中に飛び込んだ。
「「!?」」
「旦那様の邪魔をするなァァァ!!」
紗雪が慌てて手を伸ばすがわずかに届かない。紗雪が中に飛び込み杵島の腕を掴んだ。
「杵島さん戻って!」
「五月蝿い!お前旦那様を裏切るとは!!」
「杵島さん!!」
がむしゃらに暴れる杵島に紗雪が手こずる。宇髄が小さな首を斬り飛ばしながら怒鳴った。
「紗雪!殴り飛ばして連れて行け!!」
「うあぁぁぁ!!」
杵島がポケットから何かを取り出し撒き散らした。鉄錆の匂いに鬼が色めきだって杵島の方へ向かってきた。
「失礼!!」
頸動脈を狙い手刀を落とすと紗雪は気絶した杵島を抱え走った。しかし鬼の速度に間に合わない。
「紗雪!屈め!!」
「っ!」
ーー炎の呼吸 伍ノ型 炎虎ーー
紗雪の頭上を炎の虎が駆け抜け鬼を焼き払う。
「うわぁ!」
「善逸君!!」
入り口で上がった善逸の悲鳴に紗雪が慌てて走った。鬼に弾かれて頭を打った善逸が気を失っている。溢れた鬼が部屋の中から廊下に走り出た。
「善逸君しっかり!」
壁の隠しドアを閉じると杵島から手を離し刀を構える。暗闇に慣れてきた目で紗雪は初めて鬼の姿を見た。
(子供…赤ん坊?)
小さな鬼は四つん這いで唸り声を上げていた。醜く歪んだ顔に鋭い牙が光る。
「ヴァァァァッ!」
飛びかかってきた鬼の爪を避けると部屋の明かりをつけようとスイッチに手を伸ばす。しかし天井のシャンデリアは全く反応しなかった。
(ブレーカーが落とされてる?)
恐らくは杵島の仕業だろう。鬼が灯りを嫌うのを知っているのだ。
紗雪は鬼の気配に神経を傾けると刀を抜いた。
ーー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ーー
パァッと弾けるように霧散する鬼に一息つく。天井からもう一体が紗雪の首めがけて落ちてきた。
「!?」
ーー雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃ーー
雷鳴のような音が轟き鬼の首が飛ぶ。善逸が刀を構え立っていた。
「善逸君よかった!杵島さんをお願いします!私は廊下に逃げた鬼を追います!」
コクリと頷く善逸を確認すると廊下に飛び出す。
(ブレーカーを上げないと。それに逃げた鬼…)
「ひぃぃっ!」
「!!」
上がった悲鳴に刀を握りなおすと紗雪は走り出したのだった。
ザン!と最後の小さな鬼の首をはねた宇髄は明かりを灯した。紗雪の話の通りドアがあり、その向こうにも道が続いている。宇髄はそれを覗き込みながら口を開いた。
「派手に嫌なこと言っていいか?」
「何だ!」
周囲を警戒している煉獄が答える。宇髄は明かりを高く掲げて先が見えるようにすると歩き始めた。
「これだけの赤ん坊が鬼になって行方不明になりゃもっと早くここに辿り着いたと俺は派手に思うんだよな」
「そうだな!しかもその鬼がたまたまこの一か所に集まっていたと考えるのは無理がある!!」
「という事はだ、この子鬼どもはここで産まれたって話になってくるんだよなぁ」
宇髄と煉獄は視線を交わすと黙り込んだ。お互い同じことを考えているようだ。
「…紗雪と我妻少年には話しにくいな!」
「鬼と人間の間のガキとかあり得るのかね」
「生まれてきても鬼では外に出すことが出来なかったのだな!」
「この暗い中にしかいた事ねぇから明かりを嫌がるんだろうな」
だとすると蔵にいる鬼の正体も決まりだ。宇髄と煉獄は目の前に現れた鉄製の扉を見据えた。
「20年前に生まれた鬼か…何人喰ってやがるかな」
人に飼われているのならその頻度は普通の鬼よりずっと高い。煉獄が刀を構えた。
「それも今夜で終いだ!行くぞ宇髄!!」
「分かった」
深夜、屋敷のものが寝静まった頃を見計らい四人は応接間に来ていた。宇髄の指示に善逸がボタンに手をかけ頷く。
「押すよ」
ガコン!と音がして、隠し扉がゆっくり開いた。ざわりと遠くの闇がさざめいた後、勢いよく足音がこちらへと近づいてくる。
「派手においでなすったな!」
「行くぞ!宇髄!!」
二人が闇の中に飛び込んでいき善逸が扉を閉めようとする。雲が月を遮り暗闇がますます濃くなったことに紗雪が気を取られた瞬間、何処からか執事長の杵島が隠し通路の中に飛び込んだ。
「「!?」」
「旦那様の邪魔をするなァァァ!!」
紗雪が慌てて手を伸ばすがわずかに届かない。紗雪が中に飛び込み杵島の腕を掴んだ。
「杵島さん戻って!」
「五月蝿い!お前旦那様を裏切るとは!!」
「杵島さん!!」
がむしゃらに暴れる杵島に紗雪が手こずる。宇髄が小さな首を斬り飛ばしながら怒鳴った。
「紗雪!殴り飛ばして連れて行け!!」
「うあぁぁぁ!!」
杵島がポケットから何かを取り出し撒き散らした。鉄錆の匂いに鬼が色めきだって杵島の方へ向かってきた。
「失礼!!」
頸動脈を狙い手刀を落とすと紗雪は気絶した杵島を抱え走った。しかし鬼の速度に間に合わない。
「紗雪!屈め!!」
「っ!」
ーー炎の呼吸 伍ノ型 炎虎ーー
紗雪の頭上を炎の虎が駆け抜け鬼を焼き払う。
「うわぁ!」
「善逸君!!」
入り口で上がった善逸の悲鳴に紗雪が慌てて走った。鬼に弾かれて頭を打った善逸が気を失っている。溢れた鬼が部屋の中から廊下に走り出た。
「善逸君しっかり!」
壁の隠しドアを閉じると杵島から手を離し刀を構える。暗闇に慣れてきた目で紗雪は初めて鬼の姿を見た。
(子供…赤ん坊?)
小さな鬼は四つん這いで唸り声を上げていた。醜く歪んだ顔に鋭い牙が光る。
「ヴァァァァッ!」
飛びかかってきた鬼の爪を避けると部屋の明かりをつけようとスイッチに手を伸ばす。しかし天井のシャンデリアは全く反応しなかった。
(ブレーカーが落とされてる?)
恐らくは杵島の仕業だろう。鬼が灯りを嫌うのを知っているのだ。
紗雪は鬼の気配に神経を傾けると刀を抜いた。
ーー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ーー
パァッと弾けるように霧散する鬼に一息つく。天井からもう一体が紗雪の首めがけて落ちてきた。
「!?」
ーー雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃ーー
雷鳴のような音が轟き鬼の首が飛ぶ。善逸が刀を構え立っていた。
「善逸君よかった!杵島さんをお願いします!私は廊下に逃げた鬼を追います!」
コクリと頷く善逸を確認すると廊下に飛び出す。
(ブレーカーを上げないと。それに逃げた鬼…)
「ひぃぃっ!」
「!!」
上がった悲鳴に刀を握りなおすと紗雪は走り出したのだった。
ザン!と最後の小さな鬼の首をはねた宇髄は明かりを灯した。紗雪の話の通りドアがあり、その向こうにも道が続いている。宇髄はそれを覗き込みながら口を開いた。
「派手に嫌なこと言っていいか?」
「何だ!」
周囲を警戒している煉獄が答える。宇髄は明かりを高く掲げて先が見えるようにすると歩き始めた。
「これだけの赤ん坊が鬼になって行方不明になりゃもっと早くここに辿り着いたと俺は派手に思うんだよな」
「そうだな!しかもその鬼がたまたまこの一か所に集まっていたと考えるのは無理がある!!」
「という事はだ、この子鬼どもはここで産まれたって話になってくるんだよなぁ」
宇髄と煉獄は視線を交わすと黙り込んだ。お互い同じことを考えているようだ。
「…紗雪と我妻少年には話しにくいな!」
「鬼と人間の間のガキとかあり得るのかね」
「生まれてきても鬼では外に出すことが出来なかったのだな!」
「この暗い中にしかいた事ねぇから明かりを嫌がるんだろうな」
だとすると蔵にいる鬼の正体も決まりだ。宇髄と煉獄は目の前に現れた鉄製の扉を見据えた。
「20年前に生まれた鬼か…何人喰ってやがるかな」
人に飼われているのならその頻度は普通の鬼よりずっと高い。煉獄が刀を構えた。
「それも今夜で終いだ!行くぞ宇髄!!」