本編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
任務明け家に帰ってきた煉獄は寝る前にと厠へ向かった。用を済ませ自室に戻る途中で紗雪の部屋を覗く。
(よく寝ている)
朝早くから千寿郎を手伝い朝餉の支度、洗濯、掃除。煉獄がいる時は朝餉を食べる前と後に鍛錬する。いない時も自主鍛錬だ。夕方煉獄が任務に向かうのを見送ると風呂の用意と夕餉の支度、片付け。それらが終わるともう泥のように眠るしかない。
「………」
煉獄はそっと紗雪の部屋に入るとその鼻に手を伸ばした。触れる直前に紗雪が飛び起き、目潰しを仕掛けてくる。その腕を捕まえ煉獄は頷いた。
「なかなかいい反応だ紗雪」
「おど、かさないで下さいよ」
へちょ…と力を抜く紗雪の乱れた寝巻きに視線がいって煉獄は咳払いした。
「紗雪、服装が乱れている」
「あ、すいません」
紗雪はもぞもぞと寝巻きを直すと布団の上に正座をした。
「それでどうかしましたか?師範」
わかってない様子の紗雪の鼻を煉獄が弾いた。
「全集中の常中が途切れているぞ」
「…そうでした」
紗雪はガックリと布団の上で項垂れた。無意識下ではなかなか難しい。
「これ、本当に出来るんですよね?寝てても」
「気になるなら俺が寝ているときに覗きに来てもいいぞ」
「嫌ですよ。師範寝てても攻撃してくるじゃないですか。しかもかなりガチ目に」
起こしに行って一度痛い目を見ている紗雪としては御免被りたい。
「精進あるのみだ」
「はい。おやすみなさい師範」
「あぁ。おやすみ紗雪」
煉獄が部屋を出ると紗雪の呟きが聞こえてきた。オートがどうのレム睡眠がどうのと煉獄には分からない言葉だが紗雪が試行錯誤していることだけは伝わってくる。
(本当に強い娘だ)
煉獄は胸に暖かな気持ちを抱くと満足して床についた。
「………」
「………」
煉獄と紗雪は目を覚ました後、たっぷり10秒は見つめ合った。朝日が明るく照らす室内で、何故か一つの布団で眠っている。
「「っ!?」」
二人は大慌てで離れた。
「師範!?えっ?えっ??」
「紗雪!どうしてここに…いや、待て……」
煉獄は室内を見回すとガックリと両手をついた。どう見ても紗雪の部屋だ。
「すまない!俺が寝ぼけたのか!!」
穴があったら入りたいとはまさにこの事。煉獄は激しく落ち込んだ。
「嫁入り前の娘と同衾するなどもっての外…この上は腹を切って詫びを…!」
「わー!師範師範師範!!落ち着いて!ただの添い寝です!それだけですから!!」
紗雪は煉獄の肩を揺さぶると必死で止めた。短い付き合いだがわかる。この人はやると言ったら本当にやる。煉獄は紗雪を信じられないものを見るような目で見つめた。
「紗雪…道徳をどこに置いてきた!?」
「すっかり忘れ去られているようなので言っておきますが、100年後の人間ですから私」
「…つ、つまり結婚もしていなければ婚約者でもない相手と同衾するのが普通だと?」
「お願いですらその同衾ってのから離れてください。何もしてないでしょう?」
紗雪にそこまで言われようやく煉獄は落ち着いて自分と紗雪の様子を見た。特にいつもと変わりなく、紗雪の体も辛そうではない。
「ね?」
「…詳しいな紗雪」
よせばいいのにまだ混乱から抜けきっていない煉獄の突っ込みに、流石に紗雪の目が座った。
「100年後には保健体育って授業項目がありましてねぇ。男女の体の仕組みの違いについても学んだりするんですよ」
それに紗雪のいた部隊は決して品行方正だった訳では無い。しょうもない事を言い立てる阿呆もいたのだ。
「とにかく師範はご自分の部屋でもう少しお休みください。私は千寿郎さんを手伝ってきます」
「いや、俺も少し自分の鍛錬をする事としよう」
煉獄はよろ…と立ち上がると自室へと戻った。着替えながらつい腕の中で眠っていた紗雪を思い出しブンブンと首を振る。
(煩悩だ!振り払わねば!!)
しかしそうは思っても容易く出来る事ではなく、とうとう朝餉の後の鍛錬時に煉獄は紗雪から駄目出しを食らってしまった。
「お願いですから切り替えてきて貰って良いですか?私はその辺走ってきますから」
「わかった!すまんがそうしてくる!!」
煉獄が立ち去るのを見送ると紗雪も千寿郎に声をかけ走り込みに出る。ご近所に挨拶をしながら走っていくと、ついてくる気配に紗雪はため息をついた。人気のない場所でなるべく目立たない屋根の上にかけのぼる。当たり前のように宇髄が紗雪の横に立った。
「だいぶマシになったじゃねぇか」
「まぁまぁだなぁ」
何故か不死川付きである。その場に座り込んだ宇髄と不死川につられて紗雪も座った。
「お久しぶりです。宇髄さん、不死川さん」
「正式に煉獄の継子になったんだってな!」
「えぇ、有難い事です」
「甘露寺は派生の呼吸に落ち着いたからなぁ」
「甘露寺さん、ですか?」
聞き覚えの無い名前に紗雪が首をかしげると宇髄が説明してくれた。
「ほら居ただろ。派手な桃色の髪を三つ編みにした奴だよ。アイツ元は煉獄の継子だったんだけどな。恋の呼吸って言う独自の呼吸に落ち着いて煉獄の継子を辞めたんだよ」
「…あぁ、あのちょっと露出が多めのお嬢さん」
「あれをちょっとってお前ぇ」
いや、勿論ちょっとではない。ちょっとでは無いが、装備品を人前で外しただけで常識を疑われた身としてはそうとしか言いようが無い。
「今の所正式な継子が居るのは煉獄のとこ以外だと胡蝶のとこだけかぁ」
「派手に少ねぇな!」
「あの、ちょっと待って下さい」
紗雪は慌てて二人の話を遮った。キョトンとする宇髄と不死川に恐る恐る尋ねる。
「もしかして継子になるって大変な事なのでは…?」
「おう!派手に今更だなぁ!?」
「煉獄の奴、ちゃんと説明してねぇのかよぉ」
(うわぁ)
紗雪は両手で頬を包んだ。プレッシャーが半端無い。心無しか顔色を悪くした紗雪に不死川は呆れて呟いた。
「まぁ心配ねぇだろぉ。これまでの煉獄の継子ならもうとっくに逃げ出してる頃だぁ」
「逃げたりするんですか…」
「前は煉獄の奴も派手に継子を受け入れたりしたからなぁ。でも甘露寺の後は指名してなかったな?」
「まぁ、アイツにも思うところがあんだろぉ」
紗雪は二人の言葉を重く受け止めた。自分が強くなれなければ煉獄の面子を潰すことになるのだ。
(…頑張ろ)
いつかと同じ励ましを、あの時より強い気持ちで自分にかける。
「ほれ」
「?」
そんな紗雪の目の前に宇髄が紙袋を差し出した。デパートの名前が入ったそれに紗雪が目を瞬く。
「何ですか?」
「いいからほら!」
「あ、ありがとうございます…?」
何だかわからないまま受け取る。紗雪が宇髄を見ると、宇髄は困った顔で頭をかいた。
「この前の詫びだ。嫁さんが選んだ洋服だから文句言うなよ」
「えっ!?いやいや!そんな大層なことでは…」
「良いから貰っとけぇ。どうせお前の事だからその格好で出掛けようとしたりしてんだろぉ」
図星な不死川の台詞に紗雪は困った顔で尋ねた。
「…駄目ですかね?」
「「駄目だろ」ぉ」
揃って言い切られて紗雪は撃沈した。やはりまだまだ自分はこの時代では常識知らずなのだろう。紗雪は紙袋を胸に抱くと宇髄に頭を下げた。
「では有り難く。ありがとうございます」
「見ろよぉ、煉獄が迎えにきてるぜぇ」
不死川の言葉に紗雪が下を見ると、煉獄が呆れた顔でこちらを見上げていた。長話してしまっていたことに気付いて紗雪が腰を上げる。
「これで失礼します。師範!」
ひらりと紗雪が屋根から飛び降りる。一瞬両手を上げかけた煉獄だったが、宇髄と不死川を見るとその手を引っ込めた。
「なかなか戻ってこないから迎えにきた!」
「すいません。あ、これ宇髄さんから頂きました。奥さんが…あの人奥さんいるんですね。奥さんが見繕ってくださった洋服だそうです」
「そうか!宇髄!!気を遣わせたな!奥方達にも宜しく伝えてくれ!!」
煉獄の声に宇髄が片手を上げて応えた。では行くぞ!と歩き出す煉獄の後ろを紗雪がついていく。
「………おぃ」
その様子を黙って見送った不死川は、二人の姿が見えなくなると宇髄に声をかけた。
「煉獄の奴、あんなんであの継子育てられんのかぁ?」
「なー!派手に面白いよな!」
宇髄は頬杖をつくとニヤニヤした。紗雪は気付いていないようだが、紗雪が屋根から降りる時受け止めようとしたり、宇髄からの服の贈り物に拗ねた顔をしたりと煉獄が大変面白いことになっている。
「あんまり掻き回すような事すんじゃねぇぞぉ」
「別に派手に悪い方向に持ってくわけじゃねぇよ」
自分の忠告を聞く気のなさそうな宇髄に、不死川はため息をついたのだった。
(よく寝ている)
朝早くから千寿郎を手伝い朝餉の支度、洗濯、掃除。煉獄がいる時は朝餉を食べる前と後に鍛錬する。いない時も自主鍛錬だ。夕方煉獄が任務に向かうのを見送ると風呂の用意と夕餉の支度、片付け。それらが終わるともう泥のように眠るしかない。
「………」
煉獄はそっと紗雪の部屋に入るとその鼻に手を伸ばした。触れる直前に紗雪が飛び起き、目潰しを仕掛けてくる。その腕を捕まえ煉獄は頷いた。
「なかなかいい反応だ紗雪」
「おど、かさないで下さいよ」
へちょ…と力を抜く紗雪の乱れた寝巻きに視線がいって煉獄は咳払いした。
「紗雪、服装が乱れている」
「あ、すいません」
紗雪はもぞもぞと寝巻きを直すと布団の上に正座をした。
「それでどうかしましたか?師範」
わかってない様子の紗雪の鼻を煉獄が弾いた。
「全集中の常中が途切れているぞ」
「…そうでした」
紗雪はガックリと布団の上で項垂れた。無意識下ではなかなか難しい。
「これ、本当に出来るんですよね?寝てても」
「気になるなら俺が寝ているときに覗きに来てもいいぞ」
「嫌ですよ。師範寝てても攻撃してくるじゃないですか。しかもかなりガチ目に」
起こしに行って一度痛い目を見ている紗雪としては御免被りたい。
「精進あるのみだ」
「はい。おやすみなさい師範」
「あぁ。おやすみ紗雪」
煉獄が部屋を出ると紗雪の呟きが聞こえてきた。オートがどうのレム睡眠がどうのと煉獄には分からない言葉だが紗雪が試行錯誤していることだけは伝わってくる。
(本当に強い娘だ)
煉獄は胸に暖かな気持ちを抱くと満足して床についた。
「………」
「………」
煉獄と紗雪は目を覚ました後、たっぷり10秒は見つめ合った。朝日が明るく照らす室内で、何故か一つの布団で眠っている。
「「っ!?」」
二人は大慌てで離れた。
「師範!?えっ?えっ??」
「紗雪!どうしてここに…いや、待て……」
煉獄は室内を見回すとガックリと両手をついた。どう見ても紗雪の部屋だ。
「すまない!俺が寝ぼけたのか!!」
穴があったら入りたいとはまさにこの事。煉獄は激しく落ち込んだ。
「嫁入り前の娘と同衾するなどもっての外…この上は腹を切って詫びを…!」
「わー!師範師範師範!!落ち着いて!ただの添い寝です!それだけですから!!」
紗雪は煉獄の肩を揺さぶると必死で止めた。短い付き合いだがわかる。この人はやると言ったら本当にやる。煉獄は紗雪を信じられないものを見るような目で見つめた。
「紗雪…道徳をどこに置いてきた!?」
「すっかり忘れ去られているようなので言っておきますが、100年後の人間ですから私」
「…つ、つまり結婚もしていなければ婚約者でもない相手と同衾するのが普通だと?」
「お願いですらその同衾ってのから離れてください。何もしてないでしょう?」
紗雪にそこまで言われようやく煉獄は落ち着いて自分と紗雪の様子を見た。特にいつもと変わりなく、紗雪の体も辛そうではない。
「ね?」
「…詳しいな紗雪」
よせばいいのにまだ混乱から抜けきっていない煉獄の突っ込みに、流石に紗雪の目が座った。
「100年後には保健体育って授業項目がありましてねぇ。男女の体の仕組みの違いについても学んだりするんですよ」
それに紗雪のいた部隊は決して品行方正だった訳では無い。しょうもない事を言い立てる阿呆もいたのだ。
「とにかく師範はご自分の部屋でもう少しお休みください。私は千寿郎さんを手伝ってきます」
「いや、俺も少し自分の鍛錬をする事としよう」
煉獄はよろ…と立ち上がると自室へと戻った。着替えながらつい腕の中で眠っていた紗雪を思い出しブンブンと首を振る。
(煩悩だ!振り払わねば!!)
しかしそうは思っても容易く出来る事ではなく、とうとう朝餉の後の鍛錬時に煉獄は紗雪から駄目出しを食らってしまった。
「お願いですから切り替えてきて貰って良いですか?私はその辺走ってきますから」
「わかった!すまんがそうしてくる!!」
煉獄が立ち去るのを見送ると紗雪も千寿郎に声をかけ走り込みに出る。ご近所に挨拶をしながら走っていくと、ついてくる気配に紗雪はため息をついた。人気のない場所でなるべく目立たない屋根の上にかけのぼる。当たり前のように宇髄が紗雪の横に立った。
「だいぶマシになったじゃねぇか」
「まぁまぁだなぁ」
何故か不死川付きである。その場に座り込んだ宇髄と不死川につられて紗雪も座った。
「お久しぶりです。宇髄さん、不死川さん」
「正式に煉獄の継子になったんだってな!」
「えぇ、有難い事です」
「甘露寺は派生の呼吸に落ち着いたからなぁ」
「甘露寺さん、ですか?」
聞き覚えの無い名前に紗雪が首をかしげると宇髄が説明してくれた。
「ほら居ただろ。派手な桃色の髪を三つ編みにした奴だよ。アイツ元は煉獄の継子だったんだけどな。恋の呼吸って言う独自の呼吸に落ち着いて煉獄の継子を辞めたんだよ」
「…あぁ、あのちょっと露出が多めのお嬢さん」
「あれをちょっとってお前ぇ」
いや、勿論ちょっとではない。ちょっとでは無いが、装備品を人前で外しただけで常識を疑われた身としてはそうとしか言いようが無い。
「今の所正式な継子が居るのは煉獄のとこ以外だと胡蝶のとこだけかぁ」
「派手に少ねぇな!」
「あの、ちょっと待って下さい」
紗雪は慌てて二人の話を遮った。キョトンとする宇髄と不死川に恐る恐る尋ねる。
「もしかして継子になるって大変な事なのでは…?」
「おう!派手に今更だなぁ!?」
「煉獄の奴、ちゃんと説明してねぇのかよぉ」
(うわぁ)
紗雪は両手で頬を包んだ。プレッシャーが半端無い。心無しか顔色を悪くした紗雪に不死川は呆れて呟いた。
「まぁ心配ねぇだろぉ。これまでの煉獄の継子ならもうとっくに逃げ出してる頃だぁ」
「逃げたりするんですか…」
「前は煉獄の奴も派手に継子を受け入れたりしたからなぁ。でも甘露寺の後は指名してなかったな?」
「まぁ、アイツにも思うところがあんだろぉ」
紗雪は二人の言葉を重く受け止めた。自分が強くなれなければ煉獄の面子を潰すことになるのだ。
(…頑張ろ)
いつかと同じ励ましを、あの時より強い気持ちで自分にかける。
「ほれ」
「?」
そんな紗雪の目の前に宇髄が紙袋を差し出した。デパートの名前が入ったそれに紗雪が目を瞬く。
「何ですか?」
「いいからほら!」
「あ、ありがとうございます…?」
何だかわからないまま受け取る。紗雪が宇髄を見ると、宇髄は困った顔で頭をかいた。
「この前の詫びだ。嫁さんが選んだ洋服だから文句言うなよ」
「えっ!?いやいや!そんな大層なことでは…」
「良いから貰っとけぇ。どうせお前の事だからその格好で出掛けようとしたりしてんだろぉ」
図星な不死川の台詞に紗雪は困った顔で尋ねた。
「…駄目ですかね?」
「「駄目だろ」ぉ」
揃って言い切られて紗雪は撃沈した。やはりまだまだ自分はこの時代では常識知らずなのだろう。紗雪は紙袋を胸に抱くと宇髄に頭を下げた。
「では有り難く。ありがとうございます」
「見ろよぉ、煉獄が迎えにきてるぜぇ」
不死川の言葉に紗雪が下を見ると、煉獄が呆れた顔でこちらを見上げていた。長話してしまっていたことに気付いて紗雪が腰を上げる。
「これで失礼します。師範!」
ひらりと紗雪が屋根から飛び降りる。一瞬両手を上げかけた煉獄だったが、宇髄と不死川を見るとその手を引っ込めた。
「なかなか戻ってこないから迎えにきた!」
「すいません。あ、これ宇髄さんから頂きました。奥さんが…あの人奥さんいるんですね。奥さんが見繕ってくださった洋服だそうです」
「そうか!宇髄!!気を遣わせたな!奥方達にも宜しく伝えてくれ!!」
煉獄の声に宇髄が片手を上げて応えた。では行くぞ!と歩き出す煉獄の後ろを紗雪がついていく。
「………おぃ」
その様子を黙って見送った不死川は、二人の姿が見えなくなると宇髄に声をかけた。
「煉獄の奴、あんなんであの継子育てられんのかぁ?」
「なー!派手に面白いよな!」
宇髄は頬杖をつくとニヤニヤした。紗雪は気付いていないようだが、紗雪が屋根から降りる時受け止めようとしたり、宇髄からの服の贈り物に拗ねた顔をしたりと煉獄が大変面白いことになっている。
「あんまり掻き回すような事すんじゃねぇぞぉ」
「別に派手に悪い方向に持ってくわけじゃねぇよ」
自分の忠告を聞く気のなさそうな宇髄に、不死川はため息をついたのだった。