本編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ゴパァ!と凄まじい音と共に紗雪は外へと排出された。
(他の皆んなは何処へ!?)
城の内部の激しい移動でカナヲ達と離れてしまった。紗雪は立ち上がると周囲を見渡した。
(市街地!無惨の気配がある!あっちだ!!)
走る紗雪の横に紅が並ぶ。
「夜明ケマデ一時間半!一時間半!!」
(長い…でもやらなくちゃ)
ここで無惨を逃せば何もかも無駄になる。それところか市街地の人間を見境なく喰われでもしたら…。紗雪は自分の想像に首を振った。
(余分なことは考えるな!)
人気のない街並みを走り角を曲がる。
「!!」
紗雪の目に飛び込んできたのは柱を守るために自らの命を投げ出す隊士達の姿だった。
「行けー!進めー!!」
隊士達が無惨に突き進み倒れていく。紗雪は刀を握りなおすと冨岡、伊黒、甘露寺の隙間をついて無惨に斬りかかった。体から無数に出ている管を掻い潜るが伸びた腕が硬くて速い。
「もう1匹増えたか」
(なんて速さ…!)
最早観察している暇などない。紗雪はただ、避けては斬り続けた。
(動け動け!私は柱より消耗が少ない!ずっと動ける!!)
ーー炎の呼吸 参ノ型 気炎万象ーー
しかし斬っても腕も首も落ちる気配がない。管の攻撃に押し戻されて、紗雪は飛び退った。
「奴は斬った瞬間再生する!とにかく斬り続けるんだ!!」
冨岡の言葉に紗雪が再び突っ込む。管の動きが薙ぎ払う形から突きに変わった。
「!?」
避けきれず五本のうち二本が紗雪の腹に突き刺さる。
「ぐっ!」
「紗雪!」
(ほう、致命傷になる三本は避けたか)
そのまま放り投げられ紗雪は瓦礫に突っ込んだ。
「あっ!がはっ!!」
(心臓と頭と喉は守った…まだ、大丈夫!)
そう思った瞬間、体に激痛が走って紗雪は血を吐いた。全身が引き攣ったようになって動けない。
(無惨の毒…さっきの管が肺を傷つけた!上弦の鬼の血気術で傷んでいた肺に追い討ち…!)
紗雪は上手く動かない手で胸を何度も叩いた。ゲボッと音がして肺に溜まっていた大量の血を吐き出す。口の中の血を地面に吐き捨てると紗雪は大きく息をついた。
(呼吸で血の巡りを遅らせろ。毒を体に回らせるな)
紗雪が刀を持って立ち上がれば、無惨の無数にある口の吸息に引っ張られ甘露寺が頭と肩に大きな傷を負っていた。追い討ちをかける無惨の攻撃を冨岡達と共に紗雪も飛び込んで防ぐ。
(集中しろ!無惨の攻撃を観察しながら動け!!)
ほぼノーモーションで動いているように見えても生き物である以上筋肉が動いている筈だ。
(くそ…毒の回りが早い…)
体が軋む。爛れて瘤がいくつも出来て刀が振りにくい。再び喀血して紗雪は歯を食いしばった。
冨岡、不死川、伊黒に悲鳴嶼も皆状態は同じだ。
「!?」
上空に猫が飛び出てきて一瞬、全員の視線を攫った。背中に背負っていた鞄から飛び出した注射器が突き刺さる。肩に刺さったそれに紗雪は見覚えがあった。
(これ、胡蝶さんと珠世さんの…!)
体中に出来ていた瘤が消え、痛みが治まる。紗雪は再び刀を振るった。攻撃を掻い潜り腕を斬る。
(なんだ?)
攻撃をかわすのが楽だった気がする。動けなくなっている伊黒のフォローに入りながら、紗雪は誰かが伊黒を引っ張り上げたのを感じた。
無惨の攻撃を空中の伊黒がかわす。
(味方!)
それだけ確認すると無惨に向かう。無惨の管が誰もいない場所を薙いだ。
(カナヲちゃん、伊之助君、善逸君!)
札が破かれて3人が姿を表した。人数が増えて無惨への攻撃が通りやすくなる。中でも伊黒の赫刀の効果が凄まじかった。
「冨岡ァァァ!受けろォォ!!」
「!?」
ガキィィィ!と激しい金属音が響く。刀身が赫くなったのを確認すると不死川は紗雪を振り返った。
「紗雪!テメェもだ!!」
「っ!」
あわてて刀を立てると不死川の刀を受ける。元より赤い刀身が深い赫に変わった。不死川に渾身の力で打ち込まれ手が痺れる。
「不死川さんの馬鹿力!」
「無駄口叩くとは余裕だなぁ!!」
襲いくる管を斬り落とす。僅かながら再生速度が遅くなり、更に攻撃が入りやすくなった。
「伊黒ーっ!体を注視しろ!!見え方が変わらないか!?他の誰でもいい!!体が透けて見えないか!?」
悲鳴嶼の言葉に紗雪は煉獄を治療した時のことを思い出した。体内の状態が手に取るようにわかったあの感覚。
「!!」
パギャ!と奇妙な音がした瞬間、紗雪は建物に叩きつけられていた。
(何…が……)
紗雪の意識はそこで途切れた。
(他の皆んなは何処へ!?)
城の内部の激しい移動でカナヲ達と離れてしまった。紗雪は立ち上がると周囲を見渡した。
(市街地!無惨の気配がある!あっちだ!!)
走る紗雪の横に紅が並ぶ。
「夜明ケマデ一時間半!一時間半!!」
(長い…でもやらなくちゃ)
ここで無惨を逃せば何もかも無駄になる。それところか市街地の人間を見境なく喰われでもしたら…。紗雪は自分の想像に首を振った。
(余分なことは考えるな!)
人気のない街並みを走り角を曲がる。
「!!」
紗雪の目に飛び込んできたのは柱を守るために自らの命を投げ出す隊士達の姿だった。
「行けー!進めー!!」
隊士達が無惨に突き進み倒れていく。紗雪は刀を握りなおすと冨岡、伊黒、甘露寺の隙間をついて無惨に斬りかかった。体から無数に出ている管を掻い潜るが伸びた腕が硬くて速い。
「もう1匹増えたか」
(なんて速さ…!)
最早観察している暇などない。紗雪はただ、避けては斬り続けた。
(動け動け!私は柱より消耗が少ない!ずっと動ける!!)
ーー炎の呼吸 参ノ型 気炎万象ーー
しかし斬っても腕も首も落ちる気配がない。管の攻撃に押し戻されて、紗雪は飛び退った。
「奴は斬った瞬間再生する!とにかく斬り続けるんだ!!」
冨岡の言葉に紗雪が再び突っ込む。管の動きが薙ぎ払う形から突きに変わった。
「!?」
避けきれず五本のうち二本が紗雪の腹に突き刺さる。
「ぐっ!」
「紗雪!」
(ほう、致命傷になる三本は避けたか)
そのまま放り投げられ紗雪は瓦礫に突っ込んだ。
「あっ!がはっ!!」
(心臓と頭と喉は守った…まだ、大丈夫!)
そう思った瞬間、体に激痛が走って紗雪は血を吐いた。全身が引き攣ったようになって動けない。
(無惨の毒…さっきの管が肺を傷つけた!上弦の鬼の血気術で傷んでいた肺に追い討ち…!)
紗雪は上手く動かない手で胸を何度も叩いた。ゲボッと音がして肺に溜まっていた大量の血を吐き出す。口の中の血を地面に吐き捨てると紗雪は大きく息をついた。
(呼吸で血の巡りを遅らせろ。毒を体に回らせるな)
紗雪が刀を持って立ち上がれば、無惨の無数にある口の吸息に引っ張られ甘露寺が頭と肩に大きな傷を負っていた。追い討ちをかける無惨の攻撃を冨岡達と共に紗雪も飛び込んで防ぐ。
(集中しろ!無惨の攻撃を観察しながら動け!!)
ほぼノーモーションで動いているように見えても生き物である以上筋肉が動いている筈だ。
(くそ…毒の回りが早い…)
体が軋む。爛れて瘤がいくつも出来て刀が振りにくい。再び喀血して紗雪は歯を食いしばった。
冨岡、不死川、伊黒に悲鳴嶼も皆状態は同じだ。
「!?」
上空に猫が飛び出てきて一瞬、全員の視線を攫った。背中に背負っていた鞄から飛び出した注射器が突き刺さる。肩に刺さったそれに紗雪は見覚えがあった。
(これ、胡蝶さんと珠世さんの…!)
体中に出来ていた瘤が消え、痛みが治まる。紗雪は再び刀を振るった。攻撃を掻い潜り腕を斬る。
(なんだ?)
攻撃をかわすのが楽だった気がする。動けなくなっている伊黒のフォローに入りながら、紗雪は誰かが伊黒を引っ張り上げたのを感じた。
無惨の攻撃を空中の伊黒がかわす。
(味方!)
それだけ確認すると無惨に向かう。無惨の管が誰もいない場所を薙いだ。
(カナヲちゃん、伊之助君、善逸君!)
札が破かれて3人が姿を表した。人数が増えて無惨への攻撃が通りやすくなる。中でも伊黒の赫刀の効果が凄まじかった。
「冨岡ァァァ!受けろォォ!!」
「!?」
ガキィィィ!と激しい金属音が響く。刀身が赫くなったのを確認すると不死川は紗雪を振り返った。
「紗雪!テメェもだ!!」
「っ!」
あわてて刀を立てると不死川の刀を受ける。元より赤い刀身が深い赫に変わった。不死川に渾身の力で打ち込まれ手が痺れる。
「不死川さんの馬鹿力!」
「無駄口叩くとは余裕だなぁ!!」
襲いくる管を斬り落とす。僅かながら再生速度が遅くなり、更に攻撃が入りやすくなった。
「伊黒ーっ!体を注視しろ!!見え方が変わらないか!?他の誰でもいい!!体が透けて見えないか!?」
悲鳴嶼の言葉に紗雪は煉獄を治療した時のことを思い出した。体内の状態が手に取るようにわかったあの感覚。
「!!」
パギャ!と奇妙な音がした瞬間、紗雪は建物に叩きつけられていた。
(何…が……)
紗雪の意識はそこで途切れた。