本編
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「カナヲちゃん」
空中で体制を崩したカナヲを紗雪が抱き止めた。そっと地面に下ろすと崩れていく童磨の首を見下ろす。童磨の無感情な目がこちらを見上げていた。
(狡いなぁ…今になってそんな顔するなんて、俺は君のこと本当に嫌いだよ)
紗雪は苦いような苦しいような顔で童磨を見ていた。その顔を戦闘中に見たかったと童磨は思う。
(生まれて初めてだよ。こんなにイラつかされたのは)
それはそれでなかなか感動的な体験だと思う。
(まぁ、もう死んじゃうんだけどさ)
悔しさも悲しさも恐怖も感じない。両目が共に崩れ童磨の意識はそこで消え失せた。
「やっ…た…!」
童磨の頭があった場所を伊之助は踏みつけた。感情が昂り抑えられない。
「口程にもねぇ野郎だぜ!ワーハハハ!トドメじゃあ!!」
踏んで蹴って捻って高笑いして…目を回した伊之助は床に座り込んだ。思い出した母親の面影が脳裏を巡る。
「母ちゃん…」
紗雪が傍に来て屈んだ。
「出血が酷い。手当しましょう」
「あぁ!?こんぐらい何でもねぇよ!!」
伊之助は両手を振りまわし叫んだ。上弦の鬼を倒した自分は強いのだと主張する。ビリッとした空気を感じて伊之助が黙り込んだ。
「いいからさっさと腕を出せ」
「…ハイ、ドウゾ」
紗雪の怒りを感じて伊之助は大人しく手当を受けた。髪飾りを拾ったカナヲが戻ってくる。
「カナヲちゃんも手当しますから待っててくださいね」
「そんな大きな怪我はしてないよ椎名」
花の呼吸の終ノ型も使わずに済んだ。だが紗雪は首を横に振った。
「まだ無惨がいます。少しでも状態を整えて向かいましょう。私がそうしたいんです」
「椎名…ありがとう」
戦いの間、紗雪はカナヲや伊之助が致命傷を負わないよう常に気を配っていた。上弦の鬼を相手に二人を守りながら前線で戦ったのだ。
伊之助の手当てを終えるとカナヲの方に取り掛かりながら紗雪は泣きそうな顔になった。
「本当は胡蝶さんの計画そのものを辞めさせたかったんですけれど…力が及ばず申し訳ありません」
「……師範は椎名のお陰で沢山薬の研究が出来たって喜んでた」
「………」
ボロボロ涙をこぼすカナヲを抱き締めると紗雪の目から涙が溢れた。伊之助が慌てる。
「お、おい!泣くな!!俺達仇を討ったんだ!討ったんだぞ!!」
「うん…うん…っ!」
「そうですね…そうですよね…!」
ひとしきり泣くと涙を拭って立ち上がる。
「行きましょう」
3人は無惨を目指し、再び移動を始めた。
「シノブ!カナヲ!伊之助!椎名!!4名ニヨリ上弦ノ弍撃破!!撃破ァ!!」
要の上げた声に煉獄は思わず腰を浮かせた。それは宇髄も同じだったようで愼寿郎にひと睨みされ慌てて座る。
「これで残るは上弦の肆と壱…そして無惨か」
「あぁ、派手な事になってきたな」
「静まらんか」
煉獄は未だ暗い空を見上げた。
(日の出まであとどの位だ?一時間か?二時間か?)
要の報告で紗雪が生き残っているのは分かった。だがまだまだ日の出が遠い。
「無惨が…無惨復活!!」
「………」
無惨復活の報に拳を握りしめる煉獄だった。
空中で体制を崩したカナヲを紗雪が抱き止めた。そっと地面に下ろすと崩れていく童磨の首を見下ろす。童磨の無感情な目がこちらを見上げていた。
(狡いなぁ…今になってそんな顔するなんて、俺は君のこと本当に嫌いだよ)
紗雪は苦いような苦しいような顔で童磨を見ていた。その顔を戦闘中に見たかったと童磨は思う。
(生まれて初めてだよ。こんなにイラつかされたのは)
それはそれでなかなか感動的な体験だと思う。
(まぁ、もう死んじゃうんだけどさ)
悔しさも悲しさも恐怖も感じない。両目が共に崩れ童磨の意識はそこで消え失せた。
「やっ…た…!」
童磨の頭があった場所を伊之助は踏みつけた。感情が昂り抑えられない。
「口程にもねぇ野郎だぜ!ワーハハハ!トドメじゃあ!!」
踏んで蹴って捻って高笑いして…目を回した伊之助は床に座り込んだ。思い出した母親の面影が脳裏を巡る。
「母ちゃん…」
紗雪が傍に来て屈んだ。
「出血が酷い。手当しましょう」
「あぁ!?こんぐらい何でもねぇよ!!」
伊之助は両手を振りまわし叫んだ。上弦の鬼を倒した自分は強いのだと主張する。ビリッとした空気を感じて伊之助が黙り込んだ。
「いいからさっさと腕を出せ」
「…ハイ、ドウゾ」
紗雪の怒りを感じて伊之助は大人しく手当を受けた。髪飾りを拾ったカナヲが戻ってくる。
「カナヲちゃんも手当しますから待っててくださいね」
「そんな大きな怪我はしてないよ椎名」
花の呼吸の終ノ型も使わずに済んだ。だが紗雪は首を横に振った。
「まだ無惨がいます。少しでも状態を整えて向かいましょう。私がそうしたいんです」
「椎名…ありがとう」
戦いの間、紗雪はカナヲや伊之助が致命傷を負わないよう常に気を配っていた。上弦の鬼を相手に二人を守りながら前線で戦ったのだ。
伊之助の手当てを終えるとカナヲの方に取り掛かりながら紗雪は泣きそうな顔になった。
「本当は胡蝶さんの計画そのものを辞めさせたかったんですけれど…力が及ばず申し訳ありません」
「……師範は椎名のお陰で沢山薬の研究が出来たって喜んでた」
「………」
ボロボロ涙をこぼすカナヲを抱き締めると紗雪の目から涙が溢れた。伊之助が慌てる。
「お、おい!泣くな!!俺達仇を討ったんだ!討ったんだぞ!!」
「うん…うん…っ!」
「そうですね…そうですよね…!」
ひとしきり泣くと涙を拭って立ち上がる。
「行きましょう」
3人は無惨を目指し、再び移動を始めた。
「シノブ!カナヲ!伊之助!椎名!!4名ニヨリ上弦ノ弍撃破!!撃破ァ!!」
要の上げた声に煉獄は思わず腰を浮かせた。それは宇髄も同じだったようで愼寿郎にひと睨みされ慌てて座る。
「これで残るは上弦の肆と壱…そして無惨か」
「あぁ、派手な事になってきたな」
「静まらんか」
煉獄は未だ暗い空を見上げた。
(日の出まであとどの位だ?一時間か?二時間か?)
要の報告で紗雪が生き残っているのは分かった。だがまだまだ日の出が遠い。
「無惨が…無惨復活!!」
「………」
無惨復活の報に拳を握りしめる煉獄だった。