本編
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「来たかぁ、紗雪」
「不死川さんはお前につける稽古はないとか言いませんよね!?」
「はぁ?」
柱稽古に来るなりの紗雪の言葉に不死川は眉を寄せた。
「んな訳ねぇだろぉ」
「良かった。宇髄さんも蜜璃さんも時透君も伊黒さんも酷いんですよ?時間の無駄だから次行けって言うんです」
プリプリ怒る紗雪に不死川は頭をかいた。光景が目に浮かぶようだ。
「そりゃあ、そうだろぉ。一般隊士用の基礎訓練が今更お前にいる訳ねぇわ」
「差別いくない!」
「区別だぁ。それよりほら、俺はお前につける稽古はあるつもりだぜぇ」
不死川は紗雪を庭まで連れて行くと木刀を投げ渡した。自身も木刀を握ると他の隊士達…何故か異常に殺気立っているのには目もくれず話す。
「俺がやってるのは無限打ち込み稽古だぁ。テメェの攻撃が一発でも当たれば悲鳴嶼さんとこに行かせてやるぜぇ」
「宜しくお願いします」
紗雪が木刀を構えた瞬間、不死川の姿が消えた。横からくる一撃を後ろに飛んでかわすと他の隊士達が突っ込んでいく。
(わぁ)
人間が木の葉のように蹴散らさせるのに紗雪は顔を引き攣らせた。容赦が無さすぎる。
(でもちゃんと見える)
不死川は風の呼吸の使い手なだけあってとにかく速い。紗雪は大柄な隊士が吹き飛ばされた隙をついてその懐に飛び込んだ。
「甘ぇ!」
「っ!」
力任せに横薙ぎに払われ、木刀で受けるとその勢いで不死川から離れる。不死川は実に楽しそうに笑った。
「そうこなくっちゃよぉ!」
激しく打込んでくる不死川の攻撃をかわし、受け流しながら紗雪はその動きを観察した。最早他の隊士が入ってくる様子はない。
(螺旋状の攻撃。円環の攻撃は次が来るのが速い。更に一瞬で複数の斬撃)
「どうしたぁ!もっと打込んで来い!!」
「ふっ!」
不死川の回転する動きにそって木刀を弾けば、僅かに崩れた体制に踏み込みかけて紗雪は下がった。
「いい勘してやがるなぁ」
(やっぱりフェイクか)
もう少し踏み込めば返り討ちだっただろう。木刀を握りなおす紗雪に不死川が凄んだ。
「まだまだだぁ!気ぃ抜きやがったらブチ殺すぞぉ!!」
「いぃーやぁぁぁぁーっ!!!」
「!?」
真後ろから上がった悲鳴に紗雪はビクッと肩を揺らした。次の瞬間、背中に衝撃が走り何かが張り付く。紗雪が驚いて振り返ると善逸が今にも死にそうな顔をしていた。
「善逸君!?」
「紗雪さん助けてーっ!!こ、こ、こ、殺されるーっ!!」
「ちょ、ちょっと離れて!」
「いーー!やぁーーーーーっ!!」
凄んだ不死川が余程怖かったのだろう。善逸は恐慌状態でこちらの声は届いていない。紗雪はなんとか善逸を背中から剥がそうと身を捩った。
「善逸君、離れましょう!これだと私も動けないです!!」
「いやいやいやいやいやいや!ここが一番安全だから絶対離れないーっ!」
「いや安全じゃないよ!?」
しがみついて離れない善逸に紗雪は困り果てた。ガシッと傷だらけの腕が伸びて善逸の頭を鷲掴む。不死川が青筋を立てまくって善逸を睨み付けていた。
「テメェ、戦闘中の他の隊士の足引っ張るとはいい度胸だぁ」
「ひぃぃぃぃっ!!うぎゃうぉわーっ!!」
「うるせぇ!」
紗雪から引き剥がすと池に向かってぶん投げる。善逸はずぶ濡れでアババババ!とまだパニクっていた。
「俺ぁ、紗雪との打ち込み稽古を楽しみにしてたんだ!邪魔すんじゃねぇ!!」
言ってしまってからハッとして不死川は紗雪の方を見た。キョトンとした紗雪が思わず尋ねる。
「楽しみにしてくださってたんですか」
「…うるせぇ!次行くぞオラ!!」
不死川が下から掬い上げるように打ち込んでくる。紗雪は体重をかけて上から木刀を振り下ろすと、不死川に体当たりした。ぐらついた所に追い討ちをかける。
ーー炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねりーー
ーー風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹ーー
ぶつかり合う技の勢いで木刀にヒビが入る。二人はそれぞれ手近な木刀を拾うと再びぶつかり合った。
「観察から行動に移すまでが遅せぇ!全部観察し切ってから考えるな!」
「っ!」
「動きながら見ろ!決めろ!」
ーー風の呼吸 伍ノ型 木枯らし颪ーー
上段からの広範囲の斬撃に紗雪の木刀が粉微塵になった。慌てて飛び退く紗雪を不死川が追撃する。
ーー風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹ーー
紗雪はそばの松の木を蹴ると大きく跳躍して不死川の上を飛び越えた。
「紗雪様!」
隊士が投げてくれた木刀を握りなおす。
ーー炎の呼吸 伍ノ型 炎虎ーー
「ちっ!」
不死川が大きく横に飛ぶのを紗雪が追う。紗雪の打ち込みを弾き返すと不死川が満足そうに笑った。
「そうだぁ!一瞬も気を抜くなぁ!瞬き一つが命取りだ!!」
「はいっ!」
「「「…‥‥‥」」」
不死川につられて楽しくなる紗雪にドン引きする善逸はじめ隊士たち。日の沈むころ、紗雪の風屋敷での柱稽古は終了したのだった。
「不死川さんはお前につける稽古はないとか言いませんよね!?」
「はぁ?」
柱稽古に来るなりの紗雪の言葉に不死川は眉を寄せた。
「んな訳ねぇだろぉ」
「良かった。宇髄さんも蜜璃さんも時透君も伊黒さんも酷いんですよ?時間の無駄だから次行けって言うんです」
プリプリ怒る紗雪に不死川は頭をかいた。光景が目に浮かぶようだ。
「そりゃあ、そうだろぉ。一般隊士用の基礎訓練が今更お前にいる訳ねぇわ」
「差別いくない!」
「区別だぁ。それよりほら、俺はお前につける稽古はあるつもりだぜぇ」
不死川は紗雪を庭まで連れて行くと木刀を投げ渡した。自身も木刀を握ると他の隊士達…何故か異常に殺気立っているのには目もくれず話す。
「俺がやってるのは無限打ち込み稽古だぁ。テメェの攻撃が一発でも当たれば悲鳴嶼さんとこに行かせてやるぜぇ」
「宜しくお願いします」
紗雪が木刀を構えた瞬間、不死川の姿が消えた。横からくる一撃を後ろに飛んでかわすと他の隊士達が突っ込んでいく。
(わぁ)
人間が木の葉のように蹴散らさせるのに紗雪は顔を引き攣らせた。容赦が無さすぎる。
(でもちゃんと見える)
不死川は風の呼吸の使い手なだけあってとにかく速い。紗雪は大柄な隊士が吹き飛ばされた隙をついてその懐に飛び込んだ。
「甘ぇ!」
「っ!」
力任せに横薙ぎに払われ、木刀で受けるとその勢いで不死川から離れる。不死川は実に楽しそうに笑った。
「そうこなくっちゃよぉ!」
激しく打込んでくる不死川の攻撃をかわし、受け流しながら紗雪はその動きを観察した。最早他の隊士が入ってくる様子はない。
(螺旋状の攻撃。円環の攻撃は次が来るのが速い。更に一瞬で複数の斬撃)
「どうしたぁ!もっと打込んで来い!!」
「ふっ!」
不死川の回転する動きにそって木刀を弾けば、僅かに崩れた体制に踏み込みかけて紗雪は下がった。
「いい勘してやがるなぁ」
(やっぱりフェイクか)
もう少し踏み込めば返り討ちだっただろう。木刀を握りなおす紗雪に不死川が凄んだ。
「まだまだだぁ!気ぃ抜きやがったらブチ殺すぞぉ!!」
「いぃーやぁぁぁぁーっ!!!」
「!?」
真後ろから上がった悲鳴に紗雪はビクッと肩を揺らした。次の瞬間、背中に衝撃が走り何かが張り付く。紗雪が驚いて振り返ると善逸が今にも死にそうな顔をしていた。
「善逸君!?」
「紗雪さん助けてーっ!!こ、こ、こ、殺されるーっ!!」
「ちょ、ちょっと離れて!」
「いーー!やぁーーーーーっ!!」
凄んだ不死川が余程怖かったのだろう。善逸は恐慌状態でこちらの声は届いていない。紗雪はなんとか善逸を背中から剥がそうと身を捩った。
「善逸君、離れましょう!これだと私も動けないです!!」
「いやいやいやいやいやいや!ここが一番安全だから絶対離れないーっ!」
「いや安全じゃないよ!?」
しがみついて離れない善逸に紗雪は困り果てた。ガシッと傷だらけの腕が伸びて善逸の頭を鷲掴む。不死川が青筋を立てまくって善逸を睨み付けていた。
「テメェ、戦闘中の他の隊士の足引っ張るとはいい度胸だぁ」
「ひぃぃぃぃっ!!うぎゃうぉわーっ!!」
「うるせぇ!」
紗雪から引き剥がすと池に向かってぶん投げる。善逸はずぶ濡れでアババババ!とまだパニクっていた。
「俺ぁ、紗雪との打ち込み稽古を楽しみにしてたんだ!邪魔すんじゃねぇ!!」
言ってしまってからハッとして不死川は紗雪の方を見た。キョトンとした紗雪が思わず尋ねる。
「楽しみにしてくださってたんですか」
「…うるせぇ!次行くぞオラ!!」
不死川が下から掬い上げるように打ち込んでくる。紗雪は体重をかけて上から木刀を振り下ろすと、不死川に体当たりした。ぐらついた所に追い討ちをかける。
ーー炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねりーー
ーー風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹ーー
ぶつかり合う技の勢いで木刀にヒビが入る。二人はそれぞれ手近な木刀を拾うと再びぶつかり合った。
「観察から行動に移すまでが遅せぇ!全部観察し切ってから考えるな!」
「っ!」
「動きながら見ろ!決めろ!」
ーー風の呼吸 伍ノ型 木枯らし颪ーー
上段からの広範囲の斬撃に紗雪の木刀が粉微塵になった。慌てて飛び退く紗雪を不死川が追撃する。
ーー風の呼吸 参ノ型 晴嵐風樹ーー
紗雪はそばの松の木を蹴ると大きく跳躍して不死川の上を飛び越えた。
「紗雪様!」
隊士が投げてくれた木刀を握りなおす。
ーー炎の呼吸 伍ノ型 炎虎ーー
「ちっ!」
不死川が大きく横に飛ぶのを紗雪が追う。紗雪の打ち込みを弾き返すと不死川が満足そうに笑った。
「そうだぁ!一瞬も気を抜くなぁ!瞬き一つが命取りだ!!」
「はいっ!」
「「「…‥‥‥」」」
不死川につられて楽しくなる紗雪にドン引きする善逸はじめ隊士たち。日の沈むころ、紗雪の風屋敷での柱稽古は終了したのだった。