本編
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「今日からお世話になります!!」
宇髄の稽古を終えた炭治郎が荷物をしょって煉獄家にやってきた。整然と並んだ隊士達が素振りをしているのに見惚れる。ただし隊士達の顔は軒並み死んでいた。
「よく来たな!竈門少年!!宇髄の所で体調は整えて来たか?」
「はい!」
炭治郎は周囲を見回すと煉獄に尋ねた。
「紗雪さんは柱稽古に行かれたんですか?」
「いや、紗雪は夜の巡回から帰って来たばかりで休んでいる」
煉獄が言い終わると同時に母屋から隊士が一人吹き飛んできた。地面に転がって動かなくなった隊士に煉獄が眉を寄せる。ビリッとした怒りを感じて炭治郎が煉獄を見上げたが、煉獄は平静そのものだった。
(あれ?気の所為かな)
「あ、紗雪さん!」
壊れた襖の向こうから不機嫌な顔をした紗雪が現れた。寝巻きのままだし髪も解いたままだ。様子のおかしい紗雪を心配して炭治郎が駆け寄った。
「紗雪さん、大丈夫ですか?」
「…炭治郎君?」
紗雪は縁側に膝をつくと炭治郎の頭に手を伸ばした。わしゃわしゃと撫で回され炭治郎が戸惑う。
「あの、紗雪さん?」
「…縮みましたね炭治郎君」
「俺、庭に降りてますから」
完全に寝ぼけている紗雪に炭治郎は苦笑した。煉獄が歩み寄ると自分が着ていた羽織を紗雪の肩にかける。
「一時間しか寝ていない。まだ休むんだ紗雪」
「いやでも…稽古が」
「昼からで良い。さぁ」
煉獄に促され紗雪はフラフラと部屋の中に戻っていった。千寿郎が駆け寄って来て煉獄に頭を下げる。
「申し訳ありません兄上。厠に行くと言われて隊士殿を母屋に上げました」
「離れの方を使う様にしよう。母屋に人を上げる必要はない」
「はい。お久しぶりです炭治郎さん。すいません、騒がしくしてしまって」
千寿郎に自分まで頭を下げられ炭治郎は慌てて手を振った。炭治郎も深く頭を下げる。
「こちらこそお世話になります!」
「紗雪さんの様子を見てまいります」
「頼む」
稽古に入ろうと炭治郎は後ろを振り返った。途端に縄でぐるぐる巻にされ松の木に逆さに吊るされた先程の隊士が目に飛び込んでくる。
(いつの間にっ)
恐らくは紗雪の部屋に忍び込んで返り討ちにあったのだろう隊士に同情の余地は無いが、なかなか手際のいい吊るされっぷりである。炭治郎は見なかった事にすると、同じように見ないふりをしている隊士達に混じり木刀を握った。
「おはようございます紗雪さん!」
昼休憩の後、きちんと隊服を着て現れた紗雪に炭治郎が駆け寄った。
「炭治郎君、久しぶりですね。傷も完治して何よりです」
昼前の出来事を覚えていない様子の紗雪に炭治郎は何も言わなかった。わざわざ思い出すようなことではない。
「今朝の素振りから参加してます!昼からは紗雪さんと打ち込み稽古をするって聞きました!宜しくお願いします!!」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
紗雪は木刀を手にすると取り囲む隊士達の中央に立った。立会いの煉獄が合図をする。
「はじめ!」
煉獄の声と共に隊士が次から次へと紗雪にかかっていく。ルールは単純だった。隊士は紗雪に一撃入れられれば稽古終了。次の柱稽古に向かえる。一方紗雪は隊士の攻撃を木刀で受け流すことさえ禁止されていた。とにかく攻撃を避け続け隊士達に打ち込んで行く。
「くっ…!」
そんな偏った決まりで良いのかと思っていた炭治郎だったが、すぐにその考えを改めた。とにかく紗雪に攻撃が当たらない。それどころか動きが全て把握されて近づくのも難しい。
「そこまで!」
三時間後、炭治郎達の攻撃は紗雪に一度も届かず終わった。地面に座り込み息も絶え絶えの面々に比べて紗雪は涼しい顔だ。
「今日の巡回は少し遠方だったな!紗雪はこれで切り上げよう!」
「はい。では行ってきます」
(え!?この足で任務に行くの!?)
羽織を着るとさっさと出発してしまう紗雪を炭治郎は呆気に取られて見送った。座り込む隊士に煉獄の檄が飛ぶ。
「暗くなるまで素振りを再開だ!」
「「「はいっ!!」」」
この後腕が上がらなくなるまで素振りをする炭治郎だった。
宇髄の稽古を終えた炭治郎が荷物をしょって煉獄家にやってきた。整然と並んだ隊士達が素振りをしているのに見惚れる。ただし隊士達の顔は軒並み死んでいた。
「よく来たな!竈門少年!!宇髄の所で体調は整えて来たか?」
「はい!」
炭治郎は周囲を見回すと煉獄に尋ねた。
「紗雪さんは柱稽古に行かれたんですか?」
「いや、紗雪は夜の巡回から帰って来たばかりで休んでいる」
煉獄が言い終わると同時に母屋から隊士が一人吹き飛んできた。地面に転がって動かなくなった隊士に煉獄が眉を寄せる。ビリッとした怒りを感じて炭治郎が煉獄を見上げたが、煉獄は平静そのものだった。
(あれ?気の所為かな)
「あ、紗雪さん!」
壊れた襖の向こうから不機嫌な顔をした紗雪が現れた。寝巻きのままだし髪も解いたままだ。様子のおかしい紗雪を心配して炭治郎が駆け寄った。
「紗雪さん、大丈夫ですか?」
「…炭治郎君?」
紗雪は縁側に膝をつくと炭治郎の頭に手を伸ばした。わしゃわしゃと撫で回され炭治郎が戸惑う。
「あの、紗雪さん?」
「…縮みましたね炭治郎君」
「俺、庭に降りてますから」
完全に寝ぼけている紗雪に炭治郎は苦笑した。煉獄が歩み寄ると自分が着ていた羽織を紗雪の肩にかける。
「一時間しか寝ていない。まだ休むんだ紗雪」
「いやでも…稽古が」
「昼からで良い。さぁ」
煉獄に促され紗雪はフラフラと部屋の中に戻っていった。千寿郎が駆け寄って来て煉獄に頭を下げる。
「申し訳ありません兄上。厠に行くと言われて隊士殿を母屋に上げました」
「離れの方を使う様にしよう。母屋に人を上げる必要はない」
「はい。お久しぶりです炭治郎さん。すいません、騒がしくしてしまって」
千寿郎に自分まで頭を下げられ炭治郎は慌てて手を振った。炭治郎も深く頭を下げる。
「こちらこそお世話になります!」
「紗雪さんの様子を見てまいります」
「頼む」
稽古に入ろうと炭治郎は後ろを振り返った。途端に縄でぐるぐる巻にされ松の木に逆さに吊るされた先程の隊士が目に飛び込んでくる。
(いつの間にっ)
恐らくは紗雪の部屋に忍び込んで返り討ちにあったのだろう隊士に同情の余地は無いが、なかなか手際のいい吊るされっぷりである。炭治郎は見なかった事にすると、同じように見ないふりをしている隊士達に混じり木刀を握った。
「おはようございます紗雪さん!」
昼休憩の後、きちんと隊服を着て現れた紗雪に炭治郎が駆け寄った。
「炭治郎君、久しぶりですね。傷も完治して何よりです」
昼前の出来事を覚えていない様子の紗雪に炭治郎は何も言わなかった。わざわざ思い出すようなことではない。
「今朝の素振りから参加してます!昼からは紗雪さんと打ち込み稽古をするって聞きました!宜しくお願いします!!」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
紗雪は木刀を手にすると取り囲む隊士達の中央に立った。立会いの煉獄が合図をする。
「はじめ!」
煉獄の声と共に隊士が次から次へと紗雪にかかっていく。ルールは単純だった。隊士は紗雪に一撃入れられれば稽古終了。次の柱稽古に向かえる。一方紗雪は隊士の攻撃を木刀で受け流すことさえ禁止されていた。とにかく攻撃を避け続け隊士達に打ち込んで行く。
「くっ…!」
そんな偏った決まりで良いのかと思っていた炭治郎だったが、すぐにその考えを改めた。とにかく紗雪に攻撃が当たらない。それどころか動きが全て把握されて近づくのも難しい。
「そこまで!」
三時間後、炭治郎達の攻撃は紗雪に一度も届かず終わった。地面に座り込み息も絶え絶えの面々に比べて紗雪は涼しい顔だ。
「今日の巡回は少し遠方だったな!紗雪はこれで切り上げよう!」
「はい。では行ってきます」
(え!?この足で任務に行くの!?)
羽織を着るとさっさと出発してしまう紗雪を炭治郎は呆気に取られて見送った。座り込む隊士に煉獄の檄が飛ぶ。
「暗くなるまで素振りを再開だ!」
「「「はいっ!!」」」
この後腕が上がらなくなるまで素振りをする炭治郎だった。