本編
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「人には人の事情があるんだから無神経に突き回さないでいただきたい!!」
「アオイさんを返せ!!」
蝶屋敷の門の前で炭治郎、きよ、すみ、なほ、カナヲが宇髄と睨み合う。それを遠目に認めた紗雪は苦笑すると走り出した。
「アオイさんの代わりに俺たちが行く!!」
「あっそぉ。じゃあ一緒に来ていただこうかね」
あっさり引き下がる宇髄に苦笑すると紗雪は抱えられたままのアオイの目の前に立った。
「手荒な事にならなくて良かったです」
「紗雪さんっ」
冷や汗を流すアオイを宇髄の肩から引っ張り下ろすと、紗雪は宇髄を覗き込んだ。
「困りますよ宇髄さん。胡蝶さんに留守の時は頼むと言われているんですから」
「あのな。継子じゃねえ奴は許可がいらねぇの!そいつが役に立つかどうかはわからねぇけどな」
ぐっと唇を引き結ぶアオイの肩を抱くと紗雪はにこやかに笑った。
「では余計連れて行かれては困ります。アオイさんは蝶屋敷には無くてはならない方ですから。蝶屋敷の業務が滞ってしまいます」
「………」
紗雪の言葉にアオイは目を見開くと顔を上げた。鬼殺隊に入隊したと言うのに戦えなかった自分に価値があると紗雪は言ってくれた。それはアオイ自身が思っているよりずっと勇気づけられる言葉だった。
「怪我をした隊士の治療が進まないと柱の皆さんの仕事が今以上に悲惨な事に…」
「悲惨っていうな!分かった分かった。あそこの派手に元気を持て余してる隊士殿どもが一緒に行ってくれるって言うんで我慢するって」
「我慢ってなんだよ!」
「皮肉だよばーか!」
怒る伊之助に応戦する宇髄を放ってアオイが門の上から降りるのを手伝う。宇髄が独り言を装って言った。
「あーあ、誰かさんが派手に一緒に行ってくれりゃあ新人隊士の手を借りる必要は無いんだかなぁ」
「………」
ふむ…と紗雪は顎に手をかけ考えた。宇髄がここまで手こずる相手ならば人手は多い方が良いだろう。紗雪の反応に宇髄がパッと表情を明るくした。
「おっ、手伝ってくれるのか!?」
「もちろん駄目だ!」
「!?」
真横から聞こえた声に紗雪は飛び上がった。別に気を抜いていたつもりはないのに全く気が付かなかった。それは炭治郎達も同じだったようで目を丸くしていた。
「煉獄さん!」
「宇髄!紗雪は今、手一杯だ!!これ以上任務は増やせないぞ!」
「ですが師範…」
忙しかったのは現役の頃の煉獄も同じである。紗雪はそう言いかけたが、煉獄に人差し指で口を押さえられてしまった。
「はっきり言って今の君は俺の時より忙しくしている!これ以上は君が潰れるぞ!!」
そう言われてしまうと紗雪もぐうの音が出ない。黙ってしまった紗雪に炭治郎が力強く言った。
「心配しないで下さい紗雪さん!俺達しっかり任務をこなして見せますから!!」
「そーかよ。んじゃあ派手に出発するとしますかね」
宇髄はよほど切羽詰まっているのか煉獄と紗雪の距離感に突っ込みを入れなかった。煉獄が駄目と言えば紗雪が我を通す事がないのもよく知っている。
宇髄は炭治郎達に付いてくるよう伝えると、見送る煉獄と紗雪を振り返った。
「胡蝶に言うなよ?」
蝶屋敷の主人は優しげな見た目に反して怒ると非常に恐ろしい。宇髄がそう言えば紗雪が残念そうに笑った。
「この後に紅を飛ばそうと思っていたのですが、やめておきますね」
「危ねぇな!派手に頼むぜ!?」
宇髄が顔色を悪くすれば煉獄がいい笑顔で答えた。
「心配するな宇髄!もう要を飛ばしてある!!」
「こんの似た者師弟が!!覚えてろよ!!」
敗者の捨て台詞のような言葉を吐くと宇髄は走り去った。
「…そう言えば女性の隊士が必要な任務って何だったのでしょう?」
「さぁな!宇髄の事だ、上手くやるだろう!」
(遊廓なぞに紗雪は向かわせん!)
私情が入りまくる煉獄であった。
「アオイさんを返せ!!」
蝶屋敷の門の前で炭治郎、きよ、すみ、なほ、カナヲが宇髄と睨み合う。それを遠目に認めた紗雪は苦笑すると走り出した。
「アオイさんの代わりに俺たちが行く!!」
「あっそぉ。じゃあ一緒に来ていただこうかね」
あっさり引き下がる宇髄に苦笑すると紗雪は抱えられたままのアオイの目の前に立った。
「手荒な事にならなくて良かったです」
「紗雪さんっ」
冷や汗を流すアオイを宇髄の肩から引っ張り下ろすと、紗雪は宇髄を覗き込んだ。
「困りますよ宇髄さん。胡蝶さんに留守の時は頼むと言われているんですから」
「あのな。継子じゃねえ奴は許可がいらねぇの!そいつが役に立つかどうかはわからねぇけどな」
ぐっと唇を引き結ぶアオイの肩を抱くと紗雪はにこやかに笑った。
「では余計連れて行かれては困ります。アオイさんは蝶屋敷には無くてはならない方ですから。蝶屋敷の業務が滞ってしまいます」
「………」
紗雪の言葉にアオイは目を見開くと顔を上げた。鬼殺隊に入隊したと言うのに戦えなかった自分に価値があると紗雪は言ってくれた。それはアオイ自身が思っているよりずっと勇気づけられる言葉だった。
「怪我をした隊士の治療が進まないと柱の皆さんの仕事が今以上に悲惨な事に…」
「悲惨っていうな!分かった分かった。あそこの派手に元気を持て余してる隊士殿どもが一緒に行ってくれるって言うんで我慢するって」
「我慢ってなんだよ!」
「皮肉だよばーか!」
怒る伊之助に応戦する宇髄を放ってアオイが門の上から降りるのを手伝う。宇髄が独り言を装って言った。
「あーあ、誰かさんが派手に一緒に行ってくれりゃあ新人隊士の手を借りる必要は無いんだかなぁ」
「………」
ふむ…と紗雪は顎に手をかけ考えた。宇髄がここまで手こずる相手ならば人手は多い方が良いだろう。紗雪の反応に宇髄がパッと表情を明るくした。
「おっ、手伝ってくれるのか!?」
「もちろん駄目だ!」
「!?」
真横から聞こえた声に紗雪は飛び上がった。別に気を抜いていたつもりはないのに全く気が付かなかった。それは炭治郎達も同じだったようで目を丸くしていた。
「煉獄さん!」
「宇髄!紗雪は今、手一杯だ!!これ以上任務は増やせないぞ!」
「ですが師範…」
忙しかったのは現役の頃の煉獄も同じである。紗雪はそう言いかけたが、煉獄に人差し指で口を押さえられてしまった。
「はっきり言って今の君は俺の時より忙しくしている!これ以上は君が潰れるぞ!!」
そう言われてしまうと紗雪もぐうの音が出ない。黙ってしまった紗雪に炭治郎が力強く言った。
「心配しないで下さい紗雪さん!俺達しっかり任務をこなして見せますから!!」
「そーかよ。んじゃあ派手に出発するとしますかね」
宇髄はよほど切羽詰まっているのか煉獄と紗雪の距離感に突っ込みを入れなかった。煉獄が駄目と言えば紗雪が我を通す事がないのもよく知っている。
宇髄は炭治郎達に付いてくるよう伝えると、見送る煉獄と紗雪を振り返った。
「胡蝶に言うなよ?」
蝶屋敷の主人は優しげな見た目に反して怒ると非常に恐ろしい。宇髄がそう言えば紗雪が残念そうに笑った。
「この後に紅を飛ばそうと思っていたのですが、やめておきますね」
「危ねぇな!派手に頼むぜ!?」
宇髄が顔色を悪くすれば煉獄がいい笑顔で答えた。
「心配するな宇髄!もう要を飛ばしてある!!」
「こんの似た者師弟が!!覚えてろよ!!」
敗者の捨て台詞のような言葉を吐くと宇髄は走り去った。
「…そう言えば女性の隊士が必要な任務って何だったのでしょう?」
「さぁな!宇髄の事だ、上手くやるだろう!」
(遊廓なぞに紗雪は向かわせん!)
私情が入りまくる煉獄であった。