本編
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紗雪は目の前に広がる光景に立ち尽くしていた。深い霧が広がり先の見えないそれは見覚えがある。
「………」
「鬼の気配がするな!」
煉獄の言葉にハッとして日輪刀に手をかける。鬼の気配を読もうと集中する紗雪の耳に銃声と叫び声が届いた。
『くそぉ!何だこの霧!!』
『おい!はぐれるなよ!!同士討ちになるぞ!!』
『ゴーグルの表示がおかしい!』
「っ!!」
紗雪は息を飲んだ。自分がここに来た時と同じ事が目の前で起こっている。紗雪は息を大きく吸い込むと声の限り叫んだ。
『来るなーーっ!!』
『この霧の中に入っちゃ駄目だ!!』
『来た方へ戻れ!帰れなくなるぞ!!』
紗雪の声に霧の向こうは僅かに沈黙したが、次の瞬間返事が返ってきた。
「紗雪か!?」
「…後藤さん!?」
良く知る人物の声に紗雪は目を見開いた。
「紗雪お前…っ!1年も行方不明になりやがってこの野郎!!」
「後藤さん話は後!とにかく霧のこっちに来ちゃ駄目だ!!」
「はぁ!?さっきからお前何言って…うおっ!!」
後藤の驚く声に紗雪に緊張が走る。駆け出そうとした紗雪は、しかしハッとすると煉獄を振り返った。
(このまま霧の中を行けば…)
紗雪は向こうに戻ることが出来る。それは煉獄との別れを意味していた。
「………っ」
「どうした紗雪!君の仲間が助けを求めているぞ!!」
煉獄は腕組みをしたまま紗雪を真っ直ぐ見ていた。力強い視線に紗雪が息を呑む。
「鬼殺隊ならば鬼を斬れ!紗雪!!」
「………」
紗雪は唇を引き結ぶと煉獄に深く一礼した。羽織を翻すと霧の中に消えていく。煉獄はその姿が無くなっても尚、紗雪の走っていった方向を見ていた。
(紗雪が斬れなかった時は俺が斬る)
離れたくなかった。ずっと共にいたかった。彼女の笑顔が、自分を呼ぶ声が好きだった。それでも彼女は100年後の人間。帰れるのであればその方が良いに決まっている。
(紗雪……椎名)
煉獄の目の前で霧が大きく震え霧散した。
「………」
「鬼の気配がするな!」
煉獄の言葉にハッとして日輪刀に手をかける。鬼の気配を読もうと集中する紗雪の耳に銃声と叫び声が届いた。
『くそぉ!何だこの霧!!』
『おい!はぐれるなよ!!同士討ちになるぞ!!』
『ゴーグルの表示がおかしい!』
「っ!!」
紗雪は息を飲んだ。自分がここに来た時と同じ事が目の前で起こっている。紗雪は息を大きく吸い込むと声の限り叫んだ。
『来るなーーっ!!』
『この霧の中に入っちゃ駄目だ!!』
『来た方へ戻れ!帰れなくなるぞ!!』
紗雪の声に霧の向こうは僅かに沈黙したが、次の瞬間返事が返ってきた。
「紗雪か!?」
「…後藤さん!?」
良く知る人物の声に紗雪は目を見開いた。
「紗雪お前…っ!1年も行方不明になりやがってこの野郎!!」
「後藤さん話は後!とにかく霧のこっちに来ちゃ駄目だ!!」
「はぁ!?さっきからお前何言って…うおっ!!」
後藤の驚く声に紗雪に緊張が走る。駆け出そうとした紗雪は、しかしハッとすると煉獄を振り返った。
(このまま霧の中を行けば…)
紗雪は向こうに戻ることが出来る。それは煉獄との別れを意味していた。
「………っ」
「どうした紗雪!君の仲間が助けを求めているぞ!!」
煉獄は腕組みをしたまま紗雪を真っ直ぐ見ていた。力強い視線に紗雪が息を呑む。
「鬼殺隊ならば鬼を斬れ!紗雪!!」
「………」
紗雪は唇を引き結ぶと煉獄に深く一礼した。羽織を翻すと霧の中に消えていく。煉獄はその姿が無くなっても尚、紗雪の走っていった方向を見ていた。
(紗雪が斬れなかった時は俺が斬る)
離れたくなかった。ずっと共にいたかった。彼女の笑顔が、自分を呼ぶ声が好きだった。それでも彼女は100年後の人間。帰れるのであればその方が良いに決まっている。
(紗雪……椎名)
煉獄の目の前で霧が大きく震え霧散した。