本編
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「お加減はいかがですか?紗雪さん」
「千寿郎さん。わざわざありがとうございます。そして座りっぱなしで死にそうです」
蝶屋敷に入院となった紗雪は個室を割り当てられていた。重症だからと言うことではなく個室ならば医学書の翻訳を遅くまで出来るからだ。要は入院していてもこき使われている。
紗雪の正直な感想に千寿郎は笑いを漏らした。
「お元気そうで安心しました。それと…」
千寿郎はチラリと廊下の方へと視線をやった。居心地悪そうな顔をした愼寿郎が入ってくる。紗雪は目を丸くした。
「とうとう肝臓か腎臓が悲鳴を…」
「それだけ減らず口が叩けるなら大丈夫そうだな」
紗雪の軽口に愼寿郎の顔が引き攣った。じろりと紗雪を睨む。
「才能もないのに無理をするからだ。それから人の部屋の掛け軸を勝手に幽霊画に変えるんじゃ無い」
「あ、やっと気づいてくれましたか?本当は夜のうちに取り替えたかったんですけど、流石に気付かれると思って諦めたんですよ」
「そもそも取り替えるな!」
愼寿郎は青筋立てて怒鳴りつけると足音も荒く立ち去った。一瞬で終了したお見舞いに紗雪が笑い声を上げる。
「あはは…った、いたた…」
「紗雪さん」
千寿郎が心配するのに手を上げて応える。
「すいません、大丈夫です。まだ笑っちゃいけないですね」
「よく療養なさってください。兄上は来ましたか?」
「師範はお忙しいですから」
煉獄は紗雪を蝶屋敷に送り届けた後、今日まで5日一度も顔を出していなかった。宇髄の任務に手を貸していた分忙しいのだろう。気遣わしそうにする千寿郎だが、紗雪としてはちょっと有難かった。
この5日で漸くファッションショーの時の変な感情を消化してしまえたからだ。
(これでまた頑張れる)
「ところであの幽霊画はどこから…」
「古道具屋さんで譲っていただきました。虫食いがあってもう捨てるところだったそうで」
千寿郎の困った顔に紗雪は首を傾げた。千寿郎が言いにくそうに口を開く。
「あれは、どうしましょう?」
「どう…?焼き捨てて頂いても、他の事に使って頂いてもどうでも」
「他にどうやって使う気だ?紗雪!」
煉獄が巻物を片手に入ってきた。手渡されたので開けてみると幽霊画だ。わざわざ家から持ってきたのだろう。紗雪が再び首を傾げると煉獄が椅子に腰掛けた。
「幽霊画は明治の頃までは縁起物、厄除けとして人気があったそうだがな!最近はあまり喜ばれるものではないのだ!!」
特に千寿郎にはまだ刺激が強すぎる。紗雪は千寿郎の言いたかった事に漸く気がついて頭を下げた。
「そうだったんですね。知らなかったとはいえすいませんでした千寿郎さん。これは焼いてしまいましょう」
「は、はい…お願いします」
申し訳なさそうにする千寿郎の背中を叩くと煉獄が立ち上がった。
「丁度庭で蝶屋敷の者が焚き火をしている!そこにくべてもらおう!!」
「そうですね」
紗雪もベッドから出ると煉獄、千寿郎と共に庭へと向かう。煉獄が紗雪に尋ねた。
「これを他の事にどう使う気だったんだ君は」
「あー、そうですね…愼寿郎さんが寝る前に隙をついて布団の中に敷いて置いたりとか…」
「…父上への悪戯はほどほどにしてやってくれ」
紗雪の発想に頰を引き攣らせる煉獄だった。
「千寿郎さん。わざわざありがとうございます。そして座りっぱなしで死にそうです」
蝶屋敷に入院となった紗雪は個室を割り当てられていた。重症だからと言うことではなく個室ならば医学書の翻訳を遅くまで出来るからだ。要は入院していてもこき使われている。
紗雪の正直な感想に千寿郎は笑いを漏らした。
「お元気そうで安心しました。それと…」
千寿郎はチラリと廊下の方へと視線をやった。居心地悪そうな顔をした愼寿郎が入ってくる。紗雪は目を丸くした。
「とうとう肝臓か腎臓が悲鳴を…」
「それだけ減らず口が叩けるなら大丈夫そうだな」
紗雪の軽口に愼寿郎の顔が引き攣った。じろりと紗雪を睨む。
「才能もないのに無理をするからだ。それから人の部屋の掛け軸を勝手に幽霊画に変えるんじゃ無い」
「あ、やっと気づいてくれましたか?本当は夜のうちに取り替えたかったんですけど、流石に気付かれると思って諦めたんですよ」
「そもそも取り替えるな!」
愼寿郎は青筋立てて怒鳴りつけると足音も荒く立ち去った。一瞬で終了したお見舞いに紗雪が笑い声を上げる。
「あはは…った、いたた…」
「紗雪さん」
千寿郎が心配するのに手を上げて応える。
「すいません、大丈夫です。まだ笑っちゃいけないですね」
「よく療養なさってください。兄上は来ましたか?」
「師範はお忙しいですから」
煉獄は紗雪を蝶屋敷に送り届けた後、今日まで5日一度も顔を出していなかった。宇髄の任務に手を貸していた分忙しいのだろう。気遣わしそうにする千寿郎だが、紗雪としてはちょっと有難かった。
この5日で漸くファッションショーの時の変な感情を消化してしまえたからだ。
(これでまた頑張れる)
「ところであの幽霊画はどこから…」
「古道具屋さんで譲っていただきました。虫食いがあってもう捨てるところだったそうで」
千寿郎の困った顔に紗雪は首を傾げた。千寿郎が言いにくそうに口を開く。
「あれは、どうしましょう?」
「どう…?焼き捨てて頂いても、他の事に使って頂いてもどうでも」
「他にどうやって使う気だ?紗雪!」
煉獄が巻物を片手に入ってきた。手渡されたので開けてみると幽霊画だ。わざわざ家から持ってきたのだろう。紗雪が再び首を傾げると煉獄が椅子に腰掛けた。
「幽霊画は明治の頃までは縁起物、厄除けとして人気があったそうだがな!最近はあまり喜ばれるものではないのだ!!」
特に千寿郎にはまだ刺激が強すぎる。紗雪は千寿郎の言いたかった事に漸く気がついて頭を下げた。
「そうだったんですね。知らなかったとはいえすいませんでした千寿郎さん。これは焼いてしまいましょう」
「は、はい…お願いします」
申し訳なさそうにする千寿郎の背中を叩くと煉獄が立ち上がった。
「丁度庭で蝶屋敷の者が焚き火をしている!そこにくべてもらおう!!」
「そうですね」
紗雪もベッドから出ると煉獄、千寿郎と共に庭へと向かう。煉獄が紗雪に尋ねた。
「これを他の事にどう使う気だったんだ君は」
「あー、そうですね…愼寿郎さんが寝る前に隙をついて布団の中に敷いて置いたりとか…」
「…父上への悪戯はほどほどにしてやってくれ」
紗雪の発想に頰を引き攣らせる煉獄だった。