本編
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「「モデル!?」」
煉獄家の客間にて、炎の師弟コンビの綺麗なハモリに宇髄はおう!と返事をした。こいつら似てきたなと思う。
「大きな劇場に鬼が出るみてぇなんだが、どうも女しか喰わねぇ上に派手に選り好みする奴みたいでな。尻尾が掴めなくていたんだよ」
「はぁ」
「でだ、今度その劇場で派手派手なファッションショーってのをやるんだと。女にも洋装が広まってきたからそれを更に後押しするんだとよ」
「あー、この時代はファッションショーって珍しいんですね」
紗雪の言葉に煉獄と宇髄は目を丸くした。珍しいなんてものじゃない。煉獄に至っては聞いたことさえない。
「聞くがそのふぁっしょんしょーとやらは何をするんだ!?」
「モデルがデザイナーの作った服着て舞台の上を歩くんですよ。こんな素敵な服がありますよって宣伝です」
「よもや!」
そんなあられも無い世界があるとは。煉獄には想像もできない世界である。
「話を戻すが最初は俺の嫁達を潜り込ませようとしたんだよ。一般人のモデルも派手に募集してたしな。だけど!」
突然宇髄は声を荒らげるとダン!と座卓を叩いた。額に青筋が浮かぶ。
「あのデザイナーとか言うやつ!言うに事欠いて人の嫁を洋装のイメージに合わないとか抜かしやがる!!」
「………」
デザイナーあるある…なのかも知れない。紗雪は苦笑するだけだ。そこでだ!と宇髄は紗雪を指差した。
「紗雪なら洋装に慣れてるし歳も条件に合ってる!デザイナーの野郎が駄目だと言えば他当たるから派手に協力してくれ!!」
頼む!と頭を下げられ紗雪は困って煉獄を見た。勝手に返事は出来ない。煉獄は難しい顔で黙り込んでいたかと思えば、バチン!と自分の膝を叩いた。
「わかった!紗雪、宇髄に協力しよう!!」
「わかりました」
「助かる!」
「だが俺も行く!!」
えっ!と驚く紗雪に煉獄は腕を組むと続ける。
「人が集まる場所であるなら混乱を避ける為にも人員が必要だろう!」
「お前…」
宇髄は何かを言いかけたが慌てて止めた。今ここで藪蛇をつついて紗雪の協力を無しにされたくない。
「よし!そうと決まりゃ紗雪、着替えて来い!すぐ応募に行くぞ」
宇髄に促され、紗雪は腰を上げたのだった。
「あらー!素敵じゃなーい!!上背もあるし、足も長いし、良いわぁ!」
面接に行った洋装店で紗雪はデザイナーであるその店の主人に頭の先から足先まで見られていた。無遠慮な視線と主人のキャラクターはイラっとするがこれも任務だ。
「あの、それでは…」
「勿論お願いするわ!それまでに覚えて欲しいことはこれに書いてあるから!それと…」
差し出された物を紗雪は目を丸くしながら受け取ると店を後にした。少し行った先の茶屋に入ると煉獄、宇髄と合流する。
「派手に選ばれたみたいだな」
「はい。書類とコレをお預かりしてきました」
一通り3人で書類に目を通すと紗雪がコレと言ったものを煉獄が見る。
「それは靴…か?」
「えぇ、ハイヒールと言うやつですね」
しかも踵が8センチもあるものだ。ピンヒールじゃ無いだけマシかもしれない。宇髄が繁々とハイヒールを眺めた。
「派手な靴だがこんなもん履いて歩けるのか?」
「練習しないと駄目ですね。書類にも書いてありました。私も4センチまでしか履いたことないので」
正直自信は無いが今更止めますとは言えない。紗雪は煉獄に尋ねた。
「この靴、砂利道は歩けないので、どこか練習する場所が欲しいです」
「外廊下を使うと良い!」
煉獄はそう言ってくれるが紗雪は渋い顔をした。
「有り難いのですが、きっと凄いうるさいですよ?」
「へぇ、派手に面白そうじゃん!今から煉獄の家で履いてみようぜ!」
宇髄の一言で煉獄家にとって返した紗雪は日本家屋の外廊下でハイヒールと言う奇妙な状態に陥っていた。立つだけでキツイ。
「いいかー!読むぞ」
「はい」
歩き方の書かれた書類を宇髄が読み上げる。
「つま先を下に向け、つま先とかかとを同時に着地させましょう。かかとは床にほとんど接地させないような意識で、つま先は上に向けません」
「つま先は外側に向けるよう意識しましょう。お腹をへこませ上に持ち上げる意識を持ちましょう」
「頭から上に引っ張られるように意識しましょう。胸から下がすぐ脚だと思って、そこから前に出して歩くように意識して下さい」
「うわ、きっつ」
言われた通りの姿勢をとっただけで膝が震える。土踏まずもつりそうだ。宇髄が更に追加項目を読み上げた。
「決して膝が曲がらないようにしましょう」
「宇髄さんの鬼」
「俺じゃなくて書類に派手に書いてあんだよ!」
ほれ、歩け歩け!と急かされて紗雪は煉獄に助けを求めた。
「師範、手を支えて貰って良いですか?転ぶ未来しか見えないです」
「構わないぞ!」
煉獄は草履を脱ぐと紗雪に並んだ。いつもより紗雪の顔が近くて直視できない。宇髄はその様子を庭から眺め笑いを堪えていた。
「行きます」
煉獄の手をギュッと握り、足元を確認しながら一歩踏み出す。途端に宇髄からダメ出しが飛んできた。
「目線は上に!首の下にリンゴ一個分の空間を作れとよ!」
「っと!」
「おっと」
慌てて顔を上げると足元が留守になる。よろけた紗雪を煉獄が支えた。
「すいません師範」
「俺の事は気にするな!今はそのはいひーるに集中するんだ!!」
これまでで一番集中しにくいなと思う紗雪だった。
煉獄家の客間にて、炎の師弟コンビの綺麗なハモリに宇髄はおう!と返事をした。こいつら似てきたなと思う。
「大きな劇場に鬼が出るみてぇなんだが、どうも女しか喰わねぇ上に派手に選り好みする奴みたいでな。尻尾が掴めなくていたんだよ」
「はぁ」
「でだ、今度その劇場で派手派手なファッションショーってのをやるんだと。女にも洋装が広まってきたからそれを更に後押しするんだとよ」
「あー、この時代はファッションショーって珍しいんですね」
紗雪の言葉に煉獄と宇髄は目を丸くした。珍しいなんてものじゃない。煉獄に至っては聞いたことさえない。
「聞くがそのふぁっしょんしょーとやらは何をするんだ!?」
「モデルがデザイナーの作った服着て舞台の上を歩くんですよ。こんな素敵な服がありますよって宣伝です」
「よもや!」
そんなあられも無い世界があるとは。煉獄には想像もできない世界である。
「話を戻すが最初は俺の嫁達を潜り込ませようとしたんだよ。一般人のモデルも派手に募集してたしな。だけど!」
突然宇髄は声を荒らげるとダン!と座卓を叩いた。額に青筋が浮かぶ。
「あのデザイナーとか言うやつ!言うに事欠いて人の嫁を洋装のイメージに合わないとか抜かしやがる!!」
「………」
デザイナーあるある…なのかも知れない。紗雪は苦笑するだけだ。そこでだ!と宇髄は紗雪を指差した。
「紗雪なら洋装に慣れてるし歳も条件に合ってる!デザイナーの野郎が駄目だと言えば他当たるから派手に協力してくれ!!」
頼む!と頭を下げられ紗雪は困って煉獄を見た。勝手に返事は出来ない。煉獄は難しい顔で黙り込んでいたかと思えば、バチン!と自分の膝を叩いた。
「わかった!紗雪、宇髄に協力しよう!!」
「わかりました」
「助かる!」
「だが俺も行く!!」
えっ!と驚く紗雪に煉獄は腕を組むと続ける。
「人が集まる場所であるなら混乱を避ける為にも人員が必要だろう!」
「お前…」
宇髄は何かを言いかけたが慌てて止めた。今ここで藪蛇をつついて紗雪の協力を無しにされたくない。
「よし!そうと決まりゃ紗雪、着替えて来い!すぐ応募に行くぞ」
宇髄に促され、紗雪は腰を上げたのだった。
「あらー!素敵じゃなーい!!上背もあるし、足も長いし、良いわぁ!」
面接に行った洋装店で紗雪はデザイナーであるその店の主人に頭の先から足先まで見られていた。無遠慮な視線と主人のキャラクターはイラっとするがこれも任務だ。
「あの、それでは…」
「勿論お願いするわ!それまでに覚えて欲しいことはこれに書いてあるから!それと…」
差し出された物を紗雪は目を丸くしながら受け取ると店を後にした。少し行った先の茶屋に入ると煉獄、宇髄と合流する。
「派手に選ばれたみたいだな」
「はい。書類とコレをお預かりしてきました」
一通り3人で書類に目を通すと紗雪がコレと言ったものを煉獄が見る。
「それは靴…か?」
「えぇ、ハイヒールと言うやつですね」
しかも踵が8センチもあるものだ。ピンヒールじゃ無いだけマシかもしれない。宇髄が繁々とハイヒールを眺めた。
「派手な靴だがこんなもん履いて歩けるのか?」
「練習しないと駄目ですね。書類にも書いてありました。私も4センチまでしか履いたことないので」
正直自信は無いが今更止めますとは言えない。紗雪は煉獄に尋ねた。
「この靴、砂利道は歩けないので、どこか練習する場所が欲しいです」
「外廊下を使うと良い!」
煉獄はそう言ってくれるが紗雪は渋い顔をした。
「有り難いのですが、きっと凄いうるさいですよ?」
「へぇ、派手に面白そうじゃん!今から煉獄の家で履いてみようぜ!」
宇髄の一言で煉獄家にとって返した紗雪は日本家屋の外廊下でハイヒールと言う奇妙な状態に陥っていた。立つだけでキツイ。
「いいかー!読むぞ」
「はい」
歩き方の書かれた書類を宇髄が読み上げる。
「つま先を下に向け、つま先とかかとを同時に着地させましょう。かかとは床にほとんど接地させないような意識で、つま先は上に向けません」
「つま先は外側に向けるよう意識しましょう。お腹をへこませ上に持ち上げる意識を持ちましょう」
「頭から上に引っ張られるように意識しましょう。胸から下がすぐ脚だと思って、そこから前に出して歩くように意識して下さい」
「うわ、きっつ」
言われた通りの姿勢をとっただけで膝が震える。土踏まずもつりそうだ。宇髄が更に追加項目を読み上げた。
「決して膝が曲がらないようにしましょう」
「宇髄さんの鬼」
「俺じゃなくて書類に派手に書いてあんだよ!」
ほれ、歩け歩け!と急かされて紗雪は煉獄に助けを求めた。
「師範、手を支えて貰って良いですか?転ぶ未来しか見えないです」
「構わないぞ!」
煉獄は草履を脱ぐと紗雪に並んだ。いつもより紗雪の顔が近くて直視できない。宇髄はその様子を庭から眺め笑いを堪えていた。
「行きます」
煉獄の手をギュッと握り、足元を確認しながら一歩踏み出す。途端に宇髄からダメ出しが飛んできた。
「目線は上に!首の下にリンゴ一個分の空間を作れとよ!」
「っと!」
「おっと」
慌てて顔を上げると足元が留守になる。よろけた紗雪を煉獄が支えた。
「すいません師範」
「俺の事は気にするな!今はそのはいひーるに集中するんだ!!」
これまでで一番集中しにくいなと思う紗雪だった。