本編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「大丈夫か!君は無茶をする!!鬼は日輪刀で斬らねば死なんのだ!!」
「っ!!」
黒の詰襟に炎を模した白い羽織、髪は金髪に瞳は燃える炎の色と言う、怪しすぎる男に紗雪は慌てて距離をとるとナイフを構えた。
(敵…ではない?と言うか日本語だ)
立ち上がるのを助けてくれようとしていたのだろう。差し出した手を引っ込めて男は快活に喋り続けた。
「すまない!驚かせたか!!俺は煉獄杏寿郎と言う!!鬼殺隊と言う組織に属しているものだ!!」
(めちゃ日本人だ…)
どうしてこんな所に日本人がいるのかは分からないが、助けてくれた事は間違いないようだ。紗雪はナイフを下ろすとヘルメットとゴーグルを外した。
「君は変わった格好をしているな!」
(いや、それはそっちでしょ)
軍人として紗雪の装備は標準のものだ。煉獄という男、日本刀を振り回している段階で色々アウトである。紗雪は汗で張り付いた黒髪を避けると煉獄に尋ねた。
「同じような格好をした仲間がさっきのとは別に後四人いるんですが、ご存知ありませんか」
「…女人だったか!これは失礼した!!」
「!?」
いきなり人の性別を言い立てるのは立派なセクハラである。紗雪は眉を顰めたが、煉獄は全く気にした風がなかった。それから驚くべき事を口にする。
「君と同じ格好をしている者は君以外は全て鬼になっていた!故に俺が斬った!!」
「…は?」
紗雪は頭を殴られたような衝撃を受けた。
(全員?全員何になったって?)
霧の中応答のない仲間と先程のアレックスの異常な状態が頭を巡る。
紗雪は片手で顔を覆うと煉獄から後ずさった。煉獄が静かに様子を見守る。
(やむを得なかったとはいえ有り体に言い過ぎたか?)
しかし事実は変えられない。紗雪は暫く膝に手を置いて俯いていたが、やがて頭を上げた時にはその事実を受け止めた顔をしていた。
(ほう)
一般隊士でもなかなか出来ない切り替えである。煉獄は内心酷く感心した。
「助けていただいたのにお礼が遅くなり申し訳ありません。ありがとうございました」
「人々を守るのは柱である俺の責務だ!気にすることはない!!」
紗雪は深々と頭を下げた。腕を組み応える煉獄に頼み事をする。
「それで…申し訳ないのですが仲間の遺品を出来れば回収したいのですが、場所を教えていただけますか?」
「うむ!霧も晴れたようだ!!案内しよう!」
煉獄は羽織を翻すと紗雪を全員の場所へ案内した。その誰もが遺体は残っておらず、衣服や装備が遺されているばかりだ。紗雪は全員の装備から使える物を抜き出すと、ドックタグを取った。自分が置き去りにしてしまった通信機のところまで戻ると、機械の脇のネジを回して中身を開き、中のコードや基盤を破壊する。煉獄は紗雪の一連の行動を興味深く見ていた。
(強い娘だ。よく訓練されている)
紗雪はドックタグを持った手を自分の胸に持っていくと、姿勢を正した。
「アレックス、斉藤、ミィファ、ヴォルクス、ノット…安らかに」
瞑目する紗雪とそれに倣う煉獄の上を鎹鴉が飛んできた。
「産屋敷邸!産屋敷邸ニ招集ー!!」
「うわ!喋った!?」
紗雪は思わず煉獄の腕を掴んだ。煉獄が安心させるように背中を叩く。
「大丈夫だ!あれは俺の鎹鴉で要と言う!!お館様が君をお呼びだ!一緒に来てくれ!!」
煉獄が言うが早いか隠達がやって来た。たちまち目隠しと耳栓をされおんぶされる。
(移動がおんぶって何!?)
どうやら異分子なのは自分の方なのかもしれないとちらと思った紗雪だった。
「っ!!」
黒の詰襟に炎を模した白い羽織、髪は金髪に瞳は燃える炎の色と言う、怪しすぎる男に紗雪は慌てて距離をとるとナイフを構えた。
(敵…ではない?と言うか日本語だ)
立ち上がるのを助けてくれようとしていたのだろう。差し出した手を引っ込めて男は快活に喋り続けた。
「すまない!驚かせたか!!俺は煉獄杏寿郎と言う!!鬼殺隊と言う組織に属しているものだ!!」
(めちゃ日本人だ…)
どうしてこんな所に日本人がいるのかは分からないが、助けてくれた事は間違いないようだ。紗雪はナイフを下ろすとヘルメットとゴーグルを外した。
「君は変わった格好をしているな!」
(いや、それはそっちでしょ)
軍人として紗雪の装備は標準のものだ。煉獄という男、日本刀を振り回している段階で色々アウトである。紗雪は汗で張り付いた黒髪を避けると煉獄に尋ねた。
「同じような格好をした仲間がさっきのとは別に後四人いるんですが、ご存知ありませんか」
「…女人だったか!これは失礼した!!」
「!?」
いきなり人の性別を言い立てるのは立派なセクハラである。紗雪は眉を顰めたが、煉獄は全く気にした風がなかった。それから驚くべき事を口にする。
「君と同じ格好をしている者は君以外は全て鬼になっていた!故に俺が斬った!!」
「…は?」
紗雪は頭を殴られたような衝撃を受けた。
(全員?全員何になったって?)
霧の中応答のない仲間と先程のアレックスの異常な状態が頭を巡る。
紗雪は片手で顔を覆うと煉獄から後ずさった。煉獄が静かに様子を見守る。
(やむを得なかったとはいえ有り体に言い過ぎたか?)
しかし事実は変えられない。紗雪は暫く膝に手を置いて俯いていたが、やがて頭を上げた時にはその事実を受け止めた顔をしていた。
(ほう)
一般隊士でもなかなか出来ない切り替えである。煉獄は内心酷く感心した。
「助けていただいたのにお礼が遅くなり申し訳ありません。ありがとうございました」
「人々を守るのは柱である俺の責務だ!気にすることはない!!」
紗雪は深々と頭を下げた。腕を組み応える煉獄に頼み事をする。
「それで…申し訳ないのですが仲間の遺品を出来れば回収したいのですが、場所を教えていただけますか?」
「うむ!霧も晴れたようだ!!案内しよう!」
煉獄は羽織を翻すと紗雪を全員の場所へ案内した。その誰もが遺体は残っておらず、衣服や装備が遺されているばかりだ。紗雪は全員の装備から使える物を抜き出すと、ドックタグを取った。自分が置き去りにしてしまった通信機のところまで戻ると、機械の脇のネジを回して中身を開き、中のコードや基盤を破壊する。煉獄は紗雪の一連の行動を興味深く見ていた。
(強い娘だ。よく訓練されている)
紗雪はドックタグを持った手を自分の胸に持っていくと、姿勢を正した。
「アレックス、斉藤、ミィファ、ヴォルクス、ノット…安らかに」
瞑目する紗雪とそれに倣う煉獄の上を鎹鴉が飛んできた。
「産屋敷邸!産屋敷邸ニ招集ー!!」
「うわ!喋った!?」
紗雪は思わず煉獄の腕を掴んだ。煉獄が安心させるように背中を叩く。
「大丈夫だ!あれは俺の鎹鴉で要と言う!!お館様が君をお呼びだ!一緒に来てくれ!!」
煉獄が言うが早いか隠達がやって来た。たちまち目隠しと耳栓をされおんぶされる。
(移動がおんぶって何!?)
どうやら異分子なのは自分の方なのかもしれないとちらと思った紗雪だった。