本編
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15.5
「煉・獄・さん」
柱合会議の為に産屋敷邸に来た煉獄は庭に出るなり胡蝶に呼び止められた。
「お久しぶりです」
菩薩の笑みと言われる笑みを浮かべた胡蝶に煉獄も笑顔を返す。冨岡が僅かに距離を取った。
「久しいな!胡蝶!」
「えぇ、お元気そうで何よりです。前にお会いしたのは紗雪さんに洋書の翻訳をお願いするために蝶屋敷に来ていただいた時でしたね。その後紗雪さんの鍛錬は如何ですか?」
「うむ!紗雪はたゆまぬ努力をしているぞ!!」
たゆまぬ努力どころか玖ノ型以外は使えるようになってるだろ。そう言いたいのを胡蝶はぐっと我慢した。今日突っ込みたいのはそこではない。
「そういえば胡蝶の継子は最終選別を突破したそうだな!!」
「えぇ、お陰様で」
にっこり微笑みながら胡蝶はいいタイミングで話を振ってくれたと思った。本日の話の主題は紗雪の最終選別なのだ。
(紗雪さんは最終選別に参加したいみたいですからね)
ならば翻訳の礼として選別を受けられるようにしてあげたい。胡蝶はため息をつくと頬に手を当てた。
「ですが、カナヲは紗雪さんと一緒に最終選別を受けられると思っていたらしくて、紗雪さんが最終選別に参加していないことにガッカリしていました」
「うむ!紗雪に最終選別はまだ早いと俺が判断した!」
「紗雪さんは捌ノ型まで習得したと聞きましたが?」
間髪入れず突っ込めば反応したのは宇髄だった。
「紗雪が最終選別に出なかったって?」
「そうなんですよ。紗雪さんはもう捌ノ型まで習得されているのに選別に参加する許しをもらえなかったと言っていました。あぁ、でも誤解しないでくださいね煉獄さん。紗雪さんは選別に出られないことを不満に思っているわけではありませんよ?ただ、ご自分の力不足を嘆いてはいましたけど」
嘘は言ってない嘘は。紗雪は先が長いとぼやいてはいたが、煉獄への文句は一言も言わなかった。ぐっと返事に詰まった煉獄に宇髄が畳み掛けるように続けた。
「おう、そいつは派手に可哀想になぁ!あんなに鍛錬を頑張ってるってのに隊士になれる見込みが見えないんじゃやる気も失せるってなもんだな!」
「紗雪はその程度のことで意欲を失ったりはしない!」
「どうだかなぁ?胡蝶に愚痴ってたってんならよっぽどなんじゃねぇの?」
「…………」
むっつりした顔で黙ってしまった煉獄に胡蝶は苦笑すると助け舟を出すことにした。このまま意固地になられて紗雪に迷惑がかかっては元も子もない。
「紗雪さんなら最終選別を十分突破できるのではありませんか?煉獄さんが紗雪さんをまだ鍛えたいと思っているなら、それは隊士になってからでも可能だと思いますよ?」
「実践に勝る鍛錬無しってな。俺は派手にそう思うぜ」
「………………考えておく」
渋々、嫌々、仕方なく。煉獄は首を縦に振り次回の最終選別への紗雪の参加が認められたのだった。
「煉・獄・さん」
柱合会議の為に産屋敷邸に来た煉獄は庭に出るなり胡蝶に呼び止められた。
「お久しぶりです」
菩薩の笑みと言われる笑みを浮かべた胡蝶に煉獄も笑顔を返す。冨岡が僅かに距離を取った。
「久しいな!胡蝶!」
「えぇ、お元気そうで何よりです。前にお会いしたのは紗雪さんに洋書の翻訳をお願いするために蝶屋敷に来ていただいた時でしたね。その後紗雪さんの鍛錬は如何ですか?」
「うむ!紗雪はたゆまぬ努力をしているぞ!!」
たゆまぬ努力どころか玖ノ型以外は使えるようになってるだろ。そう言いたいのを胡蝶はぐっと我慢した。今日突っ込みたいのはそこではない。
「そういえば胡蝶の継子は最終選別を突破したそうだな!!」
「えぇ、お陰様で」
にっこり微笑みながら胡蝶はいいタイミングで話を振ってくれたと思った。本日の話の主題は紗雪の最終選別なのだ。
(紗雪さんは最終選別に参加したいみたいですからね)
ならば翻訳の礼として選別を受けられるようにしてあげたい。胡蝶はため息をつくと頬に手を当てた。
「ですが、カナヲは紗雪さんと一緒に最終選別を受けられると思っていたらしくて、紗雪さんが最終選別に参加していないことにガッカリしていました」
「うむ!紗雪に最終選別はまだ早いと俺が判断した!」
「紗雪さんは捌ノ型まで習得したと聞きましたが?」
間髪入れず突っ込めば反応したのは宇髄だった。
「紗雪が最終選別に出なかったって?」
「そうなんですよ。紗雪さんはもう捌ノ型まで習得されているのに選別に参加する許しをもらえなかったと言っていました。あぁ、でも誤解しないでくださいね煉獄さん。紗雪さんは選別に出られないことを不満に思っているわけではありませんよ?ただ、ご自分の力不足を嘆いてはいましたけど」
嘘は言ってない嘘は。紗雪は先が長いとぼやいてはいたが、煉獄への文句は一言も言わなかった。ぐっと返事に詰まった煉獄に宇髄が畳み掛けるように続けた。
「おう、そいつは派手に可哀想になぁ!あんなに鍛錬を頑張ってるってのに隊士になれる見込みが見えないんじゃやる気も失せるってなもんだな!」
「紗雪はその程度のことで意欲を失ったりはしない!」
「どうだかなぁ?胡蝶に愚痴ってたってんならよっぽどなんじゃねぇの?」
「…………」
むっつりした顔で黙ってしまった煉獄に胡蝶は苦笑すると助け舟を出すことにした。このまま意固地になられて紗雪に迷惑がかかっては元も子もない。
「紗雪さんなら最終選別を十分突破できるのではありませんか?煉獄さんが紗雪さんをまだ鍛えたいと思っているなら、それは隊士になってからでも可能だと思いますよ?」
「実践に勝る鍛錬無しってな。俺は派手にそう思うぜ」
「………………考えておく」
渋々、嫌々、仕方なく。煉獄は首を縦に振り次回の最終選別への紗雪の参加が認められたのだった。