短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お気持ちだけ、受け取っておきます」
この街に来て懐かしい顔をたくさん見ることができた。前は自分が守られたが平和な今世は自分が守る側だ。そのために必要ならばなんでも出来る。
椎名の返事に後藤はガックリと肩を落とした。このクソ真面目な部下が前言撤回しないのはわかっていたが、頑固が過ぎる。
「ばーか」
「すいません」
「阿呆」
「申し訳ないです」
「ちーび、でーぶ、ぶーす、はーげ」
「一発殴りますよ後藤さん」
小学生並みの悪口でも大の大人が言っていると思えば腹が立つ。ニッコリ微笑みながら青筋を立てるという器用なことをする椎名に後藤は特大のため息をついた。
「10年できっちり帰ってこいよ」
「はい」
「帰ってきたら俺は出世してるからな!」
「楽しみにしてますね」
「お前帰ってきたら事務の書類仕事バリッバリやらしてやるから覚悟しとけよ!!」
「わぁ、今からパワハラの予告ぅー」
後藤は背筋を伸ばすと椎名を正面に見据えた。
「気をつけて行ってこい」
「はい」
椎名はただ穏やかな顔でうなずいた。
「結局その馬鹿は行ったのか」
2日後の夜、産屋敷邸に愈史郎が現れた。そろそろ休もうとベッドに入っていた輝利哉が身を起こす。
「ほんの一言、せめて迷っていると言ってくれれば…」
椎名を特殊部隊から引き離す用意も、その後の準備も整っていた。しかし椎名には一片の揺らぎもなく強い覚悟がそこにはあった。
「お前も馬鹿だ。どうせアイツの覚悟を踏みにじる事は出来ないとか…そんな事でも考えたんだろ」
望まれない覚悟は時に裏切られることを愈史郎は良く知っている。裏切ってしまえば良かったんだ、とは落ち込む友に言えなかった。
「10年か…長いの」
自分の年齢を考えれば到底待つ事は出来ない。肩を落とす輝利哉に愈史郎はため息をついた。
「安心しろ。俺があの馬鹿な阿呆を10年でも20年でも待ってやる」
だから安心してもっと長生きして、死ぬ時も安心してくたばれ。身も蓋もない事を言われて輝利哉はようやく微笑んだ。
椎名がいつ帰ってくるかは誰にも分からない。
この街に来て懐かしい顔をたくさん見ることができた。前は自分が守られたが平和な今世は自分が守る側だ。そのために必要ならばなんでも出来る。
椎名の返事に後藤はガックリと肩を落とした。このクソ真面目な部下が前言撤回しないのはわかっていたが、頑固が過ぎる。
「ばーか」
「すいません」
「阿呆」
「申し訳ないです」
「ちーび、でーぶ、ぶーす、はーげ」
「一発殴りますよ後藤さん」
小学生並みの悪口でも大の大人が言っていると思えば腹が立つ。ニッコリ微笑みながら青筋を立てるという器用なことをする椎名に後藤は特大のため息をついた。
「10年できっちり帰ってこいよ」
「はい」
「帰ってきたら俺は出世してるからな!」
「楽しみにしてますね」
「お前帰ってきたら事務の書類仕事バリッバリやらしてやるから覚悟しとけよ!!」
「わぁ、今からパワハラの予告ぅー」
後藤は背筋を伸ばすと椎名を正面に見据えた。
「気をつけて行ってこい」
「はい」
椎名はただ穏やかな顔でうなずいた。
「結局その馬鹿は行ったのか」
2日後の夜、産屋敷邸に愈史郎が現れた。そろそろ休もうとベッドに入っていた輝利哉が身を起こす。
「ほんの一言、せめて迷っていると言ってくれれば…」
椎名を特殊部隊から引き離す用意も、その後の準備も整っていた。しかし椎名には一片の揺らぎもなく強い覚悟がそこにはあった。
「お前も馬鹿だ。どうせアイツの覚悟を踏みにじる事は出来ないとか…そんな事でも考えたんだろ」
望まれない覚悟は時に裏切られることを愈史郎は良く知っている。裏切ってしまえば良かったんだ、とは落ち込む友に言えなかった。
「10年か…長いの」
自分の年齢を考えれば到底待つ事は出来ない。肩を落とす輝利哉に愈史郎はため息をついた。
「安心しろ。俺があの馬鹿な阿呆を10年でも20年でも待ってやる」
だから安心してもっと長生きして、死ぬ時も安心してくたばれ。身も蓋もない事を言われて輝利哉はようやく微笑んだ。
椎名がいつ帰ってくるかは誰にも分からない。