本編
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『こちら第2分隊紗雪!応答願う!!アレックス!斉藤!ミィファ!!ヴォルクス!ノット!!』
夜陰に紛れ某所に潜入上陸していた紗雪は必死に無線に呼びかけた。敵方に見つかり機関掃射で薙ぎ払われ、隊の仲間とはぐれてしまった。幸いなのは濃い霧が発生し相手方が追うのを止めたことか。
「はぁっ!はぁっ!!」
深い森の中、木の陰に隠れると紗雪はゴーグルを外した。本来なら様々な情報を知らせてくれる優れものなのだが、一向に動く気配がない。
「こんな時に故障とか!!」
紗雪は腕の傷に薬を付けるとおざなりに布で縛り上げ、自分の装備を確認した。
(拳銃とナイフ、医薬品は十分ある。だけどみんなの状態が分からないと…。地図もあるけどまず自分の場所が把握できてない。通信機は…なんでさっきからうんともすんとも言わないんだよ!!)
「っ!」
ガン!と通信機を叩くと紗雪は最小限医薬品と拳銃、ナイフを持った。自動小銃は弾切れで役には立たないが、接近戦で相手をぶんなぐる事は出来るかもしれない。
(よし…)
紗雪はヘルメットの位置を直すとゴーグルをし慎重に立ち上がった。横から人影が現れ小銃を構えた紗雪は見えた姿に慌てて銃を下した。
『アレックス!』
「…ぅ」
『アレックス!怪我をしたのか!?すぐに手当を…』
「がぁうっ!!ぐるぅ!!」
「!?」
唸り声をあげて襲いかかって来る仲間を紗雪は驚いて小銃で押し返した。しかしすぐに立ち上がると再び向かって来る。その口の中にあるはずのない牙を認めて紗雪は背筋が凍った。
『アレックス!私が分からないのか!?』
「ぐぁう!!」
「……っ」
紗雪は苦しそうに顔を顰めるとアレックスの腹を蹴り飛ばした。倒れた仲間に銃を向ける。
『ごめん、アレックス。恨んでくれていいから』
今は正気を失った仲間を助けられる状況ではない。紗雪はアレックスの額に銃弾を撃ち込んだ。倒れ伏す仲間に十字を切る。
「無神論者の祈りだが許して…は?」
紗雪はそこで言葉を切ると絶句した。アレックスが起き上がりこちらに向かって来る。
「は?は!?は!!?」
紗雪はあり得ない状況に恐怖を覚えると走り出した。
(なんで動ける!?生きてるはずがない!!)
「がぁぁっ!」
「マジか!!」
後ろを振り返った紗雪は思わず叫んだ。アレックスが四つん這いで追いかけて来る。もはや人相は変わり獣の様相だ。
紗雪は走って走って…そして唐突に霧を抜けた。広がる杉の木に足が止まる。
(杉!?ここの植生じゃないでしょ!!)
「がぁうっ!!」
「!!」
紗雪は銃とナイフを構えると油断なくアレックスを見据えた。アレックスはすでにヘルメットも他の装備も身に付けておらず、獣のような唸り声と共に涎を垂れ流している。
『今ならアメリカンジョークって事で許しても良いよアレックス』
「がぁっ!!」
飛びかかって来るアレックスの頭と心臓の中心を撃ち抜くと、落ちて来た体を掴み首をナイフで切り裂く。
ベチョッと嫌な音を立てて地面に散った血に紗雪は目を逸らした。
「何だってこんな…っ!?」
「ぐぁぁっ!!」
アレックスに首を掴み上げられ紗雪は目を見開いた。足が地面を離れ息が出来ない。
「かっ…ぁ……っ」
紗雪が死を意識した時、炎が翻った。アレックスの首が飛び、紗雪は地面に落ちて咳き込んだ。
「げほっ!…っ、はっ…!」
「危ないところだったな!」
紗雪の目の前でアレックスの体が塵となって消えていく。上げた視線の先には見たことのない男が立っていた。
夜陰に紛れ某所に潜入上陸していた紗雪は必死に無線に呼びかけた。敵方に見つかり機関掃射で薙ぎ払われ、隊の仲間とはぐれてしまった。幸いなのは濃い霧が発生し相手方が追うのを止めたことか。
「はぁっ!はぁっ!!」
深い森の中、木の陰に隠れると紗雪はゴーグルを外した。本来なら様々な情報を知らせてくれる優れものなのだが、一向に動く気配がない。
「こんな時に故障とか!!」
紗雪は腕の傷に薬を付けるとおざなりに布で縛り上げ、自分の装備を確認した。
(拳銃とナイフ、医薬品は十分ある。だけどみんなの状態が分からないと…。地図もあるけどまず自分の場所が把握できてない。通信機は…なんでさっきからうんともすんとも言わないんだよ!!)
「っ!」
ガン!と通信機を叩くと紗雪は最小限医薬品と拳銃、ナイフを持った。自動小銃は弾切れで役には立たないが、接近戦で相手をぶんなぐる事は出来るかもしれない。
(よし…)
紗雪はヘルメットの位置を直すとゴーグルをし慎重に立ち上がった。横から人影が現れ小銃を構えた紗雪は見えた姿に慌てて銃を下した。
『アレックス!』
「…ぅ」
『アレックス!怪我をしたのか!?すぐに手当を…』
「がぁうっ!!ぐるぅ!!」
「!?」
唸り声をあげて襲いかかって来る仲間を紗雪は驚いて小銃で押し返した。しかしすぐに立ち上がると再び向かって来る。その口の中にあるはずのない牙を認めて紗雪は背筋が凍った。
『アレックス!私が分からないのか!?』
「ぐぁう!!」
「……っ」
紗雪は苦しそうに顔を顰めるとアレックスの腹を蹴り飛ばした。倒れた仲間に銃を向ける。
『ごめん、アレックス。恨んでくれていいから』
今は正気を失った仲間を助けられる状況ではない。紗雪はアレックスの額に銃弾を撃ち込んだ。倒れ伏す仲間に十字を切る。
「無神論者の祈りだが許して…は?」
紗雪はそこで言葉を切ると絶句した。アレックスが起き上がりこちらに向かって来る。
「は?は!?は!!?」
紗雪はあり得ない状況に恐怖を覚えると走り出した。
(なんで動ける!?生きてるはずがない!!)
「がぁぁっ!」
「マジか!!」
後ろを振り返った紗雪は思わず叫んだ。アレックスが四つん這いで追いかけて来る。もはや人相は変わり獣の様相だ。
紗雪は走って走って…そして唐突に霧を抜けた。広がる杉の木に足が止まる。
(杉!?ここの植生じゃないでしょ!!)
「がぁうっ!!」
「!!」
紗雪は銃とナイフを構えると油断なくアレックスを見据えた。アレックスはすでにヘルメットも他の装備も身に付けておらず、獣のような唸り声と共に涎を垂れ流している。
『今ならアメリカンジョークって事で許しても良いよアレックス』
「がぁっ!!」
飛びかかって来るアレックスの頭と心臓の中心を撃ち抜くと、落ちて来た体を掴み首をナイフで切り裂く。
ベチョッと嫌な音を立てて地面に散った血に紗雪は目を逸らした。
「何だってこんな…っ!?」
「ぐぁぁっ!!」
アレックスに首を掴み上げられ紗雪は目を見開いた。足が地面を離れ息が出来ない。
「かっ…ぁ……っ」
紗雪が死を意識した時、炎が翻った。アレックスの首が飛び、紗雪は地面に落ちて咳き込んだ。
「げほっ!…っ、はっ…!」
「危ないところだったな!」
紗雪の目の前でアレックスの体が塵となって消えていく。上げた視線の先には見たことのない男が立っていた。
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