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ぱささ…。
「椎名、煉獄ニツカマッター!連レテカレター!!」
「万事上手くいったようだな」
「紗雪の奴もまさか自分の鎹鴉が派手に裏切っていたとは思ってなかったろ」
「よく気がついたなぁ、冨岡ぁ」
蝶屋敷に報告に来た鎹鴉の日向に冨岡、宇髄、不死川が満足そうに笑った。日向が首に下げている根付けを宇髄が突つく。日向が嫌そうに逃げていった。
「紗雪は自分の事を話そうとしなかったからな」
「それにしたって派手に良い勘だったぜ。ま、煉獄に捕まったんだ。紗雪も諦めるだろ」
「煉獄の奴、血相変えて飛び出してったって言うからなぁ」
お陰で知らせに走った爽籟は煉獄に弾き飛ばされそうになったのだ。とんだとばっちりである。
「なあ、ところで…どうしてさっきから煉獄の名が出てくるんだ?」
「…はぁ?」
「マジか」
冨岡の如何にも素朴な疑問ですと言わんばかりの問いに不死川と宇髄は呆れ顔になった。
「煉獄と紗雪は派手に出来てたじゃねぇか」
「そうなのか!煉獄はその…跡継ぎとかは良いのか?」
自分たちとは違い由緒正しい家なのだから、跡継ぎは絶対に必要だろう。男色では血筋が絶えてしまう。心配する冨岡の頭を不死川が小突いた。
「阿呆、紗雪は女だぁ」
「特に言わなかったけど、派手に隠してたわけじゃないだろ」
「そう…なのか」
全く気付いていなかった冨岡は目を丸くした。
「さっき紗雪の鎹鴉が首にぶら下げてた根付け、あれ煉獄が紗雪にやった奴だろ」
「雪兎の周りを炎が囲ってる奴だろぉ?煉獄の執着がヤベェと思ったのは俺だけなのかぁ」
「紗雪が大事にしている物を旅の荷物から抜いておけという指示に鎹鴉が選んだ物ならそうなのだろう」
「しっかしいくら大事な物だからって忘れ物取りに戻るとは派手に紗雪らしいぜ」
ははは!と大声で笑う宇髄に釣られて不死川と冨岡も笑った。
「杏寿郎さんは鬼ですかねぇ…」
紗雪は布団の中でぐったりと呟いた。しっかり紗雪を捕まえたままの煉獄は気にした風もない。
「誰のせいだと思う?」
「…僕のせいですぅ」
しかしだからと言って丸二日煉獄の腕から出してもらえないとは思ってもみなかった。食事も風呂も厠の果てまで煉獄の手ずから世話されて紗雪の気力は零だ。
(流石に、流石に厠の前で勘弁してもらったけどさぁ)
あの時は泣くかと思った。今後愼寿郎や千寿郎にどんな顔をして会えというのか。
(今後…)
自然と出てきた言葉に紗雪は驚いた。言葉が口をついて出る。
「僕…信じてなかったんですねぇ。鬼のいない世界も、杏寿郎さんの事も、不死川さんや冨岡さんや宇髄さんの事も」
居なくなれば忘れ去られると思っていた。その程度の存在なのだと心の何処かで思っていた。
「信じてみる気になったか?」
煉獄は肘を立てて身を起こすと紗雪の顔を覗き込んだ。穏やかに微笑むその顔に紗雪がへらっと笑う。
「そうですねぇ、杏寿郎さんの事なら信じ…」
「違うぞ椎名。信じるのは君自身のことだ」
「………」
紗雪は布団で口元を隠すと目を細めた。
「頑張ってみますぅ」
「鬼殺隊の後処理が終わったら祝言を上げよう。君の黒引き振袖は綺麗だろうな」
布団を引き下げ紗雪に口付けると煉獄は満足げに笑った。
「椎名、煉獄ニツカマッター!連レテカレター!!」
「万事上手くいったようだな」
「紗雪の奴もまさか自分の鎹鴉が派手に裏切っていたとは思ってなかったろ」
「よく気がついたなぁ、冨岡ぁ」
蝶屋敷に報告に来た鎹鴉の日向に冨岡、宇髄、不死川が満足そうに笑った。日向が首に下げている根付けを宇髄が突つく。日向が嫌そうに逃げていった。
「紗雪は自分の事を話そうとしなかったからな」
「それにしたって派手に良い勘だったぜ。ま、煉獄に捕まったんだ。紗雪も諦めるだろ」
「煉獄の奴、血相変えて飛び出してったって言うからなぁ」
お陰で知らせに走った爽籟は煉獄に弾き飛ばされそうになったのだ。とんだとばっちりである。
「なあ、ところで…どうしてさっきから煉獄の名が出てくるんだ?」
「…はぁ?」
「マジか」
冨岡の如何にも素朴な疑問ですと言わんばかりの問いに不死川と宇髄は呆れ顔になった。
「煉獄と紗雪は派手に出来てたじゃねぇか」
「そうなのか!煉獄はその…跡継ぎとかは良いのか?」
自分たちとは違い由緒正しい家なのだから、跡継ぎは絶対に必要だろう。男色では血筋が絶えてしまう。心配する冨岡の頭を不死川が小突いた。
「阿呆、紗雪は女だぁ」
「特に言わなかったけど、派手に隠してたわけじゃないだろ」
「そう…なのか」
全く気付いていなかった冨岡は目を丸くした。
「さっき紗雪の鎹鴉が首にぶら下げてた根付け、あれ煉獄が紗雪にやった奴だろ」
「雪兎の周りを炎が囲ってる奴だろぉ?煉獄の執着がヤベェと思ったのは俺だけなのかぁ」
「紗雪が大事にしている物を旅の荷物から抜いておけという指示に鎹鴉が選んだ物ならそうなのだろう」
「しっかしいくら大事な物だからって忘れ物取りに戻るとは派手に紗雪らしいぜ」
ははは!と大声で笑う宇髄に釣られて不死川と冨岡も笑った。
「杏寿郎さんは鬼ですかねぇ…」
紗雪は布団の中でぐったりと呟いた。しっかり紗雪を捕まえたままの煉獄は気にした風もない。
「誰のせいだと思う?」
「…僕のせいですぅ」
しかしだからと言って丸二日煉獄の腕から出してもらえないとは思ってもみなかった。食事も風呂も厠の果てまで煉獄の手ずから世話されて紗雪の気力は零だ。
(流石に、流石に厠の前で勘弁してもらったけどさぁ)
あの時は泣くかと思った。今後愼寿郎や千寿郎にどんな顔をして会えというのか。
(今後…)
自然と出てきた言葉に紗雪は驚いた。言葉が口をついて出る。
「僕…信じてなかったんですねぇ。鬼のいない世界も、杏寿郎さんの事も、不死川さんや冨岡さんや宇髄さんの事も」
居なくなれば忘れ去られると思っていた。その程度の存在なのだと心の何処かで思っていた。
「信じてみる気になったか?」
煉獄は肘を立てて身を起こすと紗雪の顔を覗き込んだ。穏やかに微笑むその顔に紗雪がへらっと笑う。
「そうですねぇ、杏寿郎さんの事なら信じ…」
「違うぞ椎名。信じるのは君自身のことだ」
「………」
紗雪は布団で口元を隠すと目を細めた。
「頑張ってみますぅ」
「鬼殺隊の後処理が終わったら祝言を上げよう。君の黒引き振袖は綺麗だろうな」
布団を引き下げ紗雪に口付けると煉獄は満足げに笑った。