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「俺は俺の責務を全うする!!ここにいる者は誰も死なせない!!」
ーー炎の呼吸 奥義 玖ノ型・煉獄ーー
ーー破壊殺・滅式ーー
圧倒的な力同士がぶつかり合い激しく砂煙をあげる。煉獄の斬撃を弾き猗窩座の拳が腹にめり込む。
(間に合わん!)
煉獄は猗窩座の攻撃に腹を括った。
ーー鳥の呼吸 陸ノ型飛燕 ーー
ひゅん!と風を切る音がして煉獄と猗窩座の間を影が遮った。煉獄の腹に刺さりかけていた猗窩座の腕が斬り落とされる。
「「!?」」
襟首を掴まれ煉獄は猗窩座と引き離された。
「…なんだお前は」
煉獄との死合いを邪魔されて猗窩座は乱入者を睨み付けた。
「紗雪…」
「間に…あったぁ!」
煉獄を庇うように立っていたのは紗雪だった。額に大汗をかき肩で息をしている。煉獄は驚いて立ち上がろうとした。
「紗雪!何故ここに…」
「お館様の指示に決まってるでしょうが!一番足の速い隊士が行けって言うから飛んできましたよぉ!!あと、アンタは座っとけぇぇぇ!」
「わ、わかった」
頭ごなしに怒鳴られて煉獄は慌てて座り直した。それに炭治郎が混乱する。
(えっ!?だ、誰?って言うか何で煉獄さんの方に怒ってるんだあの人?)
「あぁ、もう!アンタはホントなんてでかい声で何つーこと叫んでんですか!!誰も死なせない?大いに結構ですよ!!誰だってみんなそんな気持ちで戦ってますからねぇ!だけど!!何でその誰もにアンタ自身が入ってないんですか!!」
「!」
紗雪の言葉に炭治郎はハッとして煉獄を見た。
(そうだ、煉獄さんの言葉には他人しか入ってない)
その事実が悲しくて炭治郎の目に涙が浮かんだ。
「アンタは柱だから!誰も言わないから!!だから僕が言いますよ!」
紗雪は油断なく猗窩座を睨んだまま叫んだ。
「アンタに死んでほしく無い!!僕がアンタに生きていて欲しい!!」
「では鬼になれ杏寿ろ…」
「鬼の意見は求めてない!はい!終了!!」
紗雪は猗窩座の後ろへ一瞬で回り込んだ。
(速い)
ーー鳥の呼吸 壱ノ型空禍牙突 ーー
ーー破壊殺・脚式 流閃群光ーー
紗雪の無数の斬撃を猗窩座が蹴りで回避する。勢いに押された紗雪が下がった所に猗窩座が突っ込む。
ーー破壊殺・乱式ーー
ーー鳥の呼吸 弍ノ型舞白鷺 ーー
猗窩座の攻撃の軌道をそらせると紗雪がその懐に突っ込む。
ーー鳥の呼吸 参ノ型翼翔飛乱 ーー
「!」
猗窩座は大きく後ろに飛び退くと、チラリと東の空を見た。
(夜明けが近いな)
猗窩座は紗雪を指さした。
「お前も柱だな?名を聞かせろ」
「い、や、だ、ねぇ!嫌いな奴に教える名前なんか無いんだよぉ」
露骨な紗雪の煽りに猗窩座の額に青筋が浮かぶ。
「何故だ。杏寿郎と言いお前と言い、鬼を否定するな。鬼の体があれは武の高みを目指せると言うのに」
「生憎だけど僕は武士じゃあない。武の高みも極みも興味がない。僕はただこの手の届く範囲の人が守れたらそれでいい」
「どうやらお前は名を聞くにも値しない弱者のようだ。杏寿郎とは大違いだ」
紗雪の姿が猗窩座の視界からふっと消えた。
「!?」
ーー鳥の呼吸 肆ノ型極楽鳥・極 ーー
目前に現れた紗雪の細く開かれた目に宿る殺意に猗窩座の背中をゾクッとしたものが走る。首の三分の一を斬撃に持って行かれて猗窩座は撤退を決めた。木々の間を暗い方へと走り去る。
「杏寿郎!そしてそこの柱よ!また会った時はその時こそ殺し合おう!!」
「煉獄さんの名前を気安く呼ぶんじゃ無いよ!」
(逃がさない!)
紗雪は低い体制を取ると刀を構えた。地面を強く踏み締める。
ーー鳥の呼吸 伍ノ型黒鳶 ーー
踏み込みで地面を抉りながら猗窩座に突進する。木々をすり抜け瞬く間に猗窩座の背中に追い付いた紗雪の刃がその首に迫る。
べべん!
「!」
「!?」
存在するはずのない琵琶の音が響き空中に現れた戸が猗窩座を飲み込む。一瞬で消えてしまった戸に紗雪の刀は虚しく空を斬った。
「…あーあ、逃げられたぁ」
紗雪はふっと肩の力を抜くと煉獄のいる方へと足を向けたのだった。
ーー炎の呼吸 奥義 玖ノ型・煉獄ーー
ーー破壊殺・滅式ーー
圧倒的な力同士がぶつかり合い激しく砂煙をあげる。煉獄の斬撃を弾き猗窩座の拳が腹にめり込む。
(間に合わん!)
煉獄は猗窩座の攻撃に腹を括った。
ーー鳥の呼吸 陸ノ型
ひゅん!と風を切る音がして煉獄と猗窩座の間を影が遮った。煉獄の腹に刺さりかけていた猗窩座の腕が斬り落とされる。
「「!?」」
襟首を掴まれ煉獄は猗窩座と引き離された。
「…なんだお前は」
煉獄との死合いを邪魔されて猗窩座は乱入者を睨み付けた。
「紗雪…」
「間に…あったぁ!」
煉獄を庇うように立っていたのは紗雪だった。額に大汗をかき肩で息をしている。煉獄は驚いて立ち上がろうとした。
「紗雪!何故ここに…」
「お館様の指示に決まってるでしょうが!一番足の速い隊士が行けって言うから飛んできましたよぉ!!あと、アンタは座っとけぇぇぇ!」
「わ、わかった」
頭ごなしに怒鳴られて煉獄は慌てて座り直した。それに炭治郎が混乱する。
(えっ!?だ、誰?って言うか何で煉獄さんの方に怒ってるんだあの人?)
「あぁ、もう!アンタはホントなんてでかい声で何つーこと叫んでんですか!!誰も死なせない?大いに結構ですよ!!誰だってみんなそんな気持ちで戦ってますからねぇ!だけど!!何でその誰もにアンタ自身が入ってないんですか!!」
「!」
紗雪の言葉に炭治郎はハッとして煉獄を見た。
(そうだ、煉獄さんの言葉には他人しか入ってない)
その事実が悲しくて炭治郎の目に涙が浮かんだ。
「アンタは柱だから!誰も言わないから!!だから僕が言いますよ!」
紗雪は油断なく猗窩座を睨んだまま叫んだ。
「アンタに死んでほしく無い!!僕がアンタに生きていて欲しい!!」
「では鬼になれ杏寿ろ…」
「鬼の意見は求めてない!はい!終了!!」
紗雪は猗窩座の後ろへ一瞬で回り込んだ。
(速い)
ーー鳥の呼吸 壱ノ型
ーー破壊殺・脚式 流閃群光ーー
紗雪の無数の斬撃を猗窩座が蹴りで回避する。勢いに押された紗雪が下がった所に猗窩座が突っ込む。
ーー破壊殺・乱式ーー
ーー鳥の呼吸 弍ノ型
猗窩座の攻撃の軌道をそらせると紗雪がその懐に突っ込む。
ーー鳥の呼吸 参ノ型
「!」
猗窩座は大きく後ろに飛び退くと、チラリと東の空を見た。
(夜明けが近いな)
猗窩座は紗雪を指さした。
「お前も柱だな?名を聞かせろ」
「い、や、だ、ねぇ!嫌いな奴に教える名前なんか無いんだよぉ」
露骨な紗雪の煽りに猗窩座の額に青筋が浮かぶ。
「何故だ。杏寿郎と言いお前と言い、鬼を否定するな。鬼の体があれは武の高みを目指せると言うのに」
「生憎だけど僕は武士じゃあない。武の高みも極みも興味がない。僕はただこの手の届く範囲の人が守れたらそれでいい」
「どうやらお前は名を聞くにも値しない弱者のようだ。杏寿郎とは大違いだ」
紗雪の姿が猗窩座の視界からふっと消えた。
「!?」
ーー鳥の呼吸 肆ノ型
目前に現れた紗雪の細く開かれた目に宿る殺意に猗窩座の背中をゾクッとしたものが走る。首の三分の一を斬撃に持って行かれて猗窩座は撤退を決めた。木々の間を暗い方へと走り去る。
「杏寿郎!そしてそこの柱よ!また会った時はその時こそ殺し合おう!!」
「煉獄さんの名前を気安く呼ぶんじゃ無いよ!」
(逃がさない!)
紗雪は低い体制を取ると刀を構えた。地面を強く踏み締める。
ーー鳥の呼吸 伍ノ型
踏み込みで地面を抉りながら猗窩座に突進する。木々をすり抜け瞬く間に猗窩座の背中に追い付いた紗雪の刃がその首に迫る。
べべん!
「!」
「!?」
存在するはずのない琵琶の音が響き空中に現れた戸が猗窩座を飲み込む。一瞬で消えてしまった戸に紗雪の刀は虚しく空を斬った。
「…あーあ、逃げられたぁ」
紗雪はふっと肩の力を抜くと煉獄のいる方へと足を向けたのだった。