一章
夢小説設定
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「気に入ったのか?」
冨岡としのぶは肩を並べて帰路についていた。長い長い沈黙の後の冨岡の突然の問いかけに、しのぶはチラリとその顔を横目に見ると笑顔を作った。
「何のことですか?お館様のお客様にそんな言い方失礼ですよ?」
「………」
しかし冨岡は何も喋らずしのぶを見ることも止めなかった。落ちた僅かな静寂の後、しのぶの口元に歪んだ笑みが浮かんだ。
「お館様が仰られた通りですよ。私達の力になってくれるそうなので充分に力になって貰おうと思います」
「…そうか」
良いとも悪いとも言わず前を向いてしまった冨岡にしのぶは少し居心地悪さを覚えた。
(分かってます。こんなの八つ当たりだって)
鬼殺隊に入っている訳でもないのに柱より誰より産屋敷家の役に立ち近しい椎名。その場所に立つだけの力のない自分。
恨めしい 憎らしい 腹立たしい
椎名でなく自分が。
「沢山…相談に乗って欲しいことがあるんです」
「そうか」
「冨岡さんはそれしか言えないんですか?」
「………」
励ましているつもりの相槌に皮肉で返され冨岡は無言無表情のまま肩を落とした。
冨岡としのぶは肩を並べて帰路についていた。長い長い沈黙の後の冨岡の突然の問いかけに、しのぶはチラリとその顔を横目に見ると笑顔を作った。
「何のことですか?お館様のお客様にそんな言い方失礼ですよ?」
「………」
しかし冨岡は何も喋らずしのぶを見ることも止めなかった。落ちた僅かな静寂の後、しのぶの口元に歪んだ笑みが浮かんだ。
「お館様が仰られた通りですよ。私達の力になってくれるそうなので充分に力になって貰おうと思います」
「…そうか」
良いとも悪いとも言わず前を向いてしまった冨岡にしのぶは少し居心地悪さを覚えた。
(分かってます。こんなの八つ当たりだって)
鬼殺隊に入っている訳でもないのに柱より誰より産屋敷家の役に立ち近しい椎名。その場所に立つだけの力のない自分。
恨めしい 憎らしい 腹立たしい
椎名でなく自分が。
「沢山…相談に乗って欲しいことがあるんです」
「そうか」
「冨岡さんはそれしか言えないんですか?」
「………」
励ましているつもりの相槌に皮肉で返され冨岡は無言無表情のまま肩を落とした。