四章
夢小説設定
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「椎名さん…お時間っ、良いですか!」
椎名が蝶屋敷に戻ると固い表情と声で炭治郎が声をかけてきた。
「本当に…すいませんでした!!」
アオイに頼んで空けてもらった座敷で炭治郎は深々と土下座した。椎名が目を見開いて固まる。
「俺が…俺がもっと強ければっ………俺に力があれば…本当にすいません!!」
床に額を擦り付ける炭治郎の肩を椎名は掴んだ。歯を食いしばる炭治郎の頭を上げさせる。
「どうして炭治郎が謝るの?貴方にあの時何か出来たの?出来たのにしなかったの?杏寿郎を見殺しにしたの?違うでしょう?」
「そんなことしません!だけど…俺がもっと戦えれば………」
ボロッと炭治郎の目から大粒の涙がこぼれた。慌てて袖で拭うと懐から手拭いに包まれたものを取り出す。
「これを椎名さんに渡したくて…。煉獄さんの日輪刀の鍔です。俺が持つより椎名さんが持っている方が良いと思うから」
炭治郎は椎名の手に鍔を握らせると真っ直ぐ椎名を見つめた。
「俺、強くなって見せます!煉獄さんのように強く優しくなって…弱い人たち、悲しい思いをしている人たちを救います」
「…うん」
椎名は鍔を胸に抱くと頷いた。炭治郎に柔らかく微笑む。
「杏寿郎の生き方が炭治郎の中に生きていてとっても嬉しい。ありがとう炭治郎…だから」
椎名は鍔を炭治郎の手に乗せた。その上からギュッとその手を握り締める。
「この鍔に…杏寿郎に、炭治郎と一緒に鬼殺隊員として、鬼狩りを続けさせてあげて」
「椎名さん…」
炭治郎は目を見開くと手の中に戻ってきた杏寿郎の鍔を見た。再び椎名の目を見つめ、その目に揺らぎがない事を認めると力強く頷く。
「煉獄さんと一緒に一人でも多くの人を救い、必ず鬼舞辻無惨を倒します」
「うん…うん、ありがとう炭治郎」
炭治郎の手の中で杏寿郎の鍔が陽の光を反射し輝いていた。
「しのぶ」
診察室で書き物をしていたしのぶは椎名の呼びかけに顔を上げた。椎名が持っていた紙袋を少し掲げてみせる。
「カステラ、買ってきたの。お茶にしない?」
「…し、します!すぐお茶の用意を…あ、えっと」
しのぶは慌てて周囲を見回すと手近にあった茶葉を掴んだ。
「ルーナリディで良いですか!?」
「嘘でしょしのぶ。まだそれ飲んでるの?」
自分が譲った茶葉とは言え苦くて渋いだけの目覚まし薬草茶を示されて椎名は苦笑いした。うっと言葉に詰まるしのぶに肩をすくめる。
「あーあ、折角美味しいカステラ買ってきたのに、ルーナリディかぁ」
「…美味しい玉露がありますから。座って待っててくれますか?」
「良いわね」
微笑む椎名にしのぶは泣きそうな顔で笑った。
椎名が蝶屋敷に戻ると固い表情と声で炭治郎が声をかけてきた。
「本当に…すいませんでした!!」
アオイに頼んで空けてもらった座敷で炭治郎は深々と土下座した。椎名が目を見開いて固まる。
「俺が…俺がもっと強ければっ………俺に力があれば…本当にすいません!!」
床に額を擦り付ける炭治郎の肩を椎名は掴んだ。歯を食いしばる炭治郎の頭を上げさせる。
「どうして炭治郎が謝るの?貴方にあの時何か出来たの?出来たのにしなかったの?杏寿郎を見殺しにしたの?違うでしょう?」
「そんなことしません!だけど…俺がもっと戦えれば………」
ボロッと炭治郎の目から大粒の涙がこぼれた。慌てて袖で拭うと懐から手拭いに包まれたものを取り出す。
「これを椎名さんに渡したくて…。煉獄さんの日輪刀の鍔です。俺が持つより椎名さんが持っている方が良いと思うから」
炭治郎は椎名の手に鍔を握らせると真っ直ぐ椎名を見つめた。
「俺、強くなって見せます!煉獄さんのように強く優しくなって…弱い人たち、悲しい思いをしている人たちを救います」
「…うん」
椎名は鍔を胸に抱くと頷いた。炭治郎に柔らかく微笑む。
「杏寿郎の生き方が炭治郎の中に生きていてとっても嬉しい。ありがとう炭治郎…だから」
椎名は鍔を炭治郎の手に乗せた。その上からギュッとその手を握り締める。
「この鍔に…杏寿郎に、炭治郎と一緒に鬼殺隊員として、鬼狩りを続けさせてあげて」
「椎名さん…」
炭治郎は目を見開くと手の中に戻ってきた杏寿郎の鍔を見た。再び椎名の目を見つめ、その目に揺らぎがない事を認めると力強く頷く。
「煉獄さんと一緒に一人でも多くの人を救い、必ず鬼舞辻無惨を倒します」
「うん…うん、ありがとう炭治郎」
炭治郎の手の中で杏寿郎の鍔が陽の光を反射し輝いていた。
「しのぶ」
診察室で書き物をしていたしのぶは椎名の呼びかけに顔を上げた。椎名が持っていた紙袋を少し掲げてみせる。
「カステラ、買ってきたの。お茶にしない?」
「…し、します!すぐお茶の用意を…あ、えっと」
しのぶは慌てて周囲を見回すと手近にあった茶葉を掴んだ。
「ルーナリディで良いですか!?」
「嘘でしょしのぶ。まだそれ飲んでるの?」
自分が譲った茶葉とは言え苦くて渋いだけの目覚まし薬草茶を示されて椎名は苦笑いした。うっと言葉に詰まるしのぶに肩をすくめる。
「あーあ、折角美味しいカステラ買ってきたのに、ルーナリディかぁ」
「…美味しい玉露がありますから。座って待っててくれますか?」
「良いわね」
微笑む椎名にしのぶは泣きそうな顔で笑った。