短編
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言葉の問題は意外な者が解決してくれた。
「あさは、おはようだよ?」
「お、あよー?」
「おはよう」
「…はよー?」
今年4つになる息子の守哉だ。椎名は子供が大層好きだった。あっという間に守哉と仲良くなって、今朝も朝からああして話通しだ。
子供の拙い話に椎名は延々付き合ってくれている。
「おはよう二人とも」
「おはようございます父上」
「あよー、ざいましゅち、え」
「椎名、父上はいらないな」
「?」
まだ意味を解するまでは行っていないけれど。
しかし守哉がどんどん成長していき話す言葉が増えるにつれ、また椎名の言葉も驚くような速さで上達していった。そうして私は椎名に関するいつくかの事柄を知った。
一つ、椎名は驚くほど長命である(現在500年ほど生きている)
一つ、訳あって国には帰れない(また帰る手段もない)
一つ、椎名にとっての食事は血液であり、多量には必要がないので森の動物に分けてもらっている
最後の一つには流石に肝が冷えたが、椎名は現在誰も脅かす事なくいるので、それを信用しようと思う。
「ただで《世話》になる。駄目だから、何かする」
まだわからない単語が幾つか混ざるが、意思疎通に問題はない。水柱や炎柱との交流を持っていた椎名だったが、私は二人に椎名の存在を外に漏らさぬよう釘を刺していた。まだ異人が珍しいこの国で要らぬ諍いは起こしたくない。
椎名が指で空中に横線を引くとドサリと沢山の品物が現れた。以前の武器もこうやっていたのだろう。
「《アイテムボックス》物はいる。沢山。觜芽哉使う。どれでも」
「これは凄いね」
見ただけでは用途のわからない沢山のものに私は素直に驚いた。うまく活かせば鬼殺隊に役立つかもしれない。しかし私は首を横に振ると、品物を椎名の方へ退けた。
「觜芽哉?」
「この国の事はこの国の人間が解決すべきだ」
鬼の存在も鬼殺隊の事も無惨との因縁も椎名には説明してある。しかしそれに椎名が関わるかどうかは別だ。もっと椎名がこの国を理解してからでも遅くない。
「この技術を私達が自分達で身につけることが出来るようになったら、その時は協力しておくれ」
「…技術、調べるないと分からない。《サンプル》これ、使う」
「そうだね。その時は改めてお願いするよ」
「…觜芽哉、かたい」
「ははは、そうだね」
その時は私が生きている間には来ないだろう。最近体が重い。遠くない世代交代の予感に私は苦く笑った。
「あさは、おはようだよ?」
「お、あよー?」
「おはよう」
「…はよー?」
今年4つになる息子の守哉だ。椎名は子供が大層好きだった。あっという間に守哉と仲良くなって、今朝も朝からああして話通しだ。
子供の拙い話に椎名は延々付き合ってくれている。
「おはよう二人とも」
「おはようございます父上」
「あよー、ざいましゅち、え」
「椎名、父上はいらないな」
「?」
まだ意味を解するまでは行っていないけれど。
しかし守哉がどんどん成長していき話す言葉が増えるにつれ、また椎名の言葉も驚くような速さで上達していった。そうして私は椎名に関するいつくかの事柄を知った。
一つ、椎名は驚くほど長命である(現在500年ほど生きている)
一つ、訳あって国には帰れない(また帰る手段もない)
一つ、椎名にとっての食事は血液であり、多量には必要がないので森の動物に分けてもらっている
最後の一つには流石に肝が冷えたが、椎名は現在誰も脅かす事なくいるので、それを信用しようと思う。
「ただで《世話》になる。駄目だから、何かする」
まだわからない単語が幾つか混ざるが、意思疎通に問題はない。水柱や炎柱との交流を持っていた椎名だったが、私は二人に椎名の存在を外に漏らさぬよう釘を刺していた。まだ異人が珍しいこの国で要らぬ諍いは起こしたくない。
椎名が指で空中に横線を引くとドサリと沢山の品物が現れた。以前の武器もこうやっていたのだろう。
「《アイテムボックス》物はいる。沢山。觜芽哉使う。どれでも」
「これは凄いね」
見ただけでは用途のわからない沢山のものに私は素直に驚いた。うまく活かせば鬼殺隊に役立つかもしれない。しかし私は首を横に振ると、品物を椎名の方へ退けた。
「觜芽哉?」
「この国の事はこの国の人間が解決すべきだ」
鬼の存在も鬼殺隊の事も無惨との因縁も椎名には説明してある。しかしそれに椎名が関わるかどうかは別だ。もっと椎名がこの国を理解してからでも遅くない。
「この技術を私達が自分達で身につけることが出来るようになったら、その時は協力しておくれ」
「…技術、調べるないと分からない。《サンプル》これ、使う」
「そうだね。その時は改めてお願いするよ」
「…觜芽哉、かたい」
「ははは、そうだね」
その時は私が生きている間には来ないだろう。最近体が重い。遠くない世代交代の予感に私は苦く笑った。