四章
夢小説設定
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最近、杏寿郎は任務の前に約束を残していく。
「任務から戻ったら甘露寺の言っていた甘味屋へ行ってみよう」
「帰ってきたら着物を設えに行くので付き合ってくれ」
「任務の後に藤の家で待ち合わせとしよう」
どれも他愛の無い約束なのに、椎名が頷けば杏寿郎はいつも嬉しそうに笑った。
一度など「帰ってきたら茶でもゆっくり飲もう」などと言い出し、椎名は呆れて尋ねた。
「任務の前にしていくそれ、なんなの?」
「うむ!君との約束があると思うとより任務に力が入るのでな!!」
生きて帰るための約束。椎名の元に必ず帰ると言う決意。
夏は花火、秋は焼き芋、冬はかまくら、そして春はーー。
「椎名、任務から戻ったら花見に行こう」
五分咲きになった桜を見上げ杏寿郎はそう言った。隣にいた椎名が桜から杏寿郎に視線を移す。
「花見?」
「あぁ、千寿郎と…そうだ!甘露寺や伊黒にも声をかけよう!!」
「それは楽しそうね」
桜の淡い色と空の対比が眩しい。
「弁当を沢山用意して行こう!甘露寺も勿論だが最近千寿郎も食べるようになってきたからな!!」
「花を…見るのよね?」
食べる物メインで話を進めていく杏寿郎に椎名が笑う。
「無論だ!帰ってくる頃には花盛りになっているだろうからな!!」
杏寿郎は椎名の腰に手を回すとグイと引き寄せた。なんの抵抗もなく腕の中に収まる椎名に口付ける。
「こぼれ桜は2人で見にいこう」
銀の髪と風に舞う桜の花びらはさぞ美しいだろう。目を細める杏寿郎の頬に椎名が手を添えると自分からも口付けた。額を寄せ合うと囁くように言葉を交わす。
「楽しみにしてる」
「どこの飯屋に弁当を頼むか考えておいてくれ」
「私に決めさせる気?」
「数はそうだな、重箱で30もあれば…」
「ご冗談を。50でしょ」
笑い合い啄む様な口付けを繰り返す。
「行ってくる」
「行ってらっしゃい」
杏寿郎はいつものように椎名の頬に触れると任務へと向かって行った。
無限列車へ――。
「任務から戻ったら甘露寺の言っていた甘味屋へ行ってみよう」
「帰ってきたら着物を設えに行くので付き合ってくれ」
「任務の後に藤の家で待ち合わせとしよう」
どれも他愛の無い約束なのに、椎名が頷けば杏寿郎はいつも嬉しそうに笑った。
一度など「帰ってきたら茶でもゆっくり飲もう」などと言い出し、椎名は呆れて尋ねた。
「任務の前にしていくそれ、なんなの?」
「うむ!君との約束があると思うとより任務に力が入るのでな!!」
生きて帰るための約束。椎名の元に必ず帰ると言う決意。
夏は花火、秋は焼き芋、冬はかまくら、そして春はーー。
「椎名、任務から戻ったら花見に行こう」
五分咲きになった桜を見上げ杏寿郎はそう言った。隣にいた椎名が桜から杏寿郎に視線を移す。
「花見?」
「あぁ、千寿郎と…そうだ!甘露寺や伊黒にも声をかけよう!!」
「それは楽しそうね」
桜の淡い色と空の対比が眩しい。
「弁当を沢山用意して行こう!甘露寺も勿論だが最近千寿郎も食べるようになってきたからな!!」
「花を…見るのよね?」
食べる物メインで話を進めていく杏寿郎に椎名が笑う。
「無論だ!帰ってくる頃には花盛りになっているだろうからな!!」
杏寿郎は椎名の腰に手を回すとグイと引き寄せた。なんの抵抗もなく腕の中に収まる椎名に口付ける。
「こぼれ桜は2人で見にいこう」
銀の髪と風に舞う桜の花びらはさぞ美しいだろう。目を細める杏寿郎の頬に椎名が手を添えると自分からも口付けた。額を寄せ合うと囁くように言葉を交わす。
「楽しみにしてる」
「どこの飯屋に弁当を頼むか考えておいてくれ」
「私に決めさせる気?」
「数はそうだな、重箱で30もあれば…」
「ご冗談を。50でしょ」
笑い合い啄む様な口付けを繰り返す。
「行ってくる」
「行ってらっしゃい」
杏寿郎はいつものように椎名の頬に触れると任務へと向かって行った。
無限列車へ――。