三章
夢小説設定
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かぷ。
椎名に首を甘噛みされて杏寿郎は椎名の服にかけていた手を止めた。見下ろせば物言いたげな視線とかちあう。杏寿郎が小さく笑った。
「腹が減っているのか?椎名」
「だって杏寿郎ったら任務で一月も居なくなるんだもの」
他のものの血は飲まないと誓った以上、椎名には待つ事しかできない。むぅ、と唇を尖らせる椎名に口付けると杏寿郎は服を脱がせる続きにかかった。
「それはすまなかった。だが血を飲むのは後にしてくれ」
「…やだ、お腹すいた!お腹すーいー…んっ」
雛鳥よろしくピーピー鳴く椎名の口を自分のそれで塞ぐと舌を絡める。片手で椎名の頭を抑え、もう一方で器用に服を脱がせながら杏寿郎はその身体を布団の上に押し倒した。
「っはぁ…杏寿郎」
恨みがましい椎名の視線に苦笑する。
「先に血をやってしまうと俺の気力が持たん」
「いや、少しぐらい減ったほうがいいから」
「寂しい事を言ってくれる」
(結構本気なんですけど)
杏寿郎が満足するまですると血がーとか言うのも嫌になるぐらい消耗する。しかし…。
「ん?」
優しく微笑む杏寿郎に頬を撫でられて椎名は抵抗を止めるとその首に腕を回した。
(そんな嬉しそうな顔されたらどうでも良くなるわよ)
結局どこまでも自分はこの男に惚れているのだ。
「明日は休めそうなの?」
「あぁ、二、三日休めと言われた」
これは長い夜になりそうだと腹を括り、椎名は杏寿郎に身を任せた。
「そら、俺を背もたれに」
「ん…」
杏寿郎の助けを借りて椎名は何とか身を起こすと、その背中を杏寿郎の胸に預けた。もうすっかり夜は過ぎ去り日が眩しい。杏寿郎が布団を引っ張り椎名に被せた。
「お風呂入りたい」
「宿の者に頼んである。俺が入れてやろう」
(甘やかされてる)
だが体が思うように動かないのでありがたい。椎名が頷くと、その視界に杏寿郎の腕と小刀が入ってきた。
「まずはこちらだ」
「痛みの少ない場所にしてよ?深く切らないでね?」
「わかっている」
(腹ペコだろうに言うことはそれなのか)
杏寿郎は苦笑すると腕の表面を撫でるように切った。五センチほどの赤い線が入りツ…と血が流れる。それを追いかけるように椎名が舌を這わせた。杏寿郎の腕を抱え込むようにして、傷に口をつける。スルスルと腕から力が抜けていくような感覚に杏寿郎は椎名の肩に頭を乗せた。
「杏寿郎、傷がちょっと深い」
傷を舐める時、椎名の唾液からは傷を塞ぐ成分が出る。しかしそれでも止まらない血に椎名は眉を寄せた。
「大丈夫だ」
杏寿郎は傷に意識を集中させると、血液の流れを押し留めた。ぴたりと止まった血に椎名が目を丸くする。
「え、何それ凄くない?」
「全集中の応用だな」
椎名の顎に手をかけ自分の方を向かせると口付ける。ふふ…と笑った椎名に杏寿郎も笑った。
「血の味がするな」
「そりゃそうよ」
「風呂に入って落ち着いたら一度家に戻ろうと思うのだが、椎名も来ないか?」
「たまには千寿郎と兄弟水入らずでどうぞ」
1ヶ月ぶりの帰宅なのだ。千寿郎も首を長くしている事だろう。
「それもそうだな。では任務に戻る前に蝶屋敷に寄ることにしよう」
夜着と羽織を身につけると杏寿郎が椎名を抱き上げる。
「だが帰宅する前に風呂でもう一度抱かせてくれ」
「…気力もお化け」
やっぱり杏寿郎は少し気力を減らしたぐらいで丁度いいと思う椎名だった。
椎名に首を甘噛みされて杏寿郎は椎名の服にかけていた手を止めた。見下ろせば物言いたげな視線とかちあう。杏寿郎が小さく笑った。
「腹が減っているのか?椎名」
「だって杏寿郎ったら任務で一月も居なくなるんだもの」
他のものの血は飲まないと誓った以上、椎名には待つ事しかできない。むぅ、と唇を尖らせる椎名に口付けると杏寿郎は服を脱がせる続きにかかった。
「それはすまなかった。だが血を飲むのは後にしてくれ」
「…やだ、お腹すいた!お腹すーいー…んっ」
雛鳥よろしくピーピー鳴く椎名の口を自分のそれで塞ぐと舌を絡める。片手で椎名の頭を抑え、もう一方で器用に服を脱がせながら杏寿郎はその身体を布団の上に押し倒した。
「っはぁ…杏寿郎」
恨みがましい椎名の視線に苦笑する。
「先に血をやってしまうと俺の気力が持たん」
「いや、少しぐらい減ったほうがいいから」
「寂しい事を言ってくれる」
(結構本気なんですけど)
杏寿郎が満足するまですると血がーとか言うのも嫌になるぐらい消耗する。しかし…。
「ん?」
優しく微笑む杏寿郎に頬を撫でられて椎名は抵抗を止めるとその首に腕を回した。
(そんな嬉しそうな顔されたらどうでも良くなるわよ)
結局どこまでも自分はこの男に惚れているのだ。
「明日は休めそうなの?」
「あぁ、二、三日休めと言われた」
これは長い夜になりそうだと腹を括り、椎名は杏寿郎に身を任せた。
「そら、俺を背もたれに」
「ん…」
杏寿郎の助けを借りて椎名は何とか身を起こすと、その背中を杏寿郎の胸に預けた。もうすっかり夜は過ぎ去り日が眩しい。杏寿郎が布団を引っ張り椎名に被せた。
「お風呂入りたい」
「宿の者に頼んである。俺が入れてやろう」
(甘やかされてる)
だが体が思うように動かないのでありがたい。椎名が頷くと、その視界に杏寿郎の腕と小刀が入ってきた。
「まずはこちらだ」
「痛みの少ない場所にしてよ?深く切らないでね?」
「わかっている」
(腹ペコだろうに言うことはそれなのか)
杏寿郎は苦笑すると腕の表面を撫でるように切った。五センチほどの赤い線が入りツ…と血が流れる。それを追いかけるように椎名が舌を這わせた。杏寿郎の腕を抱え込むようにして、傷に口をつける。スルスルと腕から力が抜けていくような感覚に杏寿郎は椎名の肩に頭を乗せた。
「杏寿郎、傷がちょっと深い」
傷を舐める時、椎名の唾液からは傷を塞ぐ成分が出る。しかしそれでも止まらない血に椎名は眉を寄せた。
「大丈夫だ」
杏寿郎は傷に意識を集中させると、血液の流れを押し留めた。ぴたりと止まった血に椎名が目を丸くする。
「え、何それ凄くない?」
「全集中の応用だな」
椎名の顎に手をかけ自分の方を向かせると口付ける。ふふ…と笑った椎名に杏寿郎も笑った。
「血の味がするな」
「そりゃそうよ」
「風呂に入って落ち着いたら一度家に戻ろうと思うのだが、椎名も来ないか?」
「たまには千寿郎と兄弟水入らずでどうぞ」
1ヶ月ぶりの帰宅なのだ。千寿郎も首を長くしている事だろう。
「それもそうだな。では任務に戻る前に蝶屋敷に寄ることにしよう」
夜着と羽織を身につけると杏寿郎が椎名を抱き上げる。
「だが帰宅する前に風呂でもう一度抱かせてくれ」
「…気力もお化け」
やっぱり杏寿郎は少し気力を減らしたぐらいで丁度いいと思う椎名だった。