三章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
森の中、僅かに明るくなってきた中で鬼が塵一つ残さず消えていく。
チン…と刀を鞘に収め杏寿郎は息を吐き出した。怪我人は出たが死んだ者はいない事に安堵する。
(間に合って良かった)
「怪我をしている者は隠のところへ行け!周囲への警戒は怠るな!!」
青い羽織の隊士が駆けつけた隠や動ける者に指示を出す。
「炎柱、ここはもう大丈夫です。夜明けも近いですしお戻り下さい」
「そうか!ならば…」
「杏寿郎?」
ザワっとその場がざわめいた。森の奥から椎名が姿を表す。その輝く銀髪と緑の瞳に何人かがだらしない顔になった。
(お前ら後で泣きを見るぞ)
情報が足りないと言うことは恐ろしい。羽織の隊士はそっと杏寿郎の傍から離れた。
「椎名!このあたりに来ていたのか!」
杏寿郎が手を差し伸べると、椎名がその手を取って肩が触れ合う距離で立ち止まる。杏寿郎が指を絡める形に手を握り直した。
先程とは違うざわめきが周囲を満たす。
「北東に5キロ先で隊士が三人動けなくなってるの。こっちで大勢の気配がしたからと思って」
「さっき鬼に吹き飛ばされ離脱した隊士だな!」
杏寿郎が羽織の隊士の方をチラリと見る。隊士はさっと返事をした。
「動ける隊士と隠を五名ほど向かわせます」
「頼む!」
羽織の隊士は指示を出しながら二人の方をチラリと見た。椎名がここに来るまでの経緯を順を追って話しているのに、杏寿郎が相槌を打っている。が…。
(見過ぎですよ炎柱)
あの至近距離でほぼ瞬きをしない勢いで椎名を見ている。はじめは普通に説明していた椎名も段々言葉が途切れがちになる。
「あの…杏寿郎?」
「どうかしたのか?椎名」
「いや、あの…」
「うむ!」
(うむ!じゃありませんよ全く)
気の回る部下としてはそれとなく杏寿郎に注意を促すべきなのだろうが、首を突っ込みたくない。羽織の隊士は隠に呼ばれたのを良い事に見ないふりを決め込んだ。
後日、隊士の数名が炎柱による稽古…と言う名の何かによって泣きを見た。
チン…と刀を鞘に収め杏寿郎は息を吐き出した。怪我人は出たが死んだ者はいない事に安堵する。
(間に合って良かった)
「怪我をしている者は隠のところへ行け!周囲への警戒は怠るな!!」
青い羽織の隊士が駆けつけた隠や動ける者に指示を出す。
「炎柱、ここはもう大丈夫です。夜明けも近いですしお戻り下さい」
「そうか!ならば…」
「杏寿郎?」
ザワっとその場がざわめいた。森の奥から椎名が姿を表す。その輝く銀髪と緑の瞳に何人かがだらしない顔になった。
(お前ら後で泣きを見るぞ)
情報が足りないと言うことは恐ろしい。羽織の隊士はそっと杏寿郎の傍から離れた。
「椎名!このあたりに来ていたのか!」
杏寿郎が手を差し伸べると、椎名がその手を取って肩が触れ合う距離で立ち止まる。杏寿郎が指を絡める形に手を握り直した。
先程とは違うざわめきが周囲を満たす。
「北東に5キロ先で隊士が三人動けなくなってるの。こっちで大勢の気配がしたからと思って」
「さっき鬼に吹き飛ばされ離脱した隊士だな!」
杏寿郎が羽織の隊士の方をチラリと見る。隊士はさっと返事をした。
「動ける隊士と隠を五名ほど向かわせます」
「頼む!」
羽織の隊士は指示を出しながら二人の方をチラリと見た。椎名がここに来るまでの経緯を順を追って話しているのに、杏寿郎が相槌を打っている。が…。
(見過ぎですよ炎柱)
あの至近距離でほぼ瞬きをしない勢いで椎名を見ている。はじめは普通に説明していた椎名も段々言葉が途切れがちになる。
「あの…杏寿郎?」
「どうかしたのか?椎名」
「いや、あの…」
「うむ!」
(うむ!じゃありませんよ全く)
気の回る部下としてはそれとなく杏寿郎に注意を促すべきなのだろうが、首を突っ込みたくない。羽織の隊士は隠に呼ばれたのを良い事に見ないふりを決め込んだ。
後日、隊士の数名が炎柱による稽古…と言う名の何かによって泣きを見た。