三章
夢小説設定
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「おはよう竈門少年!」
「お、おはようございます」
炭治郎はなんとか笑顔を捻り出した。室内の布団は片付けられ、いつものようにキリッと隊服を着て炎柱の羽織を羽織った煉獄が折目正しく座っている。
隣の善逸はギリギリと歯軋りをしながら凄い目をしているし、猪之助は不気味なほど大人しいなか、炭治郎は思わず椎名に視線をやった。
椎名もいつもと変わらぬ服装で、部屋の片隅にある文机の前に座り、肩肘をついている。こちらを見る気はないようで、窓の外を向いたままだ。
(なんでこの人たちこんな平静を装ってられるんだよー)
炭治郎は内心泣いた。煉獄からも椎名からもお互いの匂いが混じり合った同じ匂いがするからだ。しかも椎名からは強烈なまでの恥ずかしさも匂ってくる。
「リア充地獄に堕ちろ、リア充地獄に堕ちろ、リア充地獄に堕ちろ、リア充地獄に堕ちろ、リア充地獄に堕ちろ…」
「……」
善逸が血走った眼で在らぬところを見たまま小声で何かを呟き続けている。
(これ以上の長居は危険だ)
炭治郎は一刻も早くこの場を離れるために煉獄の正面に腰掛けた。
「お休みに申し訳ありません」
「構わない!要件を聞こう!!」
(言いづらい!)
炭治郎が一瞬言い淀んだ隙に、漸く何かに折り合いをつけたらしい伊之助が復活して煉獄を指差した。
「俺と勝負しろ!ギョロ目!!」
「人を指さすのは感心しないぞ猪頭少年!!」
「こら、伊之助!すいません、俺たち胡蝶さんに煉獄さんが任務明けで街にいると聞いて、どうしても稽古をつけてもらいたくて」
「そうだぞ!ギョロ目!!休んで暇してるだけだと思ってたのに何椎名とこう…」
「お前何言っちゃってんのー!!!」
立ち上がり爆弾発言しようとした伊之助の口を、善逸がアクロバティックな動きで飛び掛かり黙らせる。
「お前馬鹿だろ!いいからちょっと黙ってろよ!脳みそ付いてんの!?ねぇ、ついてんのかぁーっ!」
「ウルセェ!なにギャーギャー喚いてやがる!!どけどけ!」
(あぁぁー…!)
もうどう収拾したら良いかわからない。視界の端では椎名が文机に突っ伏し動かなくなっていた。
「よし!わかった!!稽古をつけてやろう!」
一連の混沌を全く意に介した様子も無く煉獄は自分の膝を叩くとそう答えた。えっ?と動きを止める炭治郎達三人に笑顔を見せる。
「強くなるための鍛錬は隊士にとって責務だ!下の者を鍛えるのも柱の務め!!」
「よっ、よろしくお願いします!!」
炭治郎は慌てて頭を下げた。柱に直々に稽古つけてもらえる機会はそうそうない。先程までの混沌を綺麗さっぱり忘れ、炭治郎は表情を引き締めた。
「うむ。確か少し言ったところに鍛錬場として山を開放している藤の家があったはず!鎹鴉で先触れを出しておくからそこへ向かおう!」
「はい!!」
無事に話がまとまり炭治郎や善逸、伊之助は腰を上げた。続いて立ち上がった煉獄が椎名を振り返る。
「と言うことですまないが昼までには帰る!」
「?」
自分も行くつもりで腰を上げかけていた椎名はきょとんとした。
「留守番?」
「ん?」
煉獄が戻ってきて椎名の頬を撫でる。その目が完全に笑っていて椎名は嫌な予感がした。
「立てるのか?椎名」
「「「…っ!!!」」」
ズギャーーン!
炭治郎達が凄い形相で飛び上がる。
「………」
ぐうの音も出ない椎名がペチンとその手をはたくと、煉獄は笑って刀を脇に刺した。
「行ってくる!」
「…行ってらっしゃい」
全員が部屋から出ていくのを見送ると、椎名はゴチン!と文机に頭を打ち付けた。
「お、おはようございます」
炭治郎はなんとか笑顔を捻り出した。室内の布団は片付けられ、いつものようにキリッと隊服を着て炎柱の羽織を羽織った煉獄が折目正しく座っている。
隣の善逸はギリギリと歯軋りをしながら凄い目をしているし、猪之助は不気味なほど大人しいなか、炭治郎は思わず椎名に視線をやった。
椎名もいつもと変わらぬ服装で、部屋の片隅にある文机の前に座り、肩肘をついている。こちらを見る気はないようで、窓の外を向いたままだ。
(なんでこの人たちこんな平静を装ってられるんだよー)
炭治郎は内心泣いた。煉獄からも椎名からもお互いの匂いが混じり合った同じ匂いがするからだ。しかも椎名からは強烈なまでの恥ずかしさも匂ってくる。
「リア充地獄に堕ちろ、リア充地獄に堕ちろ、リア充地獄に堕ちろ、リア充地獄に堕ちろ、リア充地獄に堕ちろ…」
「……」
善逸が血走った眼で在らぬところを見たまま小声で何かを呟き続けている。
(これ以上の長居は危険だ)
炭治郎は一刻も早くこの場を離れるために煉獄の正面に腰掛けた。
「お休みに申し訳ありません」
「構わない!要件を聞こう!!」
(言いづらい!)
炭治郎が一瞬言い淀んだ隙に、漸く何かに折り合いをつけたらしい伊之助が復活して煉獄を指差した。
「俺と勝負しろ!ギョロ目!!」
「人を指さすのは感心しないぞ猪頭少年!!」
「こら、伊之助!すいません、俺たち胡蝶さんに煉獄さんが任務明けで街にいると聞いて、どうしても稽古をつけてもらいたくて」
「そうだぞ!ギョロ目!!休んで暇してるだけだと思ってたのに何椎名とこう…」
「お前何言っちゃってんのー!!!」
立ち上がり爆弾発言しようとした伊之助の口を、善逸がアクロバティックな動きで飛び掛かり黙らせる。
「お前馬鹿だろ!いいからちょっと黙ってろよ!脳みそ付いてんの!?ねぇ、ついてんのかぁーっ!」
「ウルセェ!なにギャーギャー喚いてやがる!!どけどけ!」
(あぁぁー…!)
もうどう収拾したら良いかわからない。視界の端では椎名が文机に突っ伏し動かなくなっていた。
「よし!わかった!!稽古をつけてやろう!」
一連の混沌を全く意に介した様子も無く煉獄は自分の膝を叩くとそう答えた。えっ?と動きを止める炭治郎達三人に笑顔を見せる。
「強くなるための鍛錬は隊士にとって責務だ!下の者を鍛えるのも柱の務め!!」
「よっ、よろしくお願いします!!」
炭治郎は慌てて頭を下げた。柱に直々に稽古つけてもらえる機会はそうそうない。先程までの混沌を綺麗さっぱり忘れ、炭治郎は表情を引き締めた。
「うむ。確か少し言ったところに鍛錬場として山を開放している藤の家があったはず!鎹鴉で先触れを出しておくからそこへ向かおう!」
「はい!!」
無事に話がまとまり炭治郎や善逸、伊之助は腰を上げた。続いて立ち上がった煉獄が椎名を振り返る。
「と言うことですまないが昼までには帰る!」
「?」
自分も行くつもりで腰を上げかけていた椎名はきょとんとした。
「留守番?」
「ん?」
煉獄が戻ってきて椎名の頬を撫でる。その目が完全に笑っていて椎名は嫌な予感がした。
「立てるのか?椎名」
「「「…っ!!!」」」
ズギャーーン!
炭治郎達が凄い形相で飛び上がる。
「………」
ぐうの音も出ない椎名がペチンとその手をはたくと、煉獄は笑って刀を脇に刺した。
「行ってくる!」
「…行ってらっしゃい」
全員が部屋から出ていくのを見送ると、椎名はゴチン!と文机に頭を打ち付けた。