三章
夢小説設定
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ハギ、キキョウ、クズ、フジバカマ、オミナエシ、オバナ、ナデシコ
杏寿郎にしては珍しい小さな声で歌われているそれに椎名は首を傾げた。
「杏寿郎、それはなんの呪文なの?」
「呪文!?」
聞こえていると思わなかったのだろう。杏寿郎は椎名のあんまりな言いように振り返った。
「昨日千寿郎に秋の七草を教えていたのだ!覚えるのに苦戦していたので、節でもつけば覚えやすかろうとな!!」
ああでもない、こうでもないと千寿郎と共に節をこねくり回して、この歌ができる頃にはすっかり耳から離れなくなってしまった。無意識のうちに声に出ていたと知り、杏寿郎が赤面する。
微笑ましい話に椎名の顔にも笑みが浮かんだ。
「薬草の名前ばかりね」
「そうだな!秋の七草は見て美しく実用性のあるものが選ばれているそうだ!!」
「と、言う事は春の七草とか夏の七草もあるの?」
椎名の素朴な疑問にふむ、と杏寿郎は指折り口を開いた。
「夏の七草は聞いたことがないが、春の七草は昔からあるな!芹、薺、御業、繁縷、仏の座、菘、蘿蔔これぞ七草と言う唄が河海抄と言う書物にある!!一月七日にこの七草を食べて無病息災を祈るのだ!江戸時代に武家や一般に広まったとされているな!!」
「へぇ」
博識である。もしかすると武家では当然の知識なのかもしれないが、それをきちんと弟に繋いでいく杏寿郎がしっかり兄をしていて椎名には眩しかった。
「今度千寿郎を連れて秋の七草を探しに行かないか!」
「良いわね。楽しそう」
たくさん取れたならしのぶに回すのも良いかもしれない。椎名は杏寿郎との約束に胸を躍らせるのだった。
(夏の七草は昭和になってからの選定らしいのでこの頃は無かった筈)
杏寿郎にしては珍しい小さな声で歌われているそれに椎名は首を傾げた。
「杏寿郎、それはなんの呪文なの?」
「呪文!?」
聞こえていると思わなかったのだろう。杏寿郎は椎名のあんまりな言いように振り返った。
「昨日千寿郎に秋の七草を教えていたのだ!覚えるのに苦戦していたので、節でもつけば覚えやすかろうとな!!」
ああでもない、こうでもないと千寿郎と共に節をこねくり回して、この歌ができる頃にはすっかり耳から離れなくなってしまった。無意識のうちに声に出ていたと知り、杏寿郎が赤面する。
微笑ましい話に椎名の顔にも笑みが浮かんだ。
「薬草の名前ばかりね」
「そうだな!秋の七草は見て美しく実用性のあるものが選ばれているそうだ!!」
「と、言う事は春の七草とか夏の七草もあるの?」
椎名の素朴な疑問にふむ、と杏寿郎は指折り口を開いた。
「夏の七草は聞いたことがないが、春の七草は昔からあるな!芹、薺、御業、繁縷、仏の座、菘、蘿蔔これぞ七草と言う唄が河海抄と言う書物にある!!一月七日にこの七草を食べて無病息災を祈るのだ!江戸時代に武家や一般に広まったとされているな!!」
「へぇ」
博識である。もしかすると武家では当然の知識なのかもしれないが、それをきちんと弟に繋いでいく杏寿郎がしっかり兄をしていて椎名には眩しかった。
「今度千寿郎を連れて秋の七草を探しに行かないか!」
「良いわね。楽しそう」
たくさん取れたならしのぶに回すのも良いかもしれない。椎名は杏寿郎との約束に胸を躍らせるのだった。
(夏の七草は昭和になってからの選定らしいのでこの頃は無かった筈)