三章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「本当に申し訳ありません、椎名さん」
「いやしのぶ、もう良いから。本っ当にもう良いから」
深々と頭を下げるしのぶの肩を掴んで椎名は頭を上げさせた。それでもなお申し訳なさそうにするしのぶの頭を撫でる。
「替えの服はちゃんとあるから、心配しないで」
人差し指を横に引くとバサリと洋服が落ちてくる。
(耐久性は向こうの方が上だったんだけど、まぁ仕方ないわよね)
しのぶに部屋を辞してもらうと服に袖を通す。
(懐かしい)
これを着るのは250年ほど前ぶりか。椎名は軽くストレッチをすると着心地を確認し、しのぶが待つ廊下へ向かった。
「………」
たまたま薬を受け取りに来ていた実弥は固まっていた。視線の先には洗濯物干しを手伝っている椎名。
(阿呆なのかァ?あいつ)
椎名はビキニ型のトップスの上にアームボレロの様に大きく胸の開いた上着を着ていた。太ももの上の方まであるニーソックスの上に前垂れのついた形で、非常に露出が高い。
「よぅ、不死川。お前も男だなぁ」
がしっと実弥の肩に腕を回し天元が現れた。離せェ!と振り払われても気にした様子はない。
「煉獄はどんな反応すんだろうな?」
ニヤニヤする天元に実弥は巻き込まれたくなくて距離をとった。
「どうもこうも、俺の女があんな格好してたら憤怒もんだぜぇ」
「意外と派手に鼻の下伸ばしたりしてな」
「………」
デレデレと鼻の下を伸ばす煉獄杏寿郎。想像できない光景に実弥は肩をすくめただけだった。
「だいたい今日煉獄が来るかはわからねぇだろ」
「宇髄!不死川!!来ていたのか!」
((来たーーっ!!))
素晴らしいタイミングで現れた杏寿郎に2人の心の声が重なった。適当な挨拶を交わすとそっと距離を取る。杏寿郎は様子のおかしな実弥と天元に構う事なく椎名の方へ向き直った。
「椎名!今日床払いだと聞い…」
「杏寿郎、任務の帰り?おかえりなさっ!?」
20メートルほどの距離を一瞬で詰めると杏寿郎は椎名の両肩を掴んだ。
驚いて固まる椎名に真顔で詰め寄る。
「椎名!いつもの服はどうした!!」
「あぁ、ちょっと不慮の出来事があってね。昔の服を引っ張り出したのよ」
「…なぁ胡蝶。不慮の出来事って何かあったのか?」
杏寿郎達を遠巻きにしていた天元が後ろに声をかける。しのぶが困った顔で屋敷の窓から顔を出していた。
「あの一件で傷んでしまったので、アオイが綺麗に洗って繕いなおそうとしていたんです。でも干している間に衣服担当の隠が来ていた様で、生地の研究にと持って行ってしまったんです」
「派手に泥棒だな」
「何だそりゃ」
呆れる二人にしのぶが頬に手を当てため息を吐く。
「気付いて直ぐに返却を求めたんですが、既に細切れで戻すどころではなくて…椎名さんが許してくださったから良い様なものの申し訳なくて」
「で、あの状態ってわけか」
「椎名さんからすれば昔の服を引っ張り出して着ているだけですからね。注意しにくいんです」
椎名から事情を聞き終わった杏寿郎はクワっと目を見開いた。
「そんなあられもない姿をするのは不死川だけで十分だ!!」
「殺すぞテメェ!」
「見た目よりずっと耐久度高いのよ?これ」
「そういう問題ではない!!」
杏寿郎は自分の羽織を脱ぐと椎名に頭から被せぐるりと巻きつけた。肩で息をする杏寿郎を天元と実弥がニヤニヤ見守る。じろりと睨みつけられ、二人は慌てて横を向いた。
「おぉ〜、やっぱり杏寿郎は大きいね」
「……」
椎名の暢気な声がして杏寿郎がそちらを向けば、ぶかぶかの炎柱の羽織を楽しそうに身に纏う姿。
杏寿郎はなんだか色々なものが試されている様な気がした。
「胡蝶!」
「なんですかー?煉獄さん」
のんびりとした返事をするしのぶの顔が完全に面白がっていて、杏寿郎は逆に毒気を抜かれた。
「隠の所に行ってくる。しはらく椎名を借りるぞ」
「平和的にお願いしますね」
怪我をしたなら隠であろうと治療はしのぶの仕事だ。正直こんな理由で仕事を増やされたくない。
「善処する」
翌日、盗られたものと全く同じ服が椎名の元に届いたのだった。
「いやしのぶ、もう良いから。本っ当にもう良いから」
深々と頭を下げるしのぶの肩を掴んで椎名は頭を上げさせた。それでもなお申し訳なさそうにするしのぶの頭を撫でる。
「替えの服はちゃんとあるから、心配しないで」
人差し指を横に引くとバサリと洋服が落ちてくる。
(耐久性は向こうの方が上だったんだけど、まぁ仕方ないわよね)
しのぶに部屋を辞してもらうと服に袖を通す。
(懐かしい)
これを着るのは250年ほど前ぶりか。椎名は軽くストレッチをすると着心地を確認し、しのぶが待つ廊下へ向かった。
「………」
たまたま薬を受け取りに来ていた実弥は固まっていた。視線の先には洗濯物干しを手伝っている椎名。
(阿呆なのかァ?あいつ)
椎名はビキニ型のトップスの上にアームボレロの様に大きく胸の開いた上着を着ていた。太ももの上の方まであるニーソックスの上に前垂れのついた形で、非常に露出が高い。
「よぅ、不死川。お前も男だなぁ」
がしっと実弥の肩に腕を回し天元が現れた。離せェ!と振り払われても気にした様子はない。
「煉獄はどんな反応すんだろうな?」
ニヤニヤする天元に実弥は巻き込まれたくなくて距離をとった。
「どうもこうも、俺の女があんな格好してたら憤怒もんだぜぇ」
「意外と派手に鼻の下伸ばしたりしてな」
「………」
デレデレと鼻の下を伸ばす煉獄杏寿郎。想像できない光景に実弥は肩をすくめただけだった。
「だいたい今日煉獄が来るかはわからねぇだろ」
「宇髄!不死川!!来ていたのか!」
((来たーーっ!!))
素晴らしいタイミングで現れた杏寿郎に2人の心の声が重なった。適当な挨拶を交わすとそっと距離を取る。杏寿郎は様子のおかしな実弥と天元に構う事なく椎名の方へ向き直った。
「椎名!今日床払いだと聞い…」
「杏寿郎、任務の帰り?おかえりなさっ!?」
20メートルほどの距離を一瞬で詰めると杏寿郎は椎名の両肩を掴んだ。
驚いて固まる椎名に真顔で詰め寄る。
「椎名!いつもの服はどうした!!」
「あぁ、ちょっと不慮の出来事があってね。昔の服を引っ張り出したのよ」
「…なぁ胡蝶。不慮の出来事って何かあったのか?」
杏寿郎達を遠巻きにしていた天元が後ろに声をかける。しのぶが困った顔で屋敷の窓から顔を出していた。
「あの一件で傷んでしまったので、アオイが綺麗に洗って繕いなおそうとしていたんです。でも干している間に衣服担当の隠が来ていた様で、生地の研究にと持って行ってしまったんです」
「派手に泥棒だな」
「何だそりゃ」
呆れる二人にしのぶが頬に手を当てため息を吐く。
「気付いて直ぐに返却を求めたんですが、既に細切れで戻すどころではなくて…椎名さんが許してくださったから良い様なものの申し訳なくて」
「で、あの状態ってわけか」
「椎名さんからすれば昔の服を引っ張り出して着ているだけですからね。注意しにくいんです」
椎名から事情を聞き終わった杏寿郎はクワっと目を見開いた。
「そんなあられもない姿をするのは不死川だけで十分だ!!」
「殺すぞテメェ!」
「見た目よりずっと耐久度高いのよ?これ」
「そういう問題ではない!!」
杏寿郎は自分の羽織を脱ぐと椎名に頭から被せぐるりと巻きつけた。肩で息をする杏寿郎を天元と実弥がニヤニヤ見守る。じろりと睨みつけられ、二人は慌てて横を向いた。
「おぉ〜、やっぱり杏寿郎は大きいね」
「……」
椎名の暢気な声がして杏寿郎がそちらを向けば、ぶかぶかの炎柱の羽織を楽しそうに身に纏う姿。
杏寿郎はなんだか色々なものが試されている様な気がした。
「胡蝶!」
「なんですかー?煉獄さん」
のんびりとした返事をするしのぶの顔が完全に面白がっていて、杏寿郎は逆に毒気を抜かれた。
「隠の所に行ってくる。しはらく椎名を借りるぞ」
「平和的にお願いしますね」
怪我をしたなら隠であろうと治療はしのぶの仕事だ。正直こんな理由で仕事を増やされたくない。
「善処する」
翌日、盗られたものと全く同じ服が椎名の元に届いたのだった。