一章
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半年に一度の柱合会議の日、お館様からのありがたいお言葉を賜っていた不死川は庭へ近づいてくる気配に一気に警戒を高めた。
(何だこの気配は…鬼、じゃねぇ。だが人間のものでもねぇ)
しかし気配だけでも分かる。相当の手練だ。ちらりと横を見た不死川は他の柱達の空気もひりついているのを確認すると刀に手をかけた。
「あぁ、来たようだね」
耀哉の声と共に物陰から現れた人影に不死川は一気に飛びかかった。その腕に抱かれているものを認めると、刀を離し拳を握りしめる。
「お館さまのお子様から離れやがれぇぇっ!!」
鋭い不死川の拳はしかし空を切るだけだった。侵入者はひらりと不死川の攻撃を避けると、そちらに一瞥をくれること無く縁側へ歩み寄る。
腕に抱いていたかなたをそっと降ろすと、侵入者は人差し指で空中に横線を引いた。途端、小さな箱が五つ、かなたの手に落ちるのを見て不死川は目の色を変えた。
(血気術!!)
振り返り刀に手を伸ばす不死川の横を影が走った。冨岡が一足飛びに侵入者へ刀を振るう。
――水の呼吸 壱の方 水面切り――
(浅い!)
半端な冨岡の攻撃に不死川のこめかみに血管が浮かんだ。
「冨岡ァ!てめぇなに手ェ抜いてやがる!!」
不死川の怒声に冨岡がポツリと呟いた。
「日輪刀を…」
「アァ!?」
「日輪刀を、持っている」
耀哉を挟んだ反対側まで回避している侵入者の全体を不死川は初めて意識した。
(銀髪に緑の目。異人か?見たことねぇ服装してやがる。膝下まである靴…ありゃなんだ?皮か?)
侵入者の腰にある日輪刀に不死川は舌打ちした。
(冨岡の見間違いかと思ったが、マジで日輪刀だ)
動きを止めた不死川と冨岡を確認すると、侵入者は腕を組み耀哉を横目に睨みつけた。
「呼び出されただけなのにご挨拶ね耀哉」
この一言に庭内がぞっとするような殺気で満ち溢れた。柱の全員が今にも斬りかからんばかりの気配を見せる。しかしその空気は次の耀哉の言葉で霧散した。
「すまなかったね、椎名。君のことを私から説明しても構わないかい?」
お館様の客分。侵入者――椎名は瞬く間に立場を変え、柱達は態度を改めた。不死川も冨岡も片膝をつくとひれ伏す。
「ご・ず・い・い・に」
嫌味のつもりで一言ずつ区切って返事をする椎名に耀哉を朗らかに笑い声を上げた。
「あっはっは、辛辣だね。でもそうだね。椎名の怒る理由はよく分かっているつもりだよ」
「それについては後でゆっくり聞かせてもらうわ」
「わかっているよ。かなた、くいな」
「「はい」」
先程椎名が渡した箱を分け持つ我が子に耀哉は声をかけた。
「先に戻って部屋の用意をするよう伝えておくれ」
「「かしこまりました、お館様」」
一礼し去っていく二人を見送ると、耀哉は自分の近くの縁側を示した。
「椎名、座るといい。皆も楽にしてくれ」
(何だこの気配は…鬼、じゃねぇ。だが人間のものでもねぇ)
しかし気配だけでも分かる。相当の手練だ。ちらりと横を見た不死川は他の柱達の空気もひりついているのを確認すると刀に手をかけた。
「あぁ、来たようだね」
耀哉の声と共に物陰から現れた人影に不死川は一気に飛びかかった。その腕に抱かれているものを認めると、刀を離し拳を握りしめる。
「お館さまのお子様から離れやがれぇぇっ!!」
鋭い不死川の拳はしかし空を切るだけだった。侵入者はひらりと不死川の攻撃を避けると、そちらに一瞥をくれること無く縁側へ歩み寄る。
腕に抱いていたかなたをそっと降ろすと、侵入者は人差し指で空中に横線を引いた。途端、小さな箱が五つ、かなたの手に落ちるのを見て不死川は目の色を変えた。
(血気術!!)
振り返り刀に手を伸ばす不死川の横を影が走った。冨岡が一足飛びに侵入者へ刀を振るう。
――水の呼吸 壱の方 水面切り――
(浅い!)
半端な冨岡の攻撃に不死川のこめかみに血管が浮かんだ。
「冨岡ァ!てめぇなに手ェ抜いてやがる!!」
不死川の怒声に冨岡がポツリと呟いた。
「日輪刀を…」
「アァ!?」
「日輪刀を、持っている」
耀哉を挟んだ反対側まで回避している侵入者の全体を不死川は初めて意識した。
(銀髪に緑の目。異人か?見たことねぇ服装してやがる。膝下まである靴…ありゃなんだ?皮か?)
侵入者の腰にある日輪刀に不死川は舌打ちした。
(冨岡の見間違いかと思ったが、マジで日輪刀だ)
動きを止めた不死川と冨岡を確認すると、侵入者は腕を組み耀哉を横目に睨みつけた。
「呼び出されただけなのにご挨拶ね耀哉」
この一言に庭内がぞっとするような殺気で満ち溢れた。柱の全員が今にも斬りかからんばかりの気配を見せる。しかしその空気は次の耀哉の言葉で霧散した。
「すまなかったね、椎名。君のことを私から説明しても構わないかい?」
お館様の客分。侵入者――椎名は瞬く間に立場を変え、柱達は態度を改めた。不死川も冨岡も片膝をつくとひれ伏す。
「ご・ず・い・い・に」
嫌味のつもりで一言ずつ区切って返事をする椎名に耀哉を朗らかに笑い声を上げた。
「あっはっは、辛辣だね。でもそうだね。椎名の怒る理由はよく分かっているつもりだよ」
「それについては後でゆっくり聞かせてもらうわ」
「わかっているよ。かなた、くいな」
「「はい」」
先程椎名が渡した箱を分け持つ我が子に耀哉は声をかけた。
「先に戻って部屋の用意をするよう伝えておくれ」
「「かしこまりました、お館様」」
一礼し去っていく二人を見送ると、耀哉は自分の近くの縁側を示した。
「椎名、座るといい。皆も楽にしてくれ」