一章
夢小説設定
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「おっ、さっぱりしたか?」
「気分は澱んでるけどね」
風呂から戻った椎名は縁側で寛ぐ宇髄の横に腰掛けた。
(派手に色気あるよな…)
普段から薄化粧なのだろう。すっぴんでもあまり変わらぬ白い肌に唇だけが紅い。
(いつもなら喰っちゃうかと言いたい所だけどな)
森の中での光景が蘇る。宇髄は椎名を測りかねていた。
(嫁を護るための道具を手に入れるために嫁を危ない目に合わせる訳にはいかねぇからな…さぁ、どうするか)
「あら椎名さん。いけませんよ、ちゃんと髪を乾かさなくちゃ」
「え?」
酒と肴を持ってきたまきをが椎名の髪を指差した。確かに椎名の髪はまだしっとりと濡れている。
「あぁ、このぐらいなら…」
「何言ってるんですか。風邪引きますよ。ほら貸して」
手拭いを持ってくるとまきをは椎名の後ろに陣取って丁寧に髪を拭き取りだした。あんまり大事に扱われて椎名は所在なさげだ。その様子に宇髄が吹き出した。
「堂々としてりゃ良いじゃねぇか」
「いや、耀哉の子ども達にしてやる事はあるけど、自分がして貰うなんて…落ち着かない」
「たまには良いものでしょう?綺麗な髪なのにちゃんとしなくちゃ勿体無いです」
ご一緒しても良いですか?と聞くと雛鶴が隣に腰掛ける。宇髄は自分の獲物の位置をそれとなく確認した。
「嫁が三人って驚かれたでしょう?」
椎名に杯を渡しながら雛鶴が言った。まぁ…と言葉を濁す椎名に笑う。
「私達三人共元はくノ一だったんです。女の忍者。あ、忍者ってわかります?」
「わかるから大丈夫よ。普通に話して」
見た目のせいで気を使われたらしい。徳利を差し出されたので椎名は杯に口をつけた。いつの間にか宇髄の横に須磨がぺったり張り付いていた。
「私達天元様に拾われて命拾いしたの。それからずっと私達天元様が大好きなのよ」
「結構なことじゃない」
椎名はまきをに礼を言うと杯を置き立ち上がった。
「どうした?」
「先に休ませて貰うわ。奥さん達とごゆっくり」
立ち去る椎名の姿が見えなくなるまで見送ると、宇髄は杯の酒を庭先に捨てた。
「気分は澱んでるけどね」
風呂から戻った椎名は縁側で寛ぐ宇髄の横に腰掛けた。
(派手に色気あるよな…)
普段から薄化粧なのだろう。すっぴんでもあまり変わらぬ白い肌に唇だけが紅い。
(いつもなら喰っちゃうかと言いたい所だけどな)
森の中での光景が蘇る。宇髄は椎名を測りかねていた。
(嫁を護るための道具を手に入れるために嫁を危ない目に合わせる訳にはいかねぇからな…さぁ、どうするか)
「あら椎名さん。いけませんよ、ちゃんと髪を乾かさなくちゃ」
「え?」
酒と肴を持ってきたまきをが椎名の髪を指差した。確かに椎名の髪はまだしっとりと濡れている。
「あぁ、このぐらいなら…」
「何言ってるんですか。風邪引きますよ。ほら貸して」
手拭いを持ってくるとまきをは椎名の後ろに陣取って丁寧に髪を拭き取りだした。あんまり大事に扱われて椎名は所在なさげだ。その様子に宇髄が吹き出した。
「堂々としてりゃ良いじゃねぇか」
「いや、耀哉の子ども達にしてやる事はあるけど、自分がして貰うなんて…落ち着かない」
「たまには良いものでしょう?綺麗な髪なのにちゃんとしなくちゃ勿体無いです」
ご一緒しても良いですか?と聞くと雛鶴が隣に腰掛ける。宇髄は自分の獲物の位置をそれとなく確認した。
「嫁が三人って驚かれたでしょう?」
椎名に杯を渡しながら雛鶴が言った。まぁ…と言葉を濁す椎名に笑う。
「私達三人共元はくノ一だったんです。女の忍者。あ、忍者ってわかります?」
「わかるから大丈夫よ。普通に話して」
見た目のせいで気を使われたらしい。徳利を差し出されたので椎名は杯に口をつけた。いつの間にか宇髄の横に須磨がぺったり張り付いていた。
「私達天元様に拾われて命拾いしたの。それからずっと私達天元様が大好きなのよ」
「結構なことじゃない」
椎名はまきをに礼を言うと杯を置き立ち上がった。
「どうした?」
「先に休ませて貰うわ。奥さん達とごゆっくり」
立ち去る椎名の姿が見えなくなるまで見送ると、宇髄は杯の酒を庭先に捨てた。