一章
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「なんだこりゃ」
溜池にぷかりと浮かんだ5つのガラス玉に宇髄は足を止めた。掌ほどの大きさの真ん丸なガラス玉が陽光を受けてキラキラしている。
「なんだってこんな所に」
ガラスが珍しいとまでは言わないが、それでもここまで正確に丸いものは珍しい。手近に浮かんでいるものに宇髄は手を伸ばした。
「もう少しで光が貯まるから日光を遮らないで」
「…これ、アンタのか」
木の上、枝に腰掛けている椎名に宇髄は顔を上げた。
「光が貯まるって何の事だ?」
「ほら」
地面に降りた椎名がガラス玉の一つを指差すと、それは一瞬複雑に光を反射させるとぼんやりと自ら光を放った。椎名がそれを掬い上げて掲げてみせる。
「へぇ、夜の提灯代わりに良さそうだな」
「まさか、目眩ましの道具よ。刺激を与えると強い光を放つの」
「おぉ、ド派手じゃねぇか!目眩ましか…こいつを小さく出来れば嫁達に持たせるのに良いな」
「嫁?誰の?」
予想外の単語に食いついた椎名に宇髄は自分を指差した。
「俺の」
「…嫁?」
「達」
――俺の嫁『達』?――
「ド派手に不審そうな顔をしてんなよ」
まぁ、そういう事もあるのだろう。宇髄の言葉を椎名はそのまま飲み込むことにした。気にしたら負けな気がする。
「持ち歩く前提ならもっと小さくないとね」
「おっ!そうだよな!」
どんな方法があるか検討しだした椎名に宇髄は嬉しくなって指を鳴らした。鬼と戦うにも自分はともかく嫁達は事前準備を整えておかないと何かと危険なのだ。
だが悲しいかな柱達は強いが故にそういった事を理解してくれない。唯一それらしい理解を示してくれるのはしのぶぐらいだ。
「これは魔道具だからこれ以上小さくならないのよね…もっとこう、手近で手に入る物の方が良いわ」
「でもよぉ、煙幕じゃあこっちの視界ばっか塞がれて意味ねぇんだよな」
鬼は鼻が利く。こちらの視界まで塞がれては匂いを追われて一発だ。
「そうだ、水」
「…水は光んねぇだろ」
「そりゃそうよ」
最もな宇髄のツッコミに椎名は笑いながら人差し指を横に引いた。ぽとりと巻物がその手に落ちてくる。
「そいつは?」
「スクロールって言って妖術的な力を持つ巻物って所ね。使い道がなくて放っておいたんだけど、これならいけるはず」
椎名は巻物を広げると一箇所だけ空白になっている部分を指し示した。
「ここに使用者が何に対してどんな風に使用したいか書き込めばいいのよ」
「へえ、派手に便利じゃねぇか。そんな物どうしたんだよ」
「昔、決闘を申し込んできた魔女を返り討ちにして手に入れた戦利品」
「物騒だなオイ!」
口ではそう言いながら宇髄は嬉しそうな顔をした。どうも中々に見た目に反して気安く楽しい。
(他の連中がどうかは知らねぇが、別に気の良い奴だよな)
この見た目だ。上手くやればお大尽を捕まえて贅沢三昧だって出来ただろう。
(まぁ、お館様の所で長らく裏方やってたって事は本人にその気はねぇって事だわな)
「よし!今日はこのまま俺の家に来いよ!この巻物を試したいし、嫁たちも紹介するぜ!!」
日は傾いてきたが夜早いうちには音屋敷に着くだろう。思っても見なかった宇髄の提案に驚いた椎名だったが、断る理由もなく頷いた。
溜池にぷかりと浮かんだ5つのガラス玉に宇髄は足を止めた。掌ほどの大きさの真ん丸なガラス玉が陽光を受けてキラキラしている。
「なんだってこんな所に」
ガラスが珍しいとまでは言わないが、それでもここまで正確に丸いものは珍しい。手近に浮かんでいるものに宇髄は手を伸ばした。
「もう少しで光が貯まるから日光を遮らないで」
「…これ、アンタのか」
木の上、枝に腰掛けている椎名に宇髄は顔を上げた。
「光が貯まるって何の事だ?」
「ほら」
地面に降りた椎名がガラス玉の一つを指差すと、それは一瞬複雑に光を反射させるとぼんやりと自ら光を放った。椎名がそれを掬い上げて掲げてみせる。
「へぇ、夜の提灯代わりに良さそうだな」
「まさか、目眩ましの道具よ。刺激を与えると強い光を放つの」
「おぉ、ド派手じゃねぇか!目眩ましか…こいつを小さく出来れば嫁達に持たせるのに良いな」
「嫁?誰の?」
予想外の単語に食いついた椎名に宇髄は自分を指差した。
「俺の」
「…嫁?」
「達」
――俺の嫁『達』?――
「ド派手に不審そうな顔をしてんなよ」
まぁ、そういう事もあるのだろう。宇髄の言葉を椎名はそのまま飲み込むことにした。気にしたら負けな気がする。
「持ち歩く前提ならもっと小さくないとね」
「おっ!そうだよな!」
どんな方法があるか検討しだした椎名に宇髄は嬉しくなって指を鳴らした。鬼と戦うにも自分はともかく嫁達は事前準備を整えておかないと何かと危険なのだ。
だが悲しいかな柱達は強いが故にそういった事を理解してくれない。唯一それらしい理解を示してくれるのはしのぶぐらいだ。
「これは魔道具だからこれ以上小さくならないのよね…もっとこう、手近で手に入る物の方が良いわ」
「でもよぉ、煙幕じゃあこっちの視界ばっか塞がれて意味ねぇんだよな」
鬼は鼻が利く。こちらの視界まで塞がれては匂いを追われて一発だ。
「そうだ、水」
「…水は光んねぇだろ」
「そりゃそうよ」
最もな宇髄のツッコミに椎名は笑いながら人差し指を横に引いた。ぽとりと巻物がその手に落ちてくる。
「そいつは?」
「スクロールって言って妖術的な力を持つ巻物って所ね。使い道がなくて放っておいたんだけど、これならいけるはず」
椎名は巻物を広げると一箇所だけ空白になっている部分を指し示した。
「ここに使用者が何に対してどんな風に使用したいか書き込めばいいのよ」
「へえ、派手に便利じゃねぇか。そんな物どうしたんだよ」
「昔、決闘を申し込んできた魔女を返り討ちにして手に入れた戦利品」
「物騒だなオイ!」
口ではそう言いながら宇髄は嬉しそうな顔をした。どうも中々に見た目に反して気安く楽しい。
(他の連中がどうかは知らねぇが、別に気の良い奴だよな)
この見た目だ。上手くやればお大尽を捕まえて贅沢三昧だって出来ただろう。
(まぁ、お館様の所で長らく裏方やってたって事は本人にその気はねぇって事だわな)
「よし!今日はこのまま俺の家に来いよ!この巻物を試したいし、嫁たちも紹介するぜ!!」
日は傾いてきたが夜早いうちには音屋敷に着くだろう。思っても見なかった宇髄の提案に驚いた椎名だったが、断る理由もなく頷いた。