喫茶店の女給になった元婚約者
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「炎柱!!」
隠の本田は蝶屋敷へと飛び込んだ。本来は刀鍛冶の里に常中していなければならないのだが、たまたま隊士を送り届ける任務のために帝都まで来ていたのだ。
そして隠の休憩所で聞いた話に本田は矢も盾もたまらず蝶屋敷に飛び込んだのだ。
炎柱・煉獄杏寿郎が上弦の弐と格闘の末、瀕死の重傷を負いながらもこれを撃退。下弦の鬼を討伐した一般隊士三名と無限列車の乗客二百名を守り抜いたと言うのだ。幼い少女達の静止を振り切り病室に駆け込むと、煉獄は体中に包帯を巻かれ複数の点滴が天井からぶら下がっていた。
「え、炎柱……」
ピクリとも動かない煉獄のあまりの姿に立ち尽くしていた本田がよろりと一歩踏み出した。
「近づいてはいけませんよ」
「……む、蟲柱」
かけられた冷静な声に本田が後ろを振り返った。胡蝶が厳しい顔をして入り口に立っている。滂沱の涙を流しながら本田がその場に崩れ落ちた。
「蟲柱……え、炎柱は」
「何を泣いているのです。立ちなさい。ここには入らないようキヨ達に言われたでしょう。貴女は自分の一時の感情で煉獄さんを殺したいのですか?」
「こ……そ、ん……え、炎柱は」
ベッドに横たわっている煉獄はひっそりとしていて呼吸さえ今にも消えそうだ。胡蝶はキヨ、スミ、ナホに指示をして震える本田を部屋から追い出した。
「煉獄さんは生きています。とは言え危険な状態なのに変わりはありませんが……今はとにかく煉獄さんの生命力に期待するだけです」
「…………っ」
ぶるぶると震える手を本田は必死で抑えた。このまま煉獄が居なくなってしまうなど耐えられない。煉獄が死ぬかも知れないなど考えた事もなかった。もしそんな事になるならばせめて少しでも……。本田が煉獄のそばに居させて欲しいと頼む為口を開こうとしたその時。
「胡蝶様」
「椎名さん、準備は出来ましたか?」
廊下を歩いてきたのは椎名だった。蝶屋敷の少女達が着ている白い衣服を身にまとい顔の半分以上をマスクで隠し、髪の毛も頭巾のようなもので覆っている。まるで白い隠のような出立ちを上から下まで見聞すると胡蝶がしっかりと頷いた。
「椎名さんには以前から救護に関して学んできて貰いました。それにアオイから今回の煉獄さんに必要な処置も聞いてもらいましたね?」
「はい」
二人のやりとりに本田は目を見開いた。まさか……と心臓が縮み上がる。
「煉獄さんの命を託します。椎名さん、宜しくお願いしますね」
「承りました」
力強い椎名の返事に本田の総身から力が抜けていった。煉獄の命を託すと言われて、自分だったらこんな冷静では居られない。そこに椎名の柱の婚約者としての覚悟を見た。
「では必要なものがあればいつでも声をかけてください」
「ありがとうございます胡蝶様」
椎名が病室の中へと入っていき、その扉が本田の目の前でパタリと閉められた。
隠の本田は蝶屋敷へと飛び込んだ。本来は刀鍛冶の里に常中していなければならないのだが、たまたま隊士を送り届ける任務のために帝都まで来ていたのだ。
そして隠の休憩所で聞いた話に本田は矢も盾もたまらず蝶屋敷に飛び込んだのだ。
炎柱・煉獄杏寿郎が上弦の弐と格闘の末、瀕死の重傷を負いながらもこれを撃退。下弦の鬼を討伐した一般隊士三名と無限列車の乗客二百名を守り抜いたと言うのだ。幼い少女達の静止を振り切り病室に駆け込むと、煉獄は体中に包帯を巻かれ複数の点滴が天井からぶら下がっていた。
「え、炎柱……」
ピクリとも動かない煉獄のあまりの姿に立ち尽くしていた本田がよろりと一歩踏み出した。
「近づいてはいけませんよ」
「……む、蟲柱」
かけられた冷静な声に本田が後ろを振り返った。胡蝶が厳しい顔をして入り口に立っている。滂沱の涙を流しながら本田がその場に崩れ落ちた。
「蟲柱……え、炎柱は」
「何を泣いているのです。立ちなさい。ここには入らないようキヨ達に言われたでしょう。貴女は自分の一時の感情で煉獄さんを殺したいのですか?」
「こ……そ、ん……え、炎柱は」
ベッドに横たわっている煉獄はひっそりとしていて呼吸さえ今にも消えそうだ。胡蝶はキヨ、スミ、ナホに指示をして震える本田を部屋から追い出した。
「煉獄さんは生きています。とは言え危険な状態なのに変わりはありませんが……今はとにかく煉獄さんの生命力に期待するだけです」
「…………っ」
ぶるぶると震える手を本田は必死で抑えた。このまま煉獄が居なくなってしまうなど耐えられない。煉獄が死ぬかも知れないなど考えた事もなかった。もしそんな事になるならばせめて少しでも……。本田が煉獄のそばに居させて欲しいと頼む為口を開こうとしたその時。
「胡蝶様」
「椎名さん、準備は出来ましたか?」
廊下を歩いてきたのは椎名だった。蝶屋敷の少女達が着ている白い衣服を身にまとい顔の半分以上をマスクで隠し、髪の毛も頭巾のようなもので覆っている。まるで白い隠のような出立ちを上から下まで見聞すると胡蝶がしっかりと頷いた。
「椎名さんには以前から救護に関して学んできて貰いました。それにアオイから今回の煉獄さんに必要な処置も聞いてもらいましたね?」
「はい」
二人のやりとりに本田は目を見開いた。まさか……と心臓が縮み上がる。
「煉獄さんの命を託します。椎名さん、宜しくお願いしますね」
「承りました」
力強い椎名の返事に本田の総身から力が抜けていった。煉獄の命を託すと言われて、自分だったらこんな冷静では居られない。そこに椎名の柱の婚約者としての覚悟を見た。
「では必要なものがあればいつでも声をかけてください」
「ありがとうございます胡蝶様」
椎名が病室の中へと入っていき、その扉が本田の目の前でパタリと閉められた。