第一部
夢小説設定
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「炎柱様っ」
「全員負傷者を連れて下がれ!」
廃村の蔵の前で煉獄と雅人は鬼と対峙していた。怪我をした隊士に対応する煉獄に先んじて雅人が鬼に斬りかかる。
「来るんじゃねぇ!」
鬼が手をかざすと雅人の足元に無数の棘が飛び出す。それを避けるように大周りする雅人を棘が追い越し鬼との間に大きな壁を作った。
「ちっ」
深追い出来ず雅人が下がる。煉獄が日輪刀を抜くと雅人に並んだ。
「行くぞ雅人!」
言うが早いか煉獄が鬼へと突っ込む。廃屋の壁から突き出してきた棘を刀で薙ぎ払うと煉獄が鬼に肉薄した。
ーー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ーー
「あぁぁぁぁっ!!」
首を守ろうとかざした腕に無数の棘が生えて日輪刀の軌道を変える。ガキン!と地面にぶつかった日輪刀が硬い音を立てた。
「ざまぁみ…」
煉獄の脇から飛び出した雅人が刀を振るう。地面から飛び出した棘に腕を上へとはね上げられた。煉獄がすかさず全ての棘を斬り落とす。
「来るな来るなぁっ!!」
全身から放射状に棘を生やす鬼に二人はそれぞれに飛び退った。
「キリがないね」
鬼は血気術で身を守る事に重きを置いている。消耗戦になれば人間の方がどうしても不利だ。しかし煉獄は余裕の笑みを浮かべた。
「なに!俺と君がいるのだ!何とかなる!!」
その台詞にキョトンとした雅人だったが、すぐにニヤリとした。
「炎柱様は人使いがアライナー」
「棒読みになるとは酷いな!」
刀を構えなおすと鬼と向かい合う。雅人は腰の小太刀も抜き二刀流の構えとなった。
「行くぞ!!」
煉獄が一瞬で鬼の懐に飛び込むと棘を薙ぎ払う。失った分を補うように飛び出してくる棘に雅人の刀が翻った。煉獄の刀が鬼の左腕を斬り払い雅人の頭すれすれを行き過ぎる。雅人の刀は煉獄の目前まで迫った棘を斬り伏せた。
「スゲェ…」
怪我をした隊士が呆然と呟く。目に映らぬ速さで互いの刃が当たらないよう鬼の棘を斬り続ける煉獄と雅人に言葉が出ない。
「う…あぁぁぁぁぁっ!!」
叫び声共に棘が鋭く細く長く突き出てくる。雅人は煉獄に面した棘を一刀に伏すと、長刀から手を放し自身に伸びてくる棘を拳で殴った。鬼が体制を崩したのを見逃さず煉獄が首を狙う。
ーー炎の呼吸 参ノ型 気炎万象ーー
「ひぃっ」
炎の斬撃から逃れようと鬼が身を捩る。炎に包まれる視界の半分を夜の闇が覆った。
「………」
口元に笑みを浮かべた雅人の小太刀が首に迫る。二人の刀に同時に首を斬られパァン!と弾けるような音と共に鬼の首は高く宙を飛んだ。刀を収めた二人はニッと笑いあうとハイタッチをする。隊士達からワッと歓声が上がった。
「やはりせめて甲まで上がってこないか?雅人!」
「絶対嫌だ」
「やはり駄目か!」
はっはっは!と笑い声を上げた煉獄だったが、ぎょっと目を見開くと雅人の腕をとった。
「傷を負ったのか!」
「あれ、気付かなかったな」
手首から肘に向かって隊服が裂け、血が滴っている。煉獄は事後処理にやってきた隠を呼んだ。
「手当を頼む!」
「自分でやるよ。包帯ちょうだい」
「馬鹿者!きちんと手当てして貰うんだ!」
スコン!と綺麗に脳天に入った手刀に雅人がうずくまる。呼ばれた隠がオロオロした。
「あ、あの…」
「手当を頼む!」
「かしこまりました」
嫌そうに顔を歪める雅人におっかなびっくり傷の手当てを進める。きっちり巻かれた包帯に雅人が肩をすくめた。
「大した傷じゃないのに大袈裟だよ」
「きちんと手当しておかなければ、刀を握れなくなって困るのは君だぞ!!」
「………」
それは嫌だ。ようやく黙った雅人の肩を叩くと煉獄がニッコリと笑った。
「さぁ!帰って報告書を書くとしよう!勿論君も書くんだぞ雅人!!」
「えー?杏寿郎が連名で書いてくれれば良いじゃないか」
面倒臭がる雅人に煉獄の額にちょっぴり青筋が浮かんだ。
「報告書はきちんと書く約束だろう!」
「そうだったね」
肩をすくめて煉獄に並び歩いていく雅人を見送ると、隠は手当てに使った手拭いや包帯を片付けるのだった。
「全員負傷者を連れて下がれ!」
廃村の蔵の前で煉獄と雅人は鬼と対峙していた。怪我をした隊士に対応する煉獄に先んじて雅人が鬼に斬りかかる。
「来るんじゃねぇ!」
鬼が手をかざすと雅人の足元に無数の棘が飛び出す。それを避けるように大周りする雅人を棘が追い越し鬼との間に大きな壁を作った。
「ちっ」
深追い出来ず雅人が下がる。煉獄が日輪刀を抜くと雅人に並んだ。
「行くぞ雅人!」
言うが早いか煉獄が鬼へと突っ込む。廃屋の壁から突き出してきた棘を刀で薙ぎ払うと煉獄が鬼に肉薄した。
ーー炎の呼吸 壱ノ型 不知火ーー
「あぁぁぁぁっ!!」
首を守ろうとかざした腕に無数の棘が生えて日輪刀の軌道を変える。ガキン!と地面にぶつかった日輪刀が硬い音を立てた。
「ざまぁみ…」
煉獄の脇から飛び出した雅人が刀を振るう。地面から飛び出した棘に腕を上へとはね上げられた。煉獄がすかさず全ての棘を斬り落とす。
「来るな来るなぁっ!!」
全身から放射状に棘を生やす鬼に二人はそれぞれに飛び退った。
「キリがないね」
鬼は血気術で身を守る事に重きを置いている。消耗戦になれば人間の方がどうしても不利だ。しかし煉獄は余裕の笑みを浮かべた。
「なに!俺と君がいるのだ!何とかなる!!」
その台詞にキョトンとした雅人だったが、すぐにニヤリとした。
「炎柱様は人使いがアライナー」
「棒読みになるとは酷いな!」
刀を構えなおすと鬼と向かい合う。雅人は腰の小太刀も抜き二刀流の構えとなった。
「行くぞ!!」
煉獄が一瞬で鬼の懐に飛び込むと棘を薙ぎ払う。失った分を補うように飛び出してくる棘に雅人の刀が翻った。煉獄の刀が鬼の左腕を斬り払い雅人の頭すれすれを行き過ぎる。雅人の刀は煉獄の目前まで迫った棘を斬り伏せた。
「スゲェ…」
怪我をした隊士が呆然と呟く。目に映らぬ速さで互いの刃が当たらないよう鬼の棘を斬り続ける煉獄と雅人に言葉が出ない。
「う…あぁぁぁぁぁっ!!」
叫び声共に棘が鋭く細く長く突き出てくる。雅人は煉獄に面した棘を一刀に伏すと、長刀から手を放し自身に伸びてくる棘を拳で殴った。鬼が体制を崩したのを見逃さず煉獄が首を狙う。
ーー炎の呼吸 参ノ型 気炎万象ーー
「ひぃっ」
炎の斬撃から逃れようと鬼が身を捩る。炎に包まれる視界の半分を夜の闇が覆った。
「………」
口元に笑みを浮かべた雅人の小太刀が首に迫る。二人の刀に同時に首を斬られパァン!と弾けるような音と共に鬼の首は高く宙を飛んだ。刀を収めた二人はニッと笑いあうとハイタッチをする。隊士達からワッと歓声が上がった。
「やはりせめて甲まで上がってこないか?雅人!」
「絶対嫌だ」
「やはり駄目か!」
はっはっは!と笑い声を上げた煉獄だったが、ぎょっと目を見開くと雅人の腕をとった。
「傷を負ったのか!」
「あれ、気付かなかったな」
手首から肘に向かって隊服が裂け、血が滴っている。煉獄は事後処理にやってきた隠を呼んだ。
「手当を頼む!」
「自分でやるよ。包帯ちょうだい」
「馬鹿者!きちんと手当てして貰うんだ!」
スコン!と綺麗に脳天に入った手刀に雅人がうずくまる。呼ばれた隠がオロオロした。
「あ、あの…」
「手当を頼む!」
「かしこまりました」
嫌そうに顔を歪める雅人におっかなびっくり傷の手当てを進める。きっちり巻かれた包帯に雅人が肩をすくめた。
「大した傷じゃないのに大袈裟だよ」
「きちんと手当しておかなければ、刀を握れなくなって困るのは君だぞ!!」
「………」
それは嫌だ。ようやく黙った雅人の肩を叩くと煉獄がニッコリと笑った。
「さぁ!帰って報告書を書くとしよう!勿論君も書くんだぞ雅人!!」
「えー?杏寿郎が連名で書いてくれれば良いじゃないか」
面倒臭がる雅人に煉獄の額にちょっぴり青筋が浮かんだ。
「報告書はきちんと書く約束だろう!」
「そうだったね」
肩をすくめて煉獄に並び歩いていく雅人を見送ると、隠は手当てに使った手拭いや包帯を片付けるのだった。