第一部
夢小説設定
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「千寿郎」
門の前を箒ではいていた千寿郎は名を呼ばれ顔を上げた。隊服姿の雅人がひらりと手を振る。千寿郎がパッと笑顔になった。
「雅人さん!お久しぶりです」
「や、元気そうだね」
手に持っていたお土産を千寿郎に渡すと敷地の中を覗き込む。
「杏寿郎はいる?」
「はい。今食事を取られています。どうぞ」
「ありがと」
千寿郎の先導で庭から家へと上がる。通された部屋では煉獄が食事をしていた。
「久しぶりだな雅人!傷はもういいのか?」
「怪我したの知ってるなら見舞いにぐらいきてくれても良いんじゃない?」
雅人は口を尖らせると煉獄の正面に胡座をかいて座った。味噌汁を口に運んでいた煉獄が快活に笑う。
「君の事だ!藤の家で世話になるよりと蝶屋敷まで足を運んだのだろう?それだけ元気があるなら大丈夫だ!!」
「まぁ、そうだけど」
むすっとした雅人は庭の方へと視線をやった。夏の盛りの煉獄家の庭は手入れが行き届いていて気持ちが良い。
「それで、どうした?」
「んー?」
お新香を箸で掴むと煉獄は雅人へ視線をやった。膝の上で片肘をついた雅人がぼんやりとした返事を返す。
「何か理由があるから来たんだろう?」
「いやー?」
「そうなのか?」
「そうだよ」
予想が外れて煉獄は目を丸くした。雅人が理由もなく煉獄家を訪れるなんて明日は雪かと不安になる。そんな煉獄を横目で見ると雅人はニヤリと笑った。
「そんなに理由が欲しいならそうだなぁ…僕も千寿郎のご飯が食べたいな」
「取ってつけたような理由だな!」
そのタイミングで千寿郎がひょっこりと顔を出した。手には食事の乗った御膳を持っている。
「良かった。兄上だけが食事をされているのも気詰まりかとご用意したんです。召し上がってください」
「杏寿郎、千寿郎がお嫁に欲しい」
「張り倒すぞ!雅人!!」
額に青筋を浮かべる煉獄に笑うと雅人はお膳に手をつけた。パリッと焼けた鯵が美味しい。
「千寿郎は本当に器用だよね。僕には真似出来そうにないな」
「君は非常食を煮溶かす男だ!無用な努力はするな!!」
「ヒドーイ」
棒読みで抗議する雅人に千寿郎が笑う。表情を緩めた煉獄と雅人だったが、その時二人の鎹鴉が塀に舞い降りた。
「任務!任務ーッ!!」
「杏寿郎ト雅人ハ東へ向カエ!」
「共ニ向カエ!!」
「隊士三名ガ負傷!」
同時に箸を置くと刀を持って立ち上がる。羽織を抱えてきた千寿郎の肩を煉獄が叩いた。
「留守を頼んだぞ!千寿郎!」
「お気をつけて兄上、雅人さん」
「行ってきます」
千寿郎に見送られ煉獄と雅人は任務に赴くのだった。
門の前を箒ではいていた千寿郎は名を呼ばれ顔を上げた。隊服姿の雅人がひらりと手を振る。千寿郎がパッと笑顔になった。
「雅人さん!お久しぶりです」
「や、元気そうだね」
手に持っていたお土産を千寿郎に渡すと敷地の中を覗き込む。
「杏寿郎はいる?」
「はい。今食事を取られています。どうぞ」
「ありがと」
千寿郎の先導で庭から家へと上がる。通された部屋では煉獄が食事をしていた。
「久しぶりだな雅人!傷はもういいのか?」
「怪我したの知ってるなら見舞いにぐらいきてくれても良いんじゃない?」
雅人は口を尖らせると煉獄の正面に胡座をかいて座った。味噌汁を口に運んでいた煉獄が快活に笑う。
「君の事だ!藤の家で世話になるよりと蝶屋敷まで足を運んだのだろう?それだけ元気があるなら大丈夫だ!!」
「まぁ、そうだけど」
むすっとした雅人は庭の方へと視線をやった。夏の盛りの煉獄家の庭は手入れが行き届いていて気持ちが良い。
「それで、どうした?」
「んー?」
お新香を箸で掴むと煉獄は雅人へ視線をやった。膝の上で片肘をついた雅人がぼんやりとした返事を返す。
「何か理由があるから来たんだろう?」
「いやー?」
「そうなのか?」
「そうだよ」
予想が外れて煉獄は目を丸くした。雅人が理由もなく煉獄家を訪れるなんて明日は雪かと不安になる。そんな煉獄を横目で見ると雅人はニヤリと笑った。
「そんなに理由が欲しいならそうだなぁ…僕も千寿郎のご飯が食べたいな」
「取ってつけたような理由だな!」
そのタイミングで千寿郎がひょっこりと顔を出した。手には食事の乗った御膳を持っている。
「良かった。兄上だけが食事をされているのも気詰まりかとご用意したんです。召し上がってください」
「杏寿郎、千寿郎がお嫁に欲しい」
「張り倒すぞ!雅人!!」
額に青筋を浮かべる煉獄に笑うと雅人はお膳に手をつけた。パリッと焼けた鯵が美味しい。
「千寿郎は本当に器用だよね。僕には真似出来そうにないな」
「君は非常食を煮溶かす男だ!無用な努力はするな!!」
「ヒドーイ」
棒読みで抗議する雅人に千寿郎が笑う。表情を緩めた煉獄と雅人だったが、その時二人の鎹鴉が塀に舞い降りた。
「任務!任務ーッ!!」
「杏寿郎ト雅人ハ東へ向カエ!」
「共ニ向カエ!!」
「隊士三名ガ負傷!」
同時に箸を置くと刀を持って立ち上がる。羽織を抱えてきた千寿郎の肩を煉獄が叩いた。
「留守を頼んだぞ!千寿郎!」
「お気をつけて兄上、雅人さん」
「行ってきます」
千寿郎に見送られ煉獄と雅人は任務に赴くのだった。