第一部
夢小説設定
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「雅人さん!」
「寝てなきゃ駄目です!」
「酷い怪我なんですよ!?」
「………」
意外と深かった脇腹の傷の所為で雅人は蝶屋敷で入院生活を送っていた。少し歩こうと立ち上がった所をきよ、すみ、なほに見つかり泣きつかれる。雅人は困った顔で頬をかいた。
「散歩するだけだよ?」
「せめて傷が塞がってからにしてください!」
「体鈍っちゃうよー?」
「機能回復訓練があるから大丈夫です!」
「お外が恋しいなー」
「窓から外は見えます!」
ああ言えばこう言う。雅人は可笑しくなってクスリと笑った。ベッドに腰掛けると三人の頭を撫でる。
「わかったよ。大人しく言うことを聞きます」
「約束ですよ?」
「お薬もちゃんと飲んでくださいね」
「もうちょっとの我慢ですよ」
「うん」
雅人が頷くと三人はパァッと笑顔になって去っていった。出来ることが無くなってしまった雅人がベッドに横になる。そこに胡蝶が入ってきた。
「こんにちは相生さん。相変わらずすみ達と仲良しですね」
「どうも」
雅人は横になったままでニヤリと笑って見せた。柱に対して不敬なのだろうが雅人にはどうでも良い。胡蝶も気にしていないようで、一枚の紙切れを差し出した。
「相生さんの隊服の中に入っていました。大事なものだったらいけないのでお返ししておきますね」
「?」
首を傾げて受け取ると中身を確認する。それは街中で出会ったあの有閑マダムの住所だった。
「あぁ」
すっかり忘れていた。横の小机に無造作にメモを置く雅人に胡蝶が尋ねる。
「その住所、大きな任侠団体のある所ですね。相生さんが何をしていようと私には関係のない話ですが、鬼殺隊に迷惑がかかるような事はやめて下さいね」
「はいはい」
雅人からすれば任侠団体も鬼殺隊も似たような物だが、わざわざ胡蝶の忍耐強さを試すつもりはない。雅人は適当な返事を返すと横目に胡蝶を見た。
「奥さんが遊んでくれるって言うから行ってみようかと思ってたんだけど、胡蝶さんが遊んでくれるんなら止めようかな」
「いくらでも行けばいいと思いますよー」
なんなら帰ってこなくてもいい。そんな本音が透け透けで雅人はクツクツと笑った。たった今すみ達に大人しくしていると約束したばかりなので行くつもりはない。
「早く治らないかなー。つまらないなー」
目を閉じる雅人に胡蝶はため息をつくのだった。
「寝てなきゃ駄目です!」
「酷い怪我なんですよ!?」
「………」
意外と深かった脇腹の傷の所為で雅人は蝶屋敷で入院生活を送っていた。少し歩こうと立ち上がった所をきよ、すみ、なほに見つかり泣きつかれる。雅人は困った顔で頬をかいた。
「散歩するだけだよ?」
「せめて傷が塞がってからにしてください!」
「体鈍っちゃうよー?」
「機能回復訓練があるから大丈夫です!」
「お外が恋しいなー」
「窓から外は見えます!」
ああ言えばこう言う。雅人は可笑しくなってクスリと笑った。ベッドに腰掛けると三人の頭を撫でる。
「わかったよ。大人しく言うことを聞きます」
「約束ですよ?」
「お薬もちゃんと飲んでくださいね」
「もうちょっとの我慢ですよ」
「うん」
雅人が頷くと三人はパァッと笑顔になって去っていった。出来ることが無くなってしまった雅人がベッドに横になる。そこに胡蝶が入ってきた。
「こんにちは相生さん。相変わらずすみ達と仲良しですね」
「どうも」
雅人は横になったままでニヤリと笑って見せた。柱に対して不敬なのだろうが雅人にはどうでも良い。胡蝶も気にしていないようで、一枚の紙切れを差し出した。
「相生さんの隊服の中に入っていました。大事なものだったらいけないのでお返ししておきますね」
「?」
首を傾げて受け取ると中身を確認する。それは街中で出会ったあの有閑マダムの住所だった。
「あぁ」
すっかり忘れていた。横の小机に無造作にメモを置く雅人に胡蝶が尋ねる。
「その住所、大きな任侠団体のある所ですね。相生さんが何をしていようと私には関係のない話ですが、鬼殺隊に迷惑がかかるような事はやめて下さいね」
「はいはい」
雅人からすれば任侠団体も鬼殺隊も似たような物だが、わざわざ胡蝶の忍耐強さを試すつもりはない。雅人は適当な返事を返すと横目に胡蝶を見た。
「奥さんが遊んでくれるって言うから行ってみようかと思ってたんだけど、胡蝶さんが遊んでくれるんなら止めようかな」
「いくらでも行けばいいと思いますよー」
なんなら帰ってこなくてもいい。そんな本音が透け透けで雅人はクツクツと笑った。たった今すみ達に大人しくしていると約束したばかりなので行くつもりはない。
「早く治らないかなー。つまらないなー」
目を閉じる雅人に胡蝶はため息をつくのだった。