第二部
夢小説設定
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「………」
雅人はパチリと目を開けた。何もない暗闇の中でも見える自分の手をぼんやり見つめる。
(あぁ、死んだのか)
冷静にそう結論づける。立ち上がっても体に痛みはなく隊服に乱れはない。ヒタリと足首を何かに掴まれた気がして雅人は振り返った。
「…なんだい?ここは地獄ってやつなのかな。こんなお出迎えは嬉しくないね」
雅人の足元にわだかまっていたのは鬼殺隊に入る前に踏みつけられ、また踏み付けにしてきた者たちだった。恨みがましく睨め上げられため息のような笑いが漏れる。
(碌な生き方をしてこなかった自覚はあるしね。これが報いなのかな)
雅人は足を引かれるままに更に暗い方へ向かって歩き出そうとした。
「お兄ちゃん」
「………」
懐かしい声に雅人の足が止まった。振り返れば明るい場所に妹が両手を広げ立っている。
「お帰りなさいお兄ちゃん」
「………」
声が出せず雅人は口の動きだけで妹の名を呼んだ。妹が不思議そうに首を傾げる。
「ただいまは?」
「………」
明るい方に向かいかけて雅人は自分の足元を見た。こんな醜いものを妹のいる場所へ連れてはいけない。再び暗い方へと視線を向けた雅人に妹は怒った声を出した。
「帰ってきたのに!折角戻ってきたのに!!どうしてこっちに来てくれないの!お、お兄ちゃん…私が嫌いになった?」
「違う!」
大切だから、何より大事だから汚いものを近付けたくない。しかしそんな雅人の想いとは裏腹に妹は暗い方へと足を踏み出した。
「じゃあ私もそっちに行く!もうお兄ちゃんと離れ離れは嫌だもん!!」
「ばっ…」
雅人は足元のものを振り払うと妹へ駆け寄り抱き上げた。次の瞬間、明るい光が差して隊服と共に暗闇が霧散する。袴姿になった雅人は呆然と妹を見た。妹が嬉しそうに笑う。
「お帰りなさいお兄ちゃん」
「………た、ただいま…っ、ただいまっ!」
目から溢れ出るものに構わず妹を抱き締めるとその上から更に抱き締められる。雅人が顔を上げればそこには両親が微笑んでいた。
「お帰りなさい雅人」
「よく頑張ったな」
「…うん」
雅人は家族と笑い合いながら、共に光りの中へと歩んで行った。
雅人はパチリと目を開けた。何もない暗闇の中でも見える自分の手をぼんやり見つめる。
(あぁ、死んだのか)
冷静にそう結論づける。立ち上がっても体に痛みはなく隊服に乱れはない。ヒタリと足首を何かに掴まれた気がして雅人は振り返った。
「…なんだい?ここは地獄ってやつなのかな。こんなお出迎えは嬉しくないね」
雅人の足元にわだかまっていたのは鬼殺隊に入る前に踏みつけられ、また踏み付けにしてきた者たちだった。恨みがましく睨め上げられため息のような笑いが漏れる。
(碌な生き方をしてこなかった自覚はあるしね。これが報いなのかな)
雅人は足を引かれるままに更に暗い方へ向かって歩き出そうとした。
「お兄ちゃん」
「………」
懐かしい声に雅人の足が止まった。振り返れば明るい場所に妹が両手を広げ立っている。
「お帰りなさいお兄ちゃん」
「………」
声が出せず雅人は口の動きだけで妹の名を呼んだ。妹が不思議そうに首を傾げる。
「ただいまは?」
「………」
明るい方に向かいかけて雅人は自分の足元を見た。こんな醜いものを妹のいる場所へ連れてはいけない。再び暗い方へと視線を向けた雅人に妹は怒った声を出した。
「帰ってきたのに!折角戻ってきたのに!!どうしてこっちに来てくれないの!お、お兄ちゃん…私が嫌いになった?」
「違う!」
大切だから、何より大事だから汚いものを近付けたくない。しかしそんな雅人の想いとは裏腹に妹は暗い方へと足を踏み出した。
「じゃあ私もそっちに行く!もうお兄ちゃんと離れ離れは嫌だもん!!」
「ばっ…」
雅人は足元のものを振り払うと妹へ駆け寄り抱き上げた。次の瞬間、明るい光が差して隊服と共に暗闇が霧散する。袴姿になった雅人は呆然と妹を見た。妹が嬉しそうに笑う。
「お帰りなさいお兄ちゃん」
「………た、ただいま…っ、ただいまっ!」
目から溢れ出るものに構わず妹を抱き締めるとその上から更に抱き締められる。雅人が顔を上げればそこには両親が微笑んでいた。
「お帰りなさい雅人」
「よく頑張ったな」
「…うん」
雅人は家族と笑い合いながら、共に光りの中へと歩んで行った。