第二部
夢小説設定
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黒死牟に腕を落とされた時透は素早く腕を縛り上げた。
(これぐらい…!)
ーー霞の呼吸 移流斬り…
技を出そうとした瞬間刀を取られ…。
ーー夜の呼吸 肆ノ型 東雲ーー
時透の肩に突き刺さろうとしていた刀は黒死牟の腕ごと雅人に斬り飛ばされた。
ーー夜の呼吸 弍ノ型 白夜ーー
閃く無数の斬撃に黒死牟は一度後ろに下がった。後ろに落ちた刀に時透が駆け寄る。
「相生さん」
「止血しなよ」
「夜の呼吸…派生の呼吸か。それで私の腕を落とすとは…」
ギュッと音を立てて黒死牟の腕が再生した。雅人が刀を構えたまま口角を上げる。
「上弦の壱とは大当たりだね」
「…戦いを求めるか。ではお前も我が末裔と共に鬼としてあの方に使って頂くこととしよう」
「言っただろ。何百年経ったと思ってるんだ。俺の中にお前の血や細胞なんか一欠片も残ってない」
「………ふぅん」
雅人の声にざらりとした怒りが混じった。時透が驚いて雅人を見やるが後ろからでは表情が窺えない。雅人の顔には変わらず笑みが浮かんでいた。
「末裔って事は家族がいたんだね。捨てられて絶望して鬼になった?それとも家族に嫌気がさして自分で捨てた?どっちにしても褒められた事じゃないねぇ」
「…些事に拘るとは未熟な。その素晴らしき技が泣こうというもの」
「素晴らしい?それは嬉しいね。でも手段を目的にするのは僕好きじゃないんだ」
ーー夜の呼吸 壱ノ型 宵闇ーー
ーー月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮ーー
腕や足に黒死牟の斬撃が掠り、雅人は時透から離れるように横に走った。黒死牟が鞘に納めた刀の柄に手をかけたまま迫る。
ーー月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映えーー
ーー夜の呼吸 伍ノ型 明鳥(あけのとり)ーー
「ぐぁっ!」
「相生さん!」
土煙が上がりおさまった頃に時透が見たのは千切れかけた右腕をぶら下げる雅人の姿だった。今にも落ちそうな腕はそれでも刀を離さず、口元の笑みも消えてはいない。
「ふむ…気迫は見事だ。だが片腕では致し方あるまい」
「………」
雅人は大きく息を吐いて呼吸を整えると右腕が握っていた刀を左手で外した。何をするつもりか見守る黒死牟の前で僅かに繋がっていた腕を切り落とす。
「!?」
「なっ…!」
「欲しいならあげるよ。たった今、僕にはいらないものになったからさ」
ドンドン!雅人の奇行に全員の意識が持っていかれた瞬間、玄弥の南蛮銃が火を吹いた。瞬きの間に黒死牟が玄弥の両腕を斬り落とす。時透と雅人が同時に走ったが、玄弥は胴を両断され首を狙われる。
(間に合え!)
ーー夜の呼吸 肆ノ型 東雲ーー
ーー霞の呼吸 伍ノ型 霞雲の海ーー
黒死牟の斬撃が玄弥の首を捕らえようとした時、ヒュオォと言う呼吸音と共に風の刃が黒死牟を襲った。
ーー風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵嵐ーー
後ろへ下がった黒死牟を追って雅人が走る。
ーー夜の呼吸 弍ノ型 白夜ーー
ーー月の呼吸 伍ノ型 月魄災渦ーー
振り無しで飛んでくる斬撃を身を捻るとかわす。脇腹を抉られ雅人は後ろに吹き飛んだ。
「よくも俺の弟を刻みやがったなぁ!糞目玉野郎ォオ!!」
不死川が黒死牟に向かい突き進んでいく。黒死牟と互角の戦いを繰り広げる不死川を他所に時透が雅人に駆け寄った。
「相生さん!」
「僕はいい…それより、玄弥だ」
必死で呼吸を整え出血を止める。雅人は長刀を手に何とか立ち上がった。時透が玄弥に駆け寄る。
「胴体を強く押しつけてもらえるか?あそこに落ちてる上弦の髪を取ってきて食わせて欲しい…最後まで…戦いたいんだ…」
「…わかった。一緒に最後まで戦おう」
そう返事をした時透と玄弥の前に上弦の髪と折れた刃が落ちた。雅人が肩で息をしながら膝をつく。
「相生さん」
「やぁ、お互い酷い様だね」
新たに参戦した悲鳴嶼と不死川の方を一度見ると雅人が時透と玄弥に笑いかける。
「さて、この死に損ないの提案に乗ってもらえるかな?」
(これぐらい…!)
ーー霞の呼吸 移流斬り…
技を出そうとした瞬間刀を取られ…。
ーー夜の呼吸 肆ノ型 東雲ーー
時透の肩に突き刺さろうとしていた刀は黒死牟の腕ごと雅人に斬り飛ばされた。
ーー夜の呼吸 弍ノ型 白夜ーー
閃く無数の斬撃に黒死牟は一度後ろに下がった。後ろに落ちた刀に時透が駆け寄る。
「相生さん」
「止血しなよ」
「夜の呼吸…派生の呼吸か。それで私の腕を落とすとは…」
ギュッと音を立てて黒死牟の腕が再生した。雅人が刀を構えたまま口角を上げる。
「上弦の壱とは大当たりだね」
「…戦いを求めるか。ではお前も我が末裔と共に鬼としてあの方に使って頂くこととしよう」
「言っただろ。何百年経ったと思ってるんだ。俺の中にお前の血や細胞なんか一欠片も残ってない」
「………ふぅん」
雅人の声にざらりとした怒りが混じった。時透が驚いて雅人を見やるが後ろからでは表情が窺えない。雅人の顔には変わらず笑みが浮かんでいた。
「末裔って事は家族がいたんだね。捨てられて絶望して鬼になった?それとも家族に嫌気がさして自分で捨てた?どっちにしても褒められた事じゃないねぇ」
「…些事に拘るとは未熟な。その素晴らしき技が泣こうというもの」
「素晴らしい?それは嬉しいね。でも手段を目的にするのは僕好きじゃないんだ」
ーー夜の呼吸 壱ノ型 宵闇ーー
ーー月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮ーー
腕や足に黒死牟の斬撃が掠り、雅人は時透から離れるように横に走った。黒死牟が鞘に納めた刀の柄に手をかけたまま迫る。
ーー月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映えーー
ーー夜の呼吸 伍ノ型 明鳥(あけのとり)ーー
「ぐぁっ!」
「相生さん!」
土煙が上がりおさまった頃に時透が見たのは千切れかけた右腕をぶら下げる雅人の姿だった。今にも落ちそうな腕はそれでも刀を離さず、口元の笑みも消えてはいない。
「ふむ…気迫は見事だ。だが片腕では致し方あるまい」
「………」
雅人は大きく息を吐いて呼吸を整えると右腕が握っていた刀を左手で外した。何をするつもりか見守る黒死牟の前で僅かに繋がっていた腕を切り落とす。
「!?」
「なっ…!」
「欲しいならあげるよ。たった今、僕にはいらないものになったからさ」
ドンドン!雅人の奇行に全員の意識が持っていかれた瞬間、玄弥の南蛮銃が火を吹いた。瞬きの間に黒死牟が玄弥の両腕を斬り落とす。時透と雅人が同時に走ったが、玄弥は胴を両断され首を狙われる。
(間に合え!)
ーー夜の呼吸 肆ノ型 東雲ーー
ーー霞の呼吸 伍ノ型 霞雲の海ーー
黒死牟の斬撃が玄弥の首を捕らえようとした時、ヒュオォと言う呼吸音と共に風の刃が黒死牟を襲った。
ーー風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵嵐ーー
後ろへ下がった黒死牟を追って雅人が走る。
ーー夜の呼吸 弍ノ型 白夜ーー
ーー月の呼吸 伍ノ型 月魄災渦ーー
振り無しで飛んでくる斬撃を身を捻るとかわす。脇腹を抉られ雅人は後ろに吹き飛んだ。
「よくも俺の弟を刻みやがったなぁ!糞目玉野郎ォオ!!」
不死川が黒死牟に向かい突き進んでいく。黒死牟と互角の戦いを繰り広げる不死川を他所に時透が雅人に駆け寄った。
「相生さん!」
「僕はいい…それより、玄弥だ」
必死で呼吸を整え出血を止める。雅人は長刀を手に何とか立ち上がった。時透が玄弥に駆け寄る。
「胴体を強く押しつけてもらえるか?あそこに落ちてる上弦の髪を取ってきて食わせて欲しい…最後まで…戦いたいんだ…」
「…わかった。一緒に最後まで戦おう」
そう返事をした時透と玄弥の前に上弦の髪と折れた刃が落ちた。雅人が肩で息をしながら膝をつく。
「相生さん」
「やぁ、お互い酷い様だね」
新たに参戦した悲鳴嶼と不死川の方を一度見ると雅人が時透と玄弥に笑いかける。
「さて、この死に損ないの提案に乗ってもらえるかな?」