第二部
夢小説設定
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「それで日輪刀を置いてきたのか!」
事の顛末を聞いた煉獄は呆れた笑みを浮かべていた。拗ねてしまった雅人がそっぽを向く。
「仕方ないだろ。土下座したまま僕の日輪刀を掴んで離さないんだよ?これまで鉄乃条にされた事の中で断トツの嫌がらせだったよ」
「しかしより良く打ち直してくれると言うのだから結構な事だ!!」
鉄乃条は雅人の刀の打ち直しを願い出ていた。雅人の戦いを直に目にして思うところがあったらしい。早く鬼殺に戻りたかった雅人としては刀は直ったばかりで必要のない事だったが、最後には重傷の鉄珍まで来て頭を下げたものだから断れなくなってしまったのだ。
「刀が戻ってくるまで任務はなし。どうしてくれるのこの暇な時間」
「ならば俺と酒でも飲み交わそう!」
煉獄の意外な申し出に雅人は目を丸くした。食事は共にしたことはあるが酒を飲んだことは無い。と言うか煉獄は父親を反面教師に酒を飲まないと思っていた。
「…そう言えば君の父親って君と勝手に喧嘩して、この前一方的に仲直りしてきたんだっけ?」
「君は相変わらず俺の父上に興味の欠片も無いな!」
言っていることは間違ってない気がするが、いかんせん身も蓋も無い。肩をすくめる雅人を他所に煉獄は千寿郎に声をかけるとあっという間に酒とつまみを用意した。
「手回し良くない?」
「まぁ、そう言うな!」
快活に笑う煉獄が実に楽しげで雅人はそれ以上の言及はせず盃を手に取った。他愛のない話をしながら時間を気にせずのんびり杯を重ねる。
「雅人は鬼のいない世界になったら何がしたい?」
ふと煉獄に尋ねられ雅人は盃を持つ手を止めた。たらればにも考えたことも無かった事に首を傾げる。
「想像がつかないな…多分適当な荒事に首を突っ込んでいるかもしれないね。そう言う杏寿郎は?」
「俺は…そうだな!妻を娶り煉獄家を繋いで行く!!」
あまりにらし過ぎる煉獄の言葉に雅人は声を上げて笑った。真夏の太陽の如きこの友人は生き方もその日差しのように真っ直ぐだ。
「じゃあ子供が出来たら僕に名前をつけさせてよ。楽しみだなぁ」
「君が名付け親になるのか!?ちゃんとした名前を付けられるんだろうな?」
「寿郎が付けば良いんだろう?簡単だよ」
「待て待て!人の子供の名前に簡単とか言うな!!」
ワシワシと頭をかき混ぜてくる煉獄に笑いが止まらない。ようやく笑いの収まった雅人がポツリと呟いた。
「家族の墓を建てようと思う」
「…そうか」
初めて聞く雅人の家族の話に煉獄は静かに頷いた。雅人が片肘をつくと薄く微笑む。
「杏寿郎に僕の身の上話ってしたこと無かったよねぇ。聞く?」
「そうだな!聞かせてくれるか?俺は今まで君を不快にさせたくはないと踏み込んだことは何も聞いてこなかった!だが、それが駄目だったのだとあの時痛感した!!」
煉獄は雅人の盃に酒を注ぐと自分の分を飲み干した。雅人がそれに酒を注ぐ。
「友人だからと全て知って然るべしとは言わない!だが、辛い時には支えあいたい!俺は友とはそのようなものだと思う!!」
「僕の友人がお堅過ぎる…」
それでも悪い気はしない。雅人はほろ酔いの酒の力も借りると昔話を始めるのだった。
事の顛末を聞いた煉獄は呆れた笑みを浮かべていた。拗ねてしまった雅人がそっぽを向く。
「仕方ないだろ。土下座したまま僕の日輪刀を掴んで離さないんだよ?これまで鉄乃条にされた事の中で断トツの嫌がらせだったよ」
「しかしより良く打ち直してくれると言うのだから結構な事だ!!」
鉄乃条は雅人の刀の打ち直しを願い出ていた。雅人の戦いを直に目にして思うところがあったらしい。早く鬼殺に戻りたかった雅人としては刀は直ったばかりで必要のない事だったが、最後には重傷の鉄珍まで来て頭を下げたものだから断れなくなってしまったのだ。
「刀が戻ってくるまで任務はなし。どうしてくれるのこの暇な時間」
「ならば俺と酒でも飲み交わそう!」
煉獄の意外な申し出に雅人は目を丸くした。食事は共にしたことはあるが酒を飲んだことは無い。と言うか煉獄は父親を反面教師に酒を飲まないと思っていた。
「…そう言えば君の父親って君と勝手に喧嘩して、この前一方的に仲直りしてきたんだっけ?」
「君は相変わらず俺の父上に興味の欠片も無いな!」
言っていることは間違ってない気がするが、いかんせん身も蓋も無い。肩をすくめる雅人を他所に煉獄は千寿郎に声をかけるとあっという間に酒とつまみを用意した。
「手回し良くない?」
「まぁ、そう言うな!」
快活に笑う煉獄が実に楽しげで雅人はそれ以上の言及はせず盃を手に取った。他愛のない話をしながら時間を気にせずのんびり杯を重ねる。
「雅人は鬼のいない世界になったら何がしたい?」
ふと煉獄に尋ねられ雅人は盃を持つ手を止めた。たらればにも考えたことも無かった事に首を傾げる。
「想像がつかないな…多分適当な荒事に首を突っ込んでいるかもしれないね。そう言う杏寿郎は?」
「俺は…そうだな!妻を娶り煉獄家を繋いで行く!!」
あまりにらし過ぎる煉獄の言葉に雅人は声を上げて笑った。真夏の太陽の如きこの友人は生き方もその日差しのように真っ直ぐだ。
「じゃあ子供が出来たら僕に名前をつけさせてよ。楽しみだなぁ」
「君が名付け親になるのか!?ちゃんとした名前を付けられるんだろうな?」
「寿郎が付けば良いんだろう?簡単だよ」
「待て待て!人の子供の名前に簡単とか言うな!!」
ワシワシと頭をかき混ぜてくる煉獄に笑いが止まらない。ようやく笑いの収まった雅人がポツリと呟いた。
「家族の墓を建てようと思う」
「…そうか」
初めて聞く雅人の家族の話に煉獄は静かに頷いた。雅人が片肘をつくと薄く微笑む。
「杏寿郎に僕の身の上話ってしたこと無かったよねぇ。聞く?」
「そうだな!聞かせてくれるか?俺は今まで君を不快にさせたくはないと踏み込んだことは何も聞いてこなかった!だが、それが駄目だったのだとあの時痛感した!!」
煉獄は雅人の盃に酒を注ぐと自分の分を飲み干した。雅人がそれに酒を注ぐ。
「友人だからと全て知って然るべしとは言わない!だが、辛い時には支えあいたい!俺は友とはそのようなものだと思う!!」
「僕の友人がお堅過ぎる…」
それでも悪い気はしない。雅人はほろ酔いの酒の力も借りると昔話を始めるのだった。