第二部
夢小説設定
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「うわぁぁぁぁっ!!」
鉄乃条は抱えられるだけの刀を抱えて逃げ回っていた。上弦の鬼が放った魚なんだかよく分からない異形がそこかしこにいて、みんな混乱している。
(冗談じゃないわ!私はまだまだ沢山の刀を打つのよ!!)
頭の中にある沢山の思いつきをまだ半分も形にしていない。自分の後ろを逃げていた者がギャッと悲鳴を上げて倒れた。自分の二倍も大きな異形が爪を振り上げる。鉄乃条が刀を庇って地面に丸くなった。
「………っ!!」
ーー夜の呼吸 弍ノ型 白夜ーー
異形が斬撃に刻まれ塵となる。顔を上げた鉄乃条は雅人の後ろ姿にウオオン!と泣き声を上げた。
「助けにき…」
「相生殿!」
「怪我人を連れて退避を。急いで」
駆け寄ってきたまとめ役にそう告げると雅人が大きく跳躍する。先程よりも大きな異形に小太刀を収めると雅人は長刀を両手で握った。
ーー夜の呼吸 陸ノ型 夜天ーー
ダァン!!と大きな音を立て異形が縦に真っ二つになる。余りの威力に鉄乃条は声も出なかった。
(初めて見た…)
いつも雅人は穏やかな空気を身に纏っている男だった。多少困った顔や楽しそうな顔をすることはあっても感情を波立たせた所を見た事がない。その雅人が厳しい空気を放ち戦う姿に、鉄乃条は急に自分の打っている刀の意味を思い知って体が震えた。
(なんて恥知らずなの私は!)
鉄乃条はこれまで自分の打つ刀を隊士が使いこなせば良いと思っていた。使えないのは隊士の腕が悪いからだと。だが、そうでは無かったのだ。
(命懸けで戦う者の手助けの出来る…そんな刀を打たなければならないのに)
「おい鉄乃条!何してる!逃げるぞ!!」
やり直さなければ。刀を抱えて逃げながら鉄乃条は強く思った。
鉄乃条は抱えられるだけの刀を抱えて逃げ回っていた。上弦の鬼が放った魚なんだかよく分からない異形がそこかしこにいて、みんな混乱している。
(冗談じゃないわ!私はまだまだ沢山の刀を打つのよ!!)
頭の中にある沢山の思いつきをまだ半分も形にしていない。自分の後ろを逃げていた者がギャッと悲鳴を上げて倒れた。自分の二倍も大きな異形が爪を振り上げる。鉄乃条が刀を庇って地面に丸くなった。
「………っ!!」
ーー夜の呼吸 弍ノ型 白夜ーー
異形が斬撃に刻まれ塵となる。顔を上げた鉄乃条は雅人の後ろ姿にウオオン!と泣き声を上げた。
「助けにき…」
「相生殿!」
「怪我人を連れて退避を。急いで」
駆け寄ってきたまとめ役にそう告げると雅人が大きく跳躍する。先程よりも大きな異形に小太刀を収めると雅人は長刀を両手で握った。
ーー夜の呼吸 陸ノ型 夜天ーー
ダァン!!と大きな音を立て異形が縦に真っ二つになる。余りの威力に鉄乃条は声も出なかった。
(初めて見た…)
いつも雅人は穏やかな空気を身に纏っている男だった。多少困った顔や楽しそうな顔をすることはあっても感情を波立たせた所を見た事がない。その雅人が厳しい空気を放ち戦う姿に、鉄乃条は急に自分の打っている刀の意味を思い知って体が震えた。
(なんて恥知らずなの私は!)
鉄乃条はこれまで自分の打つ刀を隊士が使いこなせば良いと思っていた。使えないのは隊士の腕が悪いからだと。だが、そうでは無かったのだ。
(命懸けで戦う者の手助けの出来る…そんな刀を打たなければならないのに)
「おい鉄乃条!何してる!逃げるぞ!!」
やり直さなければ。刀を抱えて逃げながら鉄乃条は強く思った。