第二部
夢小説設定
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「勘弁してよ本当に…」
鉄乃条が鍛冶場に入ったと聞いた雅人は温泉に浸かっていた。食事をするにも風呂に入るにも眠るにも鉄乃条が鍛治仕事をしている隙に済まさなければならず、なかなか面倒臭い。
「頼むから早く終わって」
鉄乃条は一日の鍛治時間が極端に短い。感覚が少しでも鈍るとその日は作業を止めてしまうからだ。
(だからって里を出るわけにはいかないしな)
里の出入りは許可制な上、隠の助けが絶対必要である。鉄乃条もそれが分かっているから鍛治をしていない時間は雅人を探して里中をうろついている。
「…ところで、何か用?」
後ろで立っている人物を振り返ると雅人は尋ねた。始めはただ風呂に入りに来た隊士かと思ったが、雅人を見て立ち止まったので違うのだろう。声をかけられた玄弥はちょっと緊張した顔で口を開いた。
「アンタが相生雅人か?」
「そうだけど………んー?君、見たことある顔してるね」
とりあえず入んなよと呼びかけると玄弥は脱皮するみたいに服を脱いで湯の中に飛び込んだ。上がった飛沫が頭から降りかかって雅人が笑う。
「豪快だなぁ」
「…悪いな」
玄弥はジロリと雅人を睨むと鬼気迫る表情を見せた。眉を寄せた雅人が背中に走った悪寒にその場を離れる。
「捕まえたーっ!!」
ザッブーン!!
大きな水飛沫を上げて鉄乃条が湯の中に飛び込んできた。雅人を捕まえるはずだった腕が宙を掴む。雅人は浴衣と手拭いを引っ掴むと木の上に避難した。
「危ない危ない。まさか隊士に売られるとは思わなかったな」
「あぁん!雅人ったら!!」
浴衣を手早く身につけると帯を巻き、とりあえずの体の安全を確保する。
(普通に視姦してくるし気持ち悪いんだよね)
案の定、鉄乃条の舌打ちの音が聞こえて雅人はため息をついた。
「アンタを捕まえるのに協力したら今のよりもっと良い武器作ってくれるって約束なんだ!」
「だからってねぇ。君のお兄さんの不死川さんはそう言うの嫌がりそうだけど?」
「!」
さっき睨まれた時に気が付いた。玄弥は不死川に目がそっくりなのだ。
「兄貴は…関係ない」
グッと拳を握る玄弥に構わず雅人は頭を手拭で拭いた。
「ま、良いんじゃない?強さの求め方は人それぞれだし?」
自分の中で後悔さえなければ良い。あっけらかんとそう言う雅人に玄弥は目を見開いた。
「やれやれ、本当にしつこいなぁ」
木をよじ登って来ようとしている鉄乃条に雅人は眉を寄せるとその場を離れた。
鉄乃条が鍛冶場に入ったと聞いた雅人は温泉に浸かっていた。食事をするにも風呂に入るにも眠るにも鉄乃条が鍛治仕事をしている隙に済まさなければならず、なかなか面倒臭い。
「頼むから早く終わって」
鉄乃条は一日の鍛治時間が極端に短い。感覚が少しでも鈍るとその日は作業を止めてしまうからだ。
(だからって里を出るわけにはいかないしな)
里の出入りは許可制な上、隠の助けが絶対必要である。鉄乃条もそれが分かっているから鍛治をしていない時間は雅人を探して里中をうろついている。
「…ところで、何か用?」
後ろで立っている人物を振り返ると雅人は尋ねた。始めはただ風呂に入りに来た隊士かと思ったが、雅人を見て立ち止まったので違うのだろう。声をかけられた玄弥はちょっと緊張した顔で口を開いた。
「アンタが相生雅人か?」
「そうだけど………んー?君、見たことある顔してるね」
とりあえず入んなよと呼びかけると玄弥は脱皮するみたいに服を脱いで湯の中に飛び込んだ。上がった飛沫が頭から降りかかって雅人が笑う。
「豪快だなぁ」
「…悪いな」
玄弥はジロリと雅人を睨むと鬼気迫る表情を見せた。眉を寄せた雅人が背中に走った悪寒にその場を離れる。
「捕まえたーっ!!」
ザッブーン!!
大きな水飛沫を上げて鉄乃条が湯の中に飛び込んできた。雅人を捕まえるはずだった腕が宙を掴む。雅人は浴衣と手拭いを引っ掴むと木の上に避難した。
「危ない危ない。まさか隊士に売られるとは思わなかったな」
「あぁん!雅人ったら!!」
浴衣を手早く身につけると帯を巻き、とりあえずの体の安全を確保する。
(普通に視姦してくるし気持ち悪いんだよね)
案の定、鉄乃条の舌打ちの音が聞こえて雅人はため息をついた。
「アンタを捕まえるのに協力したら今のよりもっと良い武器作ってくれるって約束なんだ!」
「だからってねぇ。君のお兄さんの不死川さんはそう言うの嫌がりそうだけど?」
「!」
さっき睨まれた時に気が付いた。玄弥は不死川に目がそっくりなのだ。
「兄貴は…関係ない」
グッと拳を握る玄弥に構わず雅人は頭を手拭で拭いた。
「ま、良いんじゃない?強さの求め方は人それぞれだし?」
自分の中で後悔さえなければ良い。あっけらかんとそう言う雅人に玄弥は目を見開いた。
「やれやれ、本当にしつこいなぁ」
木をよじ登って来ようとしている鉄乃条に雅人は眉を寄せるとその場を離れた。