第二部
夢小説設定
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「と、言うわけで昨日の任務が速やかに終わったのは雅人さんのお陰なんです!あの人、本当に凄いですね!!」
「お、おぉ、そうか!良かったな竈門少年!!」
蝶屋敷に経過観察で来ていた煉獄は目をキラキラさせる炭治郎にタジタジだった。炭治郎はすっかり雅人に心酔しており不安になる。縁側に腰掛けていた煉獄の元に雅人が薬を受け取り戻ってきた。
「折角継子が誉められてるんだからもうちょっと喜んで見せたら?」
「そうしたいのは山々だがな!君が誉められているのを聞くのは大変不安になる!!」
「流石にオイ」
率直な感想を言う煉獄に雅人が突っ込んだ。
「雅人さんの呼吸は何と言う呼吸なんですか?俺、見た事ない型です」
「あー、名前ね…」
無邪気に尋ねた炭治郎に雅人が嫌そうな顔をした。不味いことを聞いたかとおたつく炭治郎に煉獄が説明する。
「雅人は自分の呼吸に名前をつけていないのだ!名前をつけると言うのが苦手らしい!」
「いや、だって…名前つけるとか意味分かんないし」
「そんな事ありませんよ!名前があるとより意識が集中しやすくなって精度が上がるんです!!」
炭治郎が目を輝かせながら力強く拳を握った。その純粋な目に今度は雅人がタジタジになる。煉獄が笑い声を上げた。
「竈門少年の言う通りだ!きちんと名前をつけるべきだな!!」
「えぇ〜?」
雅人はため息をつくと煉獄の隣に腰掛けた。頭をかくと再びため息をつく。
「思いつかないよ」
「諦めるのが早いな!それならば周りから呼ばれているように暗闇の呼吸にするか?」
「絶対嫌」
ほぼ悪口だろうそれは。雅人がきっぱり断ると炭治郎が口を開いた。
「でも雅人さんの呼吸は確かに周囲が暗く閉ざされる感じがしますね」
「では黒の呼吸か?」
「闇の呼吸とか」
「曇りの呼吸にでもするか!」
「楽しそうだね君達」
横目で睨む雅人に煉獄は胸を張った。
「うむ!煉獄家は炎の呼吸と代々決まっているからな!名を決めるのは貴重な体験だ!!」
「俺もです!水の呼吸もヒノカミ神楽も始めから名前がついてました!!」
「…あ、そ」
目を輝かせる二人には悪いが放っておいてとんでもない名前になるのは困る。雅人も真面目に頭を悩ませた。その肩に夜明が飛んできて止まる。雅人はポケットから木の実を取り出すと口に入れてやった。
「………夜」
「夜?」
ポツリと呟いた雅人に炭治郎が聞き返した。雅人がそっぽを向いたまま答える。
「夜明から一文字貰って夜の呼吸にするよ」
「夜の呼吸か!うむ!良い名だ!!」
「はい!雅人さんらしいと思います」
元気よく頷いた炭治郎の肩を雅人はがっちり捕まえると顔を寄せた。
「夜が僕らしいってどういう印象なのか是非聞かせてもらおうかな」
「えっ、いや…深い意味は…技の印象がそうだって事で…」
分りやすく顔を引きつらせる炭治郎の鼻先に触れそうなほど顔を近づける。端正な顔が眼前一杯に押し迫り炭治郎が思わず赤くなる。
「止めんか!!」
ゴン!と煉獄の拳骨が雅人の脳天にめり込んだ。頭を抱えて動かなくなる雅人に炭治郎がオロオロする。
「竈門少年を誑かすんじゃない!」
「杏寿郎の中の僕の印象が酷すぎる」
「寧ろ何故良いと思った!?」
容赦ない煉獄の言葉に雅人は拗ねた顔をしてみせた。それでも目が笑っていて楽しそうだ。
「後は技の名前かぁ…特に意識した事なかったけど何個あったかな?」
「心配するな!君の技の種類なら俺が把握している!」
煉獄の台詞に炭治郎は感心した。長い付き合いというだけでない絆を感じる。雅人は夜の呼吸と名をつけただけで疲れてしまったのか長く息を吐き出した。
「杏寿郎に任せて良いかい?覚えやすいので頼むよ」
「分かった分かった。気に入らなければ後で自分で変えるといい!」
(良いなぁ、信頼の匂いだ)
二人の間に流れる柔らかな匂いに心が温かくなる炭治郎だった。
「お、おぉ、そうか!良かったな竈門少年!!」
蝶屋敷に経過観察で来ていた煉獄は目をキラキラさせる炭治郎にタジタジだった。炭治郎はすっかり雅人に心酔しており不安になる。縁側に腰掛けていた煉獄の元に雅人が薬を受け取り戻ってきた。
「折角継子が誉められてるんだからもうちょっと喜んで見せたら?」
「そうしたいのは山々だがな!君が誉められているのを聞くのは大変不安になる!!」
「流石にオイ」
率直な感想を言う煉獄に雅人が突っ込んだ。
「雅人さんの呼吸は何と言う呼吸なんですか?俺、見た事ない型です」
「あー、名前ね…」
無邪気に尋ねた炭治郎に雅人が嫌そうな顔をした。不味いことを聞いたかとおたつく炭治郎に煉獄が説明する。
「雅人は自分の呼吸に名前をつけていないのだ!名前をつけると言うのが苦手らしい!」
「いや、だって…名前つけるとか意味分かんないし」
「そんな事ありませんよ!名前があるとより意識が集中しやすくなって精度が上がるんです!!」
炭治郎が目を輝かせながら力強く拳を握った。その純粋な目に今度は雅人がタジタジになる。煉獄が笑い声を上げた。
「竈門少年の言う通りだ!きちんと名前をつけるべきだな!!」
「えぇ〜?」
雅人はため息をつくと煉獄の隣に腰掛けた。頭をかくと再びため息をつく。
「思いつかないよ」
「諦めるのが早いな!それならば周りから呼ばれているように暗闇の呼吸にするか?」
「絶対嫌」
ほぼ悪口だろうそれは。雅人がきっぱり断ると炭治郎が口を開いた。
「でも雅人さんの呼吸は確かに周囲が暗く閉ざされる感じがしますね」
「では黒の呼吸か?」
「闇の呼吸とか」
「曇りの呼吸にでもするか!」
「楽しそうだね君達」
横目で睨む雅人に煉獄は胸を張った。
「うむ!煉獄家は炎の呼吸と代々決まっているからな!名を決めるのは貴重な体験だ!!」
「俺もです!水の呼吸もヒノカミ神楽も始めから名前がついてました!!」
「…あ、そ」
目を輝かせる二人には悪いが放っておいてとんでもない名前になるのは困る。雅人も真面目に頭を悩ませた。その肩に夜明が飛んできて止まる。雅人はポケットから木の実を取り出すと口に入れてやった。
「………夜」
「夜?」
ポツリと呟いた雅人に炭治郎が聞き返した。雅人がそっぽを向いたまま答える。
「夜明から一文字貰って夜の呼吸にするよ」
「夜の呼吸か!うむ!良い名だ!!」
「はい!雅人さんらしいと思います」
元気よく頷いた炭治郎の肩を雅人はがっちり捕まえると顔を寄せた。
「夜が僕らしいってどういう印象なのか是非聞かせてもらおうかな」
「えっ、いや…深い意味は…技の印象がそうだって事で…」
分りやすく顔を引きつらせる炭治郎の鼻先に触れそうなほど顔を近づける。端正な顔が眼前一杯に押し迫り炭治郎が思わず赤くなる。
「止めんか!!」
ゴン!と煉獄の拳骨が雅人の脳天にめり込んだ。頭を抱えて動かなくなる雅人に炭治郎がオロオロする。
「竈門少年を誑かすんじゃない!」
「杏寿郎の中の僕の印象が酷すぎる」
「寧ろ何故良いと思った!?」
容赦ない煉獄の言葉に雅人は拗ねた顔をしてみせた。それでも目が笑っていて楽しそうだ。
「後は技の名前かぁ…特に意識した事なかったけど何個あったかな?」
「心配するな!君の技の種類なら俺が把握している!」
煉獄の台詞に炭治郎は感心した。長い付き合いというだけでない絆を感じる。雅人は夜の呼吸と名をつけただけで疲れてしまったのか長く息を吐き出した。
「杏寿郎に任せて良いかい?覚えやすいので頼むよ」
「分かった分かった。気に入らなければ後で自分で変えるといい!」
(良いなぁ、信頼の匂いだ)
二人の間に流れる柔らかな匂いに心が温かくなる炭治郎だった。