第二部
夢小説設定
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「気をつけて行ってこい!」
「ん、行ってくるよ」
日輪刀を腰に挿すと煉獄に見送られ雅人は任務に出発した。引退した煉獄に代わり、継子としての担当区域の見回り巡回だ。
雅人は煉獄の家に住み込む事になった。雅人の行動に目を光らせるためというのが表向きの理由だが、実際は生活力のない雅人を千寿郎が心配しての事だった。
(意外と鬼ってのはいるもんなんだな)
今夜三体目の鬼を屠った雅人は納刀しながらそう思った。
年間に行われる選抜は二、三回。そこで隊士となるのが三人から五人。バタバタ死んでいくことを差し引いて、現在は五十名少しの隊士が鬼狩りのために走り回っている。それでもほぼ毎日のように鬼が現れるのだから相当な数だ。
(でも意外と山に引き篭もっているのも多い)
それが雅人の正直な感想だった。動物を食らって生きながらえている鬼が多いのだ。勿論人に出会えば襲いかかるだろうことは想像に難くないので、だから良いという事になならないが。
(まぁ、いいや。次行こう)
考えた所で鬼は斬るだけだ。雅人が移動を開始して間も無く硬いもの同士がぶつかり合う音が聞こえた。雅人が足をそちらに向けると鬼と炭治郎が戦っていた。気づく様子のない炭治郎に雅人は木にもたれかかると腕を組んだ。
「うぉぉぉぉおっ!!」
真っ直ぐ突っ込む炭治郎に鬼の爪が迫る。それらを切り捨てる炭治郎に鬼の舌が伸びて襲いかかった。ゴムのようにしなるそれを斬ることが出来ず炭治郎が下がる。
「へへへ…」
ベロリと垂れ下がった舌は三本。炭治郎はグッと刀を構えなおすと再び鬼へと突っ込んだ。腕を斬り、舌を掻い潜り、首に迫る。
(もう一歩だな)
舌の一本に刀を絡め取られて持ち上げられた炭治郎の脇から二本の舌が迫った。
「!!」
「炭治郎」
鬼の舌を三本切り捨てると雅人は炭治郎の襟首を掴んで放り投げた。えぇぇ!?と悲鳴を上げながらもクルリと回転すると無事に着地する。雅人は小太刀で鬼を木に縫い止めると炭治郎に近寄った。
「えっ?えっ!?雅人さん!?」
「どうして先読みしないんだい?」
雅人は小首を傾げると尋ねた。炭治郎の頬には切り傷がいくつかあってこの鬼と暫く戦っているのが分かる。
「ねぇ、炭治郎。鬼の動きの先読み、いくつまでしてる?」
「え…し、してません!した事ないです!!」
正直に答える炭治郎に雅人は頭をかいた。
「十手先まで読めとは言わないけど二手先ぐらいは読んで行動してごらん。相手をよく見て。迎え撃ってくるのか、逃げるのか。逃げるなら上か下か右か左か後ろか」
今にも刀から抜け出そうとしている鬼を指さすと雅人は驚くような事を言った。
「じゃ、実践ね。もうあいつの手の内は見えてるでしょ?僕は手出ししないよ」
「は、はい!」
「巫山戯やがって!!」
自由になった鬼が青筋を立てると襲いかかってくる。炭治郎は刀を構えた。
(よく相手を見るんだ!こいつはまず爪で攻撃してくる!)
爪をかわすと刀を持つ手に力を込める。
(次は舌!!)
伸びてきた三本の舌に炭治郎の刀が翻った。
ーー水の呼吸 弐ノ型・改 横水車ーー
「グエッ!」
鬼の舌が三本同時に落ちる。
(見えた!隙の糸!!)
ーー水の呼吸 捌ノ型 滝壺ーー
体制を崩した鬼の首が宙に舞った。肩で息をしながら炭治郎が僅かに笑みを浮かべる。
(出来た!完璧ではないけど、心算があれば対処しやすい)
ポンと頭の上に手を置かれ炭治郎が顔を上げた。炭治郎の頭に手を乗せた雅人が柔らかく微笑む。
「よく出来ました」
「…は、はい!」
炭治郎はちょっと赤くなると力一杯返事をした。雅人がヒラリと手を振る。
「じゃ、僕も任務があるからまたね」
「ありがとうございました!!」
お礼を言い終える前に雅人の姿が消える。炭治郎は雅人の消えた方向を見ると笑みを浮かべた。
「ん、行ってくるよ」
日輪刀を腰に挿すと煉獄に見送られ雅人は任務に出発した。引退した煉獄に代わり、継子としての担当区域の見回り巡回だ。
雅人は煉獄の家に住み込む事になった。雅人の行動に目を光らせるためというのが表向きの理由だが、実際は生活力のない雅人を千寿郎が心配しての事だった。
(意外と鬼ってのはいるもんなんだな)
今夜三体目の鬼を屠った雅人は納刀しながらそう思った。
年間に行われる選抜は二、三回。そこで隊士となるのが三人から五人。バタバタ死んでいくことを差し引いて、現在は五十名少しの隊士が鬼狩りのために走り回っている。それでもほぼ毎日のように鬼が現れるのだから相当な数だ。
(でも意外と山に引き篭もっているのも多い)
それが雅人の正直な感想だった。動物を食らって生きながらえている鬼が多いのだ。勿論人に出会えば襲いかかるだろうことは想像に難くないので、だから良いという事になならないが。
(まぁ、いいや。次行こう)
考えた所で鬼は斬るだけだ。雅人が移動を開始して間も無く硬いもの同士がぶつかり合う音が聞こえた。雅人が足をそちらに向けると鬼と炭治郎が戦っていた。気づく様子のない炭治郎に雅人は木にもたれかかると腕を組んだ。
「うぉぉぉぉおっ!!」
真っ直ぐ突っ込む炭治郎に鬼の爪が迫る。それらを切り捨てる炭治郎に鬼の舌が伸びて襲いかかった。ゴムのようにしなるそれを斬ることが出来ず炭治郎が下がる。
「へへへ…」
ベロリと垂れ下がった舌は三本。炭治郎はグッと刀を構えなおすと再び鬼へと突っ込んだ。腕を斬り、舌を掻い潜り、首に迫る。
(もう一歩だな)
舌の一本に刀を絡め取られて持ち上げられた炭治郎の脇から二本の舌が迫った。
「!!」
「炭治郎」
鬼の舌を三本切り捨てると雅人は炭治郎の襟首を掴んで放り投げた。えぇぇ!?と悲鳴を上げながらもクルリと回転すると無事に着地する。雅人は小太刀で鬼を木に縫い止めると炭治郎に近寄った。
「えっ?えっ!?雅人さん!?」
「どうして先読みしないんだい?」
雅人は小首を傾げると尋ねた。炭治郎の頬には切り傷がいくつかあってこの鬼と暫く戦っているのが分かる。
「ねぇ、炭治郎。鬼の動きの先読み、いくつまでしてる?」
「え…し、してません!した事ないです!!」
正直に答える炭治郎に雅人は頭をかいた。
「十手先まで読めとは言わないけど二手先ぐらいは読んで行動してごらん。相手をよく見て。迎え撃ってくるのか、逃げるのか。逃げるなら上か下か右か左か後ろか」
今にも刀から抜け出そうとしている鬼を指さすと雅人は驚くような事を言った。
「じゃ、実践ね。もうあいつの手の内は見えてるでしょ?僕は手出ししないよ」
「は、はい!」
「巫山戯やがって!!」
自由になった鬼が青筋を立てると襲いかかってくる。炭治郎は刀を構えた。
(よく相手を見るんだ!こいつはまず爪で攻撃してくる!)
爪をかわすと刀を持つ手に力を込める。
(次は舌!!)
伸びてきた三本の舌に炭治郎の刀が翻った。
ーー水の呼吸 弐ノ型・改 横水車ーー
「グエッ!」
鬼の舌が三本同時に落ちる。
(見えた!隙の糸!!)
ーー水の呼吸 捌ノ型 滝壺ーー
体制を崩した鬼の首が宙に舞った。肩で息をしながら炭治郎が僅かに笑みを浮かべる。
(出来た!完璧ではないけど、心算があれば対処しやすい)
ポンと頭の上に手を置かれ炭治郎が顔を上げた。炭治郎の頭に手を乗せた雅人が柔らかく微笑む。
「よく出来ました」
「…は、はい!」
炭治郎はちょっと赤くなると力一杯返事をした。雅人がヒラリと手を振る。
「じゃ、僕も任務があるからまたね」
「ありがとうございました!!」
お礼を言い終える前に雅人の姿が消える。炭治郎は雅人の消えた方向を見ると笑みを浮かべた。