第一部
夢小説設定
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ガクン!
「っ!!」
列車が大きく揺れて雅人は目を覚ました。車内の様子が一変している事に目を見張る。
(何だ、鬼の攻撃か?いや、でも…)
鬼の断末魔の悲鳴が轟く。次の瞬間大きく傾いだ車体の中で、雅人の体が宙に浮いた。
「禰󠄀豆子ちゃん!」
「!?」
上がった声に視線をやれば、窓の外に放り投げられた少女が車体に挟まれようとしていた。背もたれを蹴ると雅人が飛ぶ。
ドガガガゴッ!!
凄まじい音がして無限列車は脱線した。舞い上がった煙に視界が遮られる。鼻提灯が割れ善逸は漸く目を覚ますと周囲を見回した。
「えっ、えっ!?何コレ!?ね、禰󠄀豆子ちゃん!?」
ゆっくりと土煙がはれて、見えてきたものに善逸は固まった。禰󠄀豆子が見知らぬ男性にお姫様抱っこされている。善逸は力の限り悲鳴をあげた。
「いーーーやーーーーっ!!禰󠄀豆子ちゃん!?」
「禰󠄀豆子…そうか思い出した。鬼の禰󠄀豆子?君のお兄ちゃんは炭治郎?」
たまにやって来ては情報を垂れ流していく夜明の話の中にあった名前だ。雅人が尋ねれば禰󠄀豆子はコクリと頷いた。善逸が目を丸くする。
「何でそんなこと知ってるの?あんた誰?」
もっともな質問だが今の雅人にはこれと言った立場がなくて答えづらい。雅人は禰󠄀豆子を下ろすとその頭を撫でた。
「んー、まぁ色々ね」
それだけ言うと横転してしまった車両の中に戻る。乗客は眠っていたこともあってか体に余計な力が入らなかった分怪我は少ないように見えた。
「あぁ、あった」
源道から預かったアタッシュケースを散乱したたくさんの荷物の中から見つけると引っ張り出す。その弾みで鍵が開き、中から手紙が滑り落ちた。
ーー相生雅人様ーー
「………僕宛?」
中には重りの代わりの砂袋しか入っていない。雅人は善逸に声をかけ救護を任せると少し離れた場所で手紙を開いた。源道の文字で簡潔な文章が書かれている。
ーー古巣に戻れ。お前にはそっちの方が向いている。
達者でなーー
「…何それ」
雅人は泣きそうな顔で笑った。雅人が心の奥底でずっと鬼殺隊に戻りたいと思っていたのを源道はお見通しだったと言うことか。
(ホント、敵わないな…)
あの夫婦は自分を甘やかすことにかけてはピカイチだ。
「戻れるかなぁ」
重大な隊立違反をした上に後ろ足で砂をかけるように辞めてしまった。顔を出した瞬間に不死川に殺されても文句は言えない。
ーー行ってらっしゃい!お兄ちゃん!!ーー
笑顔で送り出してくれた家族の笑顔が脳裏をよぎる。雅人は一つ頷くとポケットに手紙を入れた。
ドォォォ…ン。
地面に何かが落ちた音と共にゾッとするような気配が満ちて雅人は先頭車両の方を見た。
(この気配、きっと上弦だね)
煉獄は自分が参戦することを許してくれるだろうか。
(とにかく行こう。全てはそれからだ)
雅人は先頭車両に向かい歩き出した。
「っ!!」
列車が大きく揺れて雅人は目を覚ました。車内の様子が一変している事に目を見張る。
(何だ、鬼の攻撃か?いや、でも…)
鬼の断末魔の悲鳴が轟く。次の瞬間大きく傾いだ車体の中で、雅人の体が宙に浮いた。
「禰󠄀豆子ちゃん!」
「!?」
上がった声に視線をやれば、窓の外に放り投げられた少女が車体に挟まれようとしていた。背もたれを蹴ると雅人が飛ぶ。
ドガガガゴッ!!
凄まじい音がして無限列車は脱線した。舞い上がった煙に視界が遮られる。鼻提灯が割れ善逸は漸く目を覚ますと周囲を見回した。
「えっ、えっ!?何コレ!?ね、禰󠄀豆子ちゃん!?」
ゆっくりと土煙がはれて、見えてきたものに善逸は固まった。禰󠄀豆子が見知らぬ男性にお姫様抱っこされている。善逸は力の限り悲鳴をあげた。
「いーーーやーーーーっ!!禰󠄀豆子ちゃん!?」
「禰󠄀豆子…そうか思い出した。鬼の禰󠄀豆子?君のお兄ちゃんは炭治郎?」
たまにやって来ては情報を垂れ流していく夜明の話の中にあった名前だ。雅人が尋ねれば禰󠄀豆子はコクリと頷いた。善逸が目を丸くする。
「何でそんなこと知ってるの?あんた誰?」
もっともな質問だが今の雅人にはこれと言った立場がなくて答えづらい。雅人は禰󠄀豆子を下ろすとその頭を撫でた。
「んー、まぁ色々ね」
それだけ言うと横転してしまった車両の中に戻る。乗客は眠っていたこともあってか体に余計な力が入らなかった分怪我は少ないように見えた。
「あぁ、あった」
源道から預かったアタッシュケースを散乱したたくさんの荷物の中から見つけると引っ張り出す。その弾みで鍵が開き、中から手紙が滑り落ちた。
ーー相生雅人様ーー
「………僕宛?」
中には重りの代わりの砂袋しか入っていない。雅人は善逸に声をかけ救護を任せると少し離れた場所で手紙を開いた。源道の文字で簡潔な文章が書かれている。
ーー古巣に戻れ。お前にはそっちの方が向いている。
達者でなーー
「…何それ」
雅人は泣きそうな顔で笑った。雅人が心の奥底でずっと鬼殺隊に戻りたいと思っていたのを源道はお見通しだったと言うことか。
(ホント、敵わないな…)
あの夫婦は自分を甘やかすことにかけてはピカイチだ。
「戻れるかなぁ」
重大な隊立違反をした上に後ろ足で砂をかけるように辞めてしまった。顔を出した瞬間に不死川に殺されても文句は言えない。
ーー行ってらっしゃい!お兄ちゃん!!ーー
笑顔で送り出してくれた家族の笑顔が脳裏をよぎる。雅人は一つ頷くとポケットに手紙を入れた。
ドォォォ…ン。
地面に何かが落ちた音と共にゾッとするような気配が満ちて雅人は先頭車両の方を見た。
(この気配、きっと上弦だね)
煉獄は自分が参戦することを許してくれるだろうか。
(とにかく行こう。全てはそれからだ)
雅人は先頭車両に向かい歩き出した。