第一部
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「あら、また会ったわね」
古い石垣に腰掛けていた雅人はかけられた声に下の道を見た。住所を書いたメモを渡してきた女性が数人の男を従え雅人を見上げている。今日は落ち着いた色味の着物姿だ。雅人は抱えていた片膝に頭を乗せると微笑んでみせた。
「やぁ」
女性は呆れた顔をすると雅人を手招いた。
「そんな所じゃ話しにくいわ。降りてらっしゃい」
「…いいよ」
ヒラリと軽い身のこなしで女性の前に降りると雅人は女性の手を取りその甲に口付けた。
「僕と遊んでくれるの?」
「そんな顔していると悪い人に頭から食べられちゃうわよ」
人差し指で鼻を突かれて雅人はキョトンとした。女性が腕を一杯に伸ばすと雅人の頭を撫でる。雅人がその手に擦り寄った。
「貴女も僕を食べちゃうの?」
「そうねぇ、取り敢えず私の家にいらっしゃい」
「ねぇ、名前聞いても良い?」
「佐和子よ、坊や」
差し出された手を握ると雅人が嬉しそうに笑う。まるで母親に手を引かれる子供のように雅人は佐和子に連れられて行った。
ゆっくりと陽が傾き空が暗くなっていく。
「今日はおしゃべりな鴉はいないの?」
「うん、沢山任務をこなしたから今日は休み」
お互い一糸纏わぬ姿でベットの上、後ろから佐和子を抱きしめいていた雅人はその肩に額を押し付けた。両手両足で佐和子を抱え込むと甘える。
「少しは落ち着いたのかしら?坊や」
「雅人だってば」
斬った鬼がたまたま子供の姿だっただけ。何度も何度も自分に擦り込もうとしたがどうしても駄目だった。自分の情緒を安定させることが出来ずにいた雅人を佐和子は目一杯甘やかした。ご飯を食べさせると服を脱がせて風呂に一緒に入り、雅人の気がすむまで愛し合う。
「僕が言うのも何だけど佐和子さんって変な人だね。普通刀を持った他人を家に入れたりしないよ?」
雅人はほとんど日輪刀を隠し持つことをしない。あまりに堂々としていてかえって怪しまれないほどだ。佐和子は雅人の髪を指で梳いた。
「あんな途方に暮れた顔してる子、放って置けるわけないでしょ?」
「そっかぁ、そんな顔だったかぁ」
それではまだ煉獄の元へ行くわけにはいかない。鋭い友人は直ぐに自分の変調を見抜いてしまうだろう。自分とは真逆の太陽の如き彼に無用な気遣いをして欲しくない。
「僕、妹がいたんだ。死んじゃったけどね」
鬼に殺されたありきたりな話だ。だけど本当に可愛かった。生まれついてのこんな性格の自分にも懐いてくれていた。父や母も同時に死んだけれど、雅人には何より妹の死が辛かった。だから自分に使えるものは頭も体も全て使って強さを手に入れた。鬼の情報をかき集め鬼殺隊に辿り着いた。もはや妄執に近かったと思う。
「だから子供が死ぬのは駄目だ」
それが人であろうと鬼であろうと。けれど鬼は人を喰う。姿が子供のその鬼は人の子を食ってしまうのだ。だから斬るしかない。
「分かってるんだよ」
「もう少し甘えても良いわよ」
「…癖になったら困っちゃうな」
雅人は佐和子の首に唇を落とすとスルリと手をその足の間に滑り込ませた。ピクリと震える佐和子に覆いかぶさる。
「ねぇ、お願いがあるんだけど聞いてくれる?」
キスする直前で囁くと佐和子が楽しそうに笑う。
「良いわよ。でも、後でね」
背中に回された腕に雅人は笑みを深くするのだった。
古い石垣に腰掛けていた雅人はかけられた声に下の道を見た。住所を書いたメモを渡してきた女性が数人の男を従え雅人を見上げている。今日は落ち着いた色味の着物姿だ。雅人は抱えていた片膝に頭を乗せると微笑んでみせた。
「やぁ」
女性は呆れた顔をすると雅人を手招いた。
「そんな所じゃ話しにくいわ。降りてらっしゃい」
「…いいよ」
ヒラリと軽い身のこなしで女性の前に降りると雅人は女性の手を取りその甲に口付けた。
「僕と遊んでくれるの?」
「そんな顔していると悪い人に頭から食べられちゃうわよ」
人差し指で鼻を突かれて雅人はキョトンとした。女性が腕を一杯に伸ばすと雅人の頭を撫でる。雅人がその手に擦り寄った。
「貴女も僕を食べちゃうの?」
「そうねぇ、取り敢えず私の家にいらっしゃい」
「ねぇ、名前聞いても良い?」
「佐和子よ、坊や」
差し出された手を握ると雅人が嬉しそうに笑う。まるで母親に手を引かれる子供のように雅人は佐和子に連れられて行った。
ゆっくりと陽が傾き空が暗くなっていく。
「今日はおしゃべりな鴉はいないの?」
「うん、沢山任務をこなしたから今日は休み」
お互い一糸纏わぬ姿でベットの上、後ろから佐和子を抱きしめいていた雅人はその肩に額を押し付けた。両手両足で佐和子を抱え込むと甘える。
「少しは落ち着いたのかしら?坊や」
「雅人だってば」
斬った鬼がたまたま子供の姿だっただけ。何度も何度も自分に擦り込もうとしたがどうしても駄目だった。自分の情緒を安定させることが出来ずにいた雅人を佐和子は目一杯甘やかした。ご飯を食べさせると服を脱がせて風呂に一緒に入り、雅人の気がすむまで愛し合う。
「僕が言うのも何だけど佐和子さんって変な人だね。普通刀を持った他人を家に入れたりしないよ?」
雅人はほとんど日輪刀を隠し持つことをしない。あまりに堂々としていてかえって怪しまれないほどだ。佐和子は雅人の髪を指で梳いた。
「あんな途方に暮れた顔してる子、放って置けるわけないでしょ?」
「そっかぁ、そんな顔だったかぁ」
それではまだ煉獄の元へ行くわけにはいかない。鋭い友人は直ぐに自分の変調を見抜いてしまうだろう。自分とは真逆の太陽の如き彼に無用な気遣いをして欲しくない。
「僕、妹がいたんだ。死んじゃったけどね」
鬼に殺されたありきたりな話だ。だけど本当に可愛かった。生まれついてのこんな性格の自分にも懐いてくれていた。父や母も同時に死んだけれど、雅人には何より妹の死が辛かった。だから自分に使えるものは頭も体も全て使って強さを手に入れた。鬼の情報をかき集め鬼殺隊に辿り着いた。もはや妄執に近かったと思う。
「だから子供が死ぬのは駄目だ」
それが人であろうと鬼であろうと。けれど鬼は人を喰う。姿が子供のその鬼は人の子を食ってしまうのだ。だから斬るしかない。
「分かってるんだよ」
「もう少し甘えても良いわよ」
「…癖になったら困っちゃうな」
雅人は佐和子の首に唇を落とすとスルリと手をその足の間に滑り込ませた。ピクリと震える佐和子に覆いかぶさる。
「ねぇ、お願いがあるんだけど聞いてくれる?」
キスする直前で囁くと佐和子が楽しそうに笑う。
「良いわよ。でも、後でね」
背中に回された腕に雅人は笑みを深くするのだった。