じゃじゃーんという古典的な効果音を口で言いながらキュレイが見せて来たのは博物館やらなにやらが立ち並ぶ、このコロニーから少し離れた場所にある商業施設のリーフレットだ。はあ？と声に出すより早く、入館用のコードが目の前に差し出される。

「一緒にいきましょう！！」

　キュレイの綺麗な指先が示すのは『惑星植物展』とかなんとか書いてある。

「いろいろな星の植物を展示しているらしいんです」

　是非ファゼットさんと見に行きたくって、とはしゃいでいうキュレイは老いるのがゆっくりな所為でそうは見えないがもうおっさんの年齢だ。おっさんがキャッキャッすんなと言いたいが、キュレイのことだからまあいいか、と思う。

「二人で？」
「ファゼットさんがお望みなら追加で取りますよ」

　ホライゾンさんはいかないだろうな、と思いながらふっと浮かぶのはシリウスとイオだ。ハレィンを誘っても良いんだろうが、あいつはどうも遠慮しすぎて俺とまず話そうって空気を出さない。俺も無理に接触はしないが。

「家族みんなでいきます？？」
「ええ？？」
「父上達も誘いますか！？」
「いや、いい、いいよ……行くならシリウスとかイオとか……」
「ハレィンさんは？」
「ハレィンは俺が誘ってもどうだか」
「なら私が誘います！皆さんで行った方が楽しいですよね！！」

　楽しめるかどうかは個人の感覚なんだが、と思いながらも、自然なまでにハレィンを組んで話を進めてくれるキュレイにくすりと笑いが零れる。

「ハレィンのエスコートはお前がしろよ」
「はい！」

　素直なところも全然変わんねえ奴だな、と思う。思いながら、だから、こいつの素直さに掬われたんだろうなと、改めて感じながら、あっちの施設とこのコロニー、近いとはいえ往復で何日かかるんだっけ、と計算を始めた。

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ただただ仲良しなだけ