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ツキウタ。

【隼始】月明かりの下で【始隼】


こういう日もあっていいよねなリーダーズ。
隼始か、始隼かは感じ方次第。
固定はしてません。

★☆★

窓から差し込む月明かりが青白く部屋を照らす。
部屋の明かりは付けない。
電気を付けてしまえば、せっかくの月明かりが台無しになってしまう。
月光の下、冷静になってくると様々なことが思い出される。
ステージの立ち位置、終えてきた撮影、雑誌のインタビュー…。
こうすれば良かったと後になって反省点がいくつも出てくる。
「はぁ…」
「ため息は幸せが逃げちゃうよ?」
妖美な笑顔で俺に笑いかけて、こちらにやってくる。
「…神出鬼没だな。いつ入ったんだ?」
「んー?始がぼんやり外を眺めてる時にね。ノックもしたんだよ?」
「…そうか」
「何か悩み事かな?」
「いや。月明かりを見ていると、心が落ち着くな」
「そうだねぇ…僕の魔法も冴えわたる気がするね」
「…」
「始には何もしないよ、安心して?」
「どうだか……フッ」
隼といるとどうしてか、気が緩む。
昔から東と西で意識しあっていた。
会ってみると期待を裏切ってくる辺り、俺はこいつに色々と弱いところがあるのかもしれない。
「始?眠い?」
「いや…」
「いいよ、ほら僕の肩を貸してあげる」
「いらない」
「そう言わずに、ね?」
期待を込めた目線を向けられて、ため息が出る。
全く…そういうところも嫌いじゃないけどな(苦笑)
そっと肩にもたれかかる。
近くにいて、気づく。
隼の息遣い、鼓動、仕草。
「…悪くないな」
「ふふっ♪僕は始に肩を使ってもらえて幸せだよ」
鼓動がいくらか早いのが分かる。
「緊張してるのか?」
「ドキドキしてるんだよ」
「ドキドキ?」
「始にね」
「…」
そう言った隼の顔が恥ずかしそうにしたのを見逃さなかった。
「隼」
「なぁに?」
肩から顔を上げて、見つめ合えば逃れるように視線を逸らす、隼がいつもより可愛らしく見える。
「隼」
答えない隼の耳が赤い。
あぁ、なるほどな。
首に腕を回し、引き寄せる。
不思議そうに見つめる隼が次の瞬間にはどんな表情をするのだろう。
唇がそっと触れて、離れる間、時間が止まったように感じたのは俺も緊張していたからなのか。
「ずるいよ…」
そう行って顔をおおってしまう隼を見て愉快な気持ちになった。


END
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