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ツキウタ。

ちょっとの贅沢【陽新】

個人的エモいCPで書かせてもらいました。
※本家からネタを頂いただけで内容が反映されるわけではありません。

★☆★

ケータイに出される日付けが目に入る。
日付けが27であることが分かる。
あ…明日誕生日だ。
また一歩大人になるわけだ。
新しいことに挑戦してみる年ってのも悪くない。
今年の俺は一味違うんだ。
…っていう。
まぁ、少し前までの俺はそんな感じでいましたよ。
「陽、入っていい?」
「おー…どうした?」
「いや…」
さすがにホラー見て怖くなったとか言えないよなぁ。
「今日一緒に寝ていい?」
「え、また急だな。いいけど」
「やったぁ、陽くん寛大」
ベッドを背もたれに、陽の隣に座ればさっきまで雑誌を読んでいた視線がフッと俺に向いたのが分かった。
「で?本当の理由はなんだよ」
トンと肩を当ててきて身体が密着する。
あ…なんか、良いな…。
人肌が心地いいのと同じ心理?
「恥ずかしいから、笑うなよ?」
「何それ(笑)言われたら笑いたくなる…けど、まぁ、笑わねぇよ」
「フリじゃないからな?」
「分かったって(笑)」
「実は、ホラー映画見ちゃったんだよ、明日が誕生日だろ?今年の俺は一味違うってノリで」
「あ〜…夜中に一人でホラー苦手な奴がやることじゃねぇな、急に大人にはならねぇって…なるほどな、それで俺のとこ来た訳ね」
「お祓いしてくれる?」
「ホラー見ただけで急に何か憑くわけじゃないけど?」
「じゃ、何もいない!?俺、安全!?」
「おー、大丈夫大丈夫(笑)」
「…笑ってない?」
「何だよ、疑り深いな。ほら」
手を差し出される。
え、あれ…これってそういう…陽くんてば優しさが時々恥ずかしいというか。
「えーっと…」
「はぁー?何やってんだよ」
俺が躊躇してたら、陽が痺れを切らして、俺の腕を掴み引っ張った。
引っ張るから身体のバランスを崩す。
「うわっ、ちょっ、まっ」
「ほら…安心しねぇ?」
ちょっと待って、俺、もしかして、陽に抱きしめられてる?
うわ、うわ、うわぁ…ドキドキする。
こりゃ、女の子が鼻血吹いて倒れちゃうわけだな。
いやいや、そうじゃなくて…。
「何で分かったんだよ…して欲しかったって」
「当然だろ、俺がお前の何だと思ってんだよ」
あ、陽の心臓の音、速い。
陽もドキドキしてるんだな。
やっといて、恥ずかしい奴。
でも、まぁ、俺も同じ。
「陽、俺、明日」
「新、誕生日おめでとう」
ハッとして時計を見れば、ちょうど日付けが変わった。
「ずるい…」
「変わった瞬間に一緒にいた俺の特権。ちょっと贅沢だろ?」
「うん、そうかも。…ありがとう、陽」

END
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