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ツキウタ。

いつもと違うキミ【隼陽】

葉月の弱ってるとことか、かっこ悪いところがあってもいいと思うっていう。
海さんが出演してます。
※リスエスト

★☆★

息が上がる。
新曲に向けてPV撮影が開始されて今日で3日目が経過していた。
「陽。おいで」
言われて上がる息もそこそこに駆け寄る。
「なんだよ…」
あ。やば。トーン間違えた。
「…陽、ちょっと変なんじゃない?当たりキツいし、そんなに焦ってやらなくてもいいんじゃないかな。あとテンポ遅れてるよ」
ギクリとした。
いつもならこんなミスしない。
やれると思ってしまった。
プライドが自分を甘くすることを許さなかった。
どれだけ自分に自信があるんだ。
あぁ、これって罰が自分に返ってきたみたいな感覚…。
「悪い…ちょっと頭冷やすわ」
「…いや、そうじゃないよ」
あまり見せないような表情になり、ポンっと頭に手を置かれる。
なに、どういうことだよ。
「皆〜、今日の練習はここまで。僕、もう疲れちゃった」
「おい、隼〜」
海の呆れた声。
隼…まさか。
「ほらほら解散!僕はいますぐ美味しい紅茶が飲みたいんだ。かぁい?入れてくれる?陽も付き合って」
「…あぁ」
何だよ…助けられてるじゃん。
ダサすぎ…。
今日、マジでおかしい。
寮に戻ってきて皆と解散してプロセラルームで俺と隼、海が無言でソファーに座る。
「…海、紅茶」
「はいはい」
全部分かってるみたいな。
隼と海はたまにすげぇ俺たちには叶わないようなコンビネーションを発揮するから羨ましくもなる。
「…陽、呼吸整わない?」
は?
なにそれ…。
「え、…あれ?俺…?」
なんか、ヤバい。
視界安定しない?呼吸が、しずらい。
「っ…!」
やば…身体持たない。
「うん、だと思ったよ。初めからね」
俺の肩に腕を回したと思えば、引き寄せられてそのまま倒され膝枕された。
「…やめろよ…」
「はいはい。体調管理はしっかりしようね。バレてないところが凄いけど。僕にはお見通しだからね」
もう、何でもいいか。
考えることがキツい。
「悪い、迷惑かけてるよな」
「責任は僕と海が取るよ。相談して中断決めたからね」
「あー…まじか」
「気にしてる?」
「常識的には。けど…まぁ、別に」
「そっか。眠い?」
「少し」
「寝てていいよ」
甘えてばっかりだな、今日の俺。
やっぱ、隼て…いや、そんなの分かってたことだ。
他の奴には言わないでくれ、俺のかっこ悪いとこなんて。
お前だけでいいだろ、俺のこと知ってるの。

END
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