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ツキウタ。

愛があれば【葵夜】

2020年5月5日の皐月葵誕生祭のために投票により決定したカップリング。
初書きです。
色々ごめんなさい…葵ちゃんらしさとは。
作中に陽新出演してもらいました。
最後、R15くらいのノリがあります。
注意してください。

★☆★

「夜〜、これなんかどう?」
呼ばれてそちらを向く。
調理器具を片手に持った相方…陽が聞いてきた。
「うーん…調理好きにとって、調理器具って大事なものだし、ダメになったものはすぐに買い替えてると思うんだよ…」
首を振って答える。
そう、今日が誕生日の葵のためのプレゼントを陽に付き合ってもらっているのだ。
あたりピンと来るものがないな…。
新にも来てもらえばよかったかな。
「そんな悩むなら夜が葵ちゃんに手料理とかご馳走してみたら?」
「え…」
「夜のごはん、葵ちゃん好きじゃん?」
「そんなのでいいのかな?物じゃなくてもいいかな…」
「そんなん愛さえあれば何だっていーんだよ。俺の経験上」
「そ、そっか…陽の経験上なら正解かもね」
「…遠回しにタラシかなんかだと言われてるような…」
「気のせいだよ。それより、付き合ってくれてありがとう。陽のおかげで分かったよ」
「あっ…そう?じゃ、俺、このあとデートだから行くな?」
デート!?
もしかして、わざわざ時間ずらしてくれたの!?
「あの」
「あー、新?いまどこ?了解、そっち行くわ。あ?大丈夫、用事終わったから。分かったって!いちご牛乳奢るっつの!」
「あの、陽…?大丈夫?」
「…お腹空いたってさ(笑)餌付けしてくるわ」
「あっ、うん、行ってらっしゃい!」
それにしても。
陽って、新と付き合ってたんだ…?
知らなかったや。
…陽は俺が葵と付き合ってること知ってるのに俺は何も知らなかったのが不公平だと思ってたからちょうどいいよ。
陽の姿が見えなくなったのを確認し、気合いを入れてスーパーへ向かった。
ケータイを開き、葵のトークを開こうとした時、タイミングよく葵からメッセージが入った。
《帰り、9時頃になるかも。ごめん、寝てていいよ》
とメッセージが開かなくても読めた。
…そっか…遅くなるのか。
スーパーで食材を買って寮へ戻る。
プロセラ共有ルームに入るとメンバーがそれぞれ違うことをしていて、静かに入った俺のことに気づかない。
「おや、夜。おかえり。大丈夫?」
「あ、ただいま帰りました…大丈夫って…」
「いや、違うのならいいんだよ」
分かっているような顔して紅茶をすする隼に縋りたくなったが、首を振り息を吐く。
大丈夫。きっと。
キッチンに立ち、調理開始する。
夢中になっていればあっという間だった。
早く、帰ってきてほしい。
なんて。
考えてる自分が恥ずかしい。
「よーる」
「わっ…何、陽」
「わかり易すぎな。グラビんとこ行こうぜ」
「え、いいけど…」
「葵ちゃん帰ってきてるって」
「え!!遅くなるって…」
「は?7時戻りだったろ」
どういうこと…?
とにかく葵に会わないと!
陽と一緒にグラビルームへ向かう。
本当に帰ってきてる?
ドキドキしてきた…。
「おっ、葵ちゃん帰ってんじゃん」
陽の声にドキッとする。
「うん。さっきね。打ち上げに参加する予定だったんだけどね。挨拶だけして帰宅させてもらえたんだ。…あ、夜。ただいま」
「おかえり…びっくりしたよ、帰ってたなんて」
「うん。そうだね、逆ドッキリ?みたいな」
そういう葵はキラキラした笑顔をしていた。どんな顔しても様になるんだから…。
落ち込んでたのに…許せちゃうんだもんな。
「葵、部屋で待っててくれる?見せたいものがあるんだよね」
「なになに?楽しみ」
葵が部屋へ向かうのを見届けて、さっき出来たばかりのハンバーグを持って部屋へ向かった。
ドアを叩くとすぐに葵が出る。
「なんか持ってるね、もしかしてそれ?」
「うん…恥ずかしいから中入れてよ」
「そうだね、どうぞ」
促されてリビングに横並びに座る。
「葵、今日が誕生日でしょ…迷ったんだけど…一番失敗しないし、葵も好きって言ってくれてたから…その、作ってきたんだ」
ハンバーグを葵の前に出す。
「えっ…俺のために?…ありがとう…何も無いの覚悟してたから。嬉しい。食べていい?」
「どうぞ…」
葵の綺麗な形の唇が開き口に含まれる。
うわ…何か、えっち…。
「美味しい…!夜の愛を感じる」
「もうっ、葵…!言わなくていいよっ恥ずかしい…」
顔を隠すように手の平を前に持ってこれば、その手を阻止される。
「ダメだよ、夜。隠したらせっかくの可愛い顔が台無し」
「ひぃ…もう勘弁して…」
「しょうがないなぁ…」
パッと手を離されて安堵したのは束の間。葵の顔がグイッと近づいてきた。
「えっ、」
「夜。そろそろ慣れてほしいかな」
崩れない涼しい顔が羨ましい。
フニッ…と柔らかい唇が触れて重なる。
何度目だろう…。
もう数えきれないほどなのに、いつまでも慣れることがない。
きっと、眩しいほどによく出来た顔立ちのせいだ。
あれ、息継ぎってどうやってたっけ。
「…はァ…鼻で息したらいいんだよ。本当…可愛いよね、夜は…

…いつまで俺は我慢したらいいの?」
そう言った葵は今までで見たことない男の表情で。明らかに主張しているソコを隠そうとせず、楽になりたいと自分で触る姿があまりにも強烈で。俺の思考回路は急停止し、鼻血を流してしまったことで、葵が慌てて心配そうに鼻血を拭ってくれたのがあまりにも可笑しくて、笑ってしまったら、葵に「夜らしいよ」と苦笑いしてた。


END
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