ツキウタ。
少しの差で【新葵】
初書きの新葵です。
葵ちゃんが新を「お兄ちゃん」と呼ぶのが見たいとリクエストを貰ったので。
ツイッターのフォロワーさんに捧げたもの。
★☆★
ピピピピピピ…
「ん…何時…」
目覚し時計を消して、時計を目の前まで持ち上げる。
7:00…。
ぼんやりする目を擦りカーテンを開ける。
太陽の光が刺激になり少しづつ覚醒してくる。
「いい天気…さてと」
共有ルームに夜が朝ごはんを作っている最中。
「夜。お待たせ、早かったね」
「うん。早く目が覚めちゃって」
朝ごはんは時々こうして作ることがある。夜なんかは味噌の違いで関東の味にはなれないと言って毎日作っている。
俺は関東バージョンの味噌汁担当。
朝食ができる頃にはメンバーたちが集まりつつあった。
新は…まだか。
「俺、新のとこ行ってくるね」
「あ、俺も陽を起こしてきます」
一応は…扉をノックして中に入る。
部屋に入ると飲み終わったいちごミルクのパックが机の上にそのままになっている。
夜にまた飲んでたな?
良くないって言ってるのに。
ベッドに目を向けると穏やかな顔をして眠る新。
「ふっ…あの寝癖、変わらないなぁ…新、朝だよ」
呼び掛けだけでは起きないか。
「あらた!起きて!」
身体を揺らしてみれば唸って寝返りをうった。
「う、うぅ…ん、だれ…あと5分…」
「もう…これもいくつになっても変わらないなぁ…1週間だけお兄ちゃんになるんじゃなかったの?ちょっとはやるとこ見せてよ」
どうだろう、煽ってみる作戦。
すると、ガバりと身体を起こした新。
もしかして効果あり?
「葵。それはズルい。起きなきちゃいけなくなった」
「あはは…新はやっぱり新だね。ご飯出来てるよ」
「…俺だって…」
「なんか言った?」
「いや、何でもない。行こう」
ご飯を並べて席につく。
「葵、いるか?」
和洋が混在した朝食。味噌汁に目玉焼きが並べられている。
醤油を差し出す新。
「あっ、ありがとう」
気が利くなぁ…珍しいこともあるんだね。
「いちごミルクある?」
「あったと思うよ。持ってこようか」
「いや、いい。俺が行く」
立ちあがる新を見つめ首を傾げる。
味噌汁に口を付け、変わらない味に満足する。
「葵、おいしかった。ごちそうさま」
「お粗末さまでした」
台所に立ち皿洗いを開始する。
「手伝う」
え…!
「いいよいいよ!座っててよ」
「たまにはいいだろ。半分やる」
「うん…ありがとう」
台所に新と立つなんて、変な感じ。
黙々と皿洗いをする新がなんか頼もしい。
「ありがとう、新。助かったよ」
「そうだろ」
…なんだろ、これって?
そのあとも新による不思議な行動は続いた。それが空回りして失敗しない当たり凄いんだよな。
面白いからずっと見ていたいけど…。
そろそろいいかな。
「新。お疲れ様。今日はありがとうね。とても頼りになるお兄ちゃんだったよ」
「はぁ?」
「とぼけちゃって。恥ずかしいんでしょ。バレてたからね。慣れないことして疲れたんじゃない?」
「別に〜」
「ふふ…たまにはこういうのもいいかも…お兄ちゃん?」
「あからさま〜」
表情の変わらない新が耳まで真っ赤にして照れているのがおかしい。
「新、今日…」
耳元に唇を寄せ、囁くみたいに。
「部屋、行ってもいい?」
ちょっと優越感に浸りたかった。もっと照れる新が見たいと思ったから。
だけど。
ポンっと頭に手が置かれる。
「待ってる」
そう返した新はいつもの涼しい表情に戻っていて、見つめてくる目が優しかった。
幼い子供に戻ったような気分になり、急に恥ずかしくなり咄嗟に目を逸らしてしまったんだ。
END
初書きの新葵です。
葵ちゃんが新を「お兄ちゃん」と呼ぶのが見たいとリクエストを貰ったので。
ツイッターのフォロワーさんに捧げたもの。
★☆★
ピピピピピピ…
「ん…何時…」
目覚し時計を消して、時計を目の前まで持ち上げる。
7:00…。
ぼんやりする目を擦りカーテンを開ける。
太陽の光が刺激になり少しづつ覚醒してくる。
「いい天気…さてと」
共有ルームに夜が朝ごはんを作っている最中。
「夜。お待たせ、早かったね」
「うん。早く目が覚めちゃって」
朝ごはんは時々こうして作ることがある。夜なんかは味噌の違いで関東の味にはなれないと言って毎日作っている。
俺は関東バージョンの味噌汁担当。
朝食ができる頃にはメンバーたちが集まりつつあった。
新は…まだか。
「俺、新のとこ行ってくるね」
「あ、俺も陽を起こしてきます」
一応は…扉をノックして中に入る。
部屋に入ると飲み終わったいちごミルクのパックが机の上にそのままになっている。
夜にまた飲んでたな?
良くないって言ってるのに。
ベッドに目を向けると穏やかな顔をして眠る新。
「ふっ…あの寝癖、変わらないなぁ…新、朝だよ」
呼び掛けだけでは起きないか。
「あらた!起きて!」
身体を揺らしてみれば唸って寝返りをうった。
「う、うぅ…ん、だれ…あと5分…」
「もう…これもいくつになっても変わらないなぁ…1週間だけお兄ちゃんになるんじゃなかったの?ちょっとはやるとこ見せてよ」
どうだろう、煽ってみる作戦。
すると、ガバりと身体を起こした新。
もしかして効果あり?
「葵。それはズルい。起きなきちゃいけなくなった」
「あはは…新はやっぱり新だね。ご飯出来てるよ」
「…俺だって…」
「なんか言った?」
「いや、何でもない。行こう」
ご飯を並べて席につく。
「葵、いるか?」
和洋が混在した朝食。味噌汁に目玉焼きが並べられている。
醤油を差し出す新。
「あっ、ありがとう」
気が利くなぁ…珍しいこともあるんだね。
「いちごミルクある?」
「あったと思うよ。持ってこようか」
「いや、いい。俺が行く」
立ちあがる新を見つめ首を傾げる。
味噌汁に口を付け、変わらない味に満足する。
「葵、おいしかった。ごちそうさま」
「お粗末さまでした」
台所に立ち皿洗いを開始する。
「手伝う」
え…!
「いいよいいよ!座っててよ」
「たまにはいいだろ。半分やる」
「うん…ありがとう」
台所に新と立つなんて、変な感じ。
黙々と皿洗いをする新がなんか頼もしい。
「ありがとう、新。助かったよ」
「そうだろ」
…なんだろ、これって?
そのあとも新による不思議な行動は続いた。それが空回りして失敗しない当たり凄いんだよな。
面白いからずっと見ていたいけど…。
そろそろいいかな。
「新。お疲れ様。今日はありがとうね。とても頼りになるお兄ちゃんだったよ」
「はぁ?」
「とぼけちゃって。恥ずかしいんでしょ。バレてたからね。慣れないことして疲れたんじゃない?」
「別に〜」
「ふふ…たまにはこういうのもいいかも…お兄ちゃん?」
「あからさま〜」
表情の変わらない新が耳まで真っ赤にして照れているのがおかしい。
「新、今日…」
耳元に唇を寄せ、囁くみたいに。
「部屋、行ってもいい?」
ちょっと優越感に浸りたかった。もっと照れる新が見たいと思ったから。
だけど。
ポンっと頭に手が置かれる。
「待ってる」
そう返した新はいつもの涼しい表情に戻っていて、見つめてくる目が優しかった。
幼い子供に戻ったような気分になり、急に恥ずかしくなり咄嗟に目を逸らしてしまったんだ。
END
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