TRPG

ローグライクハーフ 基本ルール
プレイヤー:1人 プレイ時間:10~15分 対象年齢:10歳~ GM:不要
ジャンル:ファンタジー レベル:初級 難易度:Normal 形式:シナリオ(d33) 世界:オリジナル
▼ プロローグ
「マイコ森」と呼ばれる、人を迷わす森が我々の村の外れにございます。
これまでにも帰らぬ者はおりました。しかし、このところ妙に森から戻らぬ者の数が多いのです。
冒険者様、どうかマイコ森へと立ち入りその訳を調べてはいただけぬでしょうか。樵や薬草採りが安心して森へ向かえるようにしていただきたいのです。村の者を代表してお頼み申し上げます。
ある時、君のところへと舞い込んだ一つの依頼である。
君は件の村の小さな酒場で一人考える。迷いの森をいかに攻略したものか、と。
昼間の酒場は他に客もおらず、店の亭主も厨房へこもりきりだ。夜の仕込みのためだろう。外から子どもらのはしゃぐ声だけが遠く聞こえる。
君が考え込んでいたところへ、気づけば傍らに立っていた一人の女性が声をかけてきた。
「あの……冒険者様ですか?」
聞けば彼女はこの村の薬草採りの娘であり、森の道案内ができるという。
彼女が目深に被っていた赤い頭巾を脱ぐと、金の稲穂のような髪がふわりと揺れた。
「ハテと申します。……身を守る術の覚えがほんの少しだけ。足手まといにならないよう、頑張りますね」
彼女は少しばかり緊張した面持ちで君に名を告げた。
▼ 概要
基本的には公式の「基本ルール」に従って進行してください。
https://ftbooks.booth.pm/items/4671946
▼ 準備
・主人公の準備(装備の購入)
・ルールブック、記録する道具の用意
▼ ゲームの進行
本作は「一本道モード」でプレイします。
d33を振って、「d33表」を参照してください。一連の流れは以下の通りです。
1~3回目:d33表に対応した〈できごと〉が発生
4回目:〈中間イベント〉
5~7回目:d33表に対応した〈できごと〉が発生
8回目:〈最終イベント〉
・【逃走】を行った際には、めくったマップタイルは枚数にカウントしません。
・最終イベントでは【逃走】を行うことができません。
・既出のタイルが出た場合には、出目を「+1」してください。出目33に到達した場合は、出目11へ戻ります。
▼ 冒険とゲームの勝利
このゲームにおける勝利とは、マイコ森の調査を完了することです。
本作は1回の冒険に対応しています。「冒険」とは、最終イベントまでの一連の出来事をクリアする(あるいはゲームオーバーになる)ことを指します。
▼ 独自ルール
本作は主人公1人プレイ専用です。
冒険にはハテを「相棒」として同行させることになります。「相棒」は「従者」の一種ですが強いクリーチャーです。本作に限り従者点7点を必要とせず同行が可能ですが、他の従者を連れていくことはできません。
もしも望むなら、ハテに新しい武器や防具を渡すことができます。その場合、古い武器は捨てられます。(ハテに渡せるのは武器と防具だけです)
武器は飛び道具と近接武器を一つずつ、防具は盾と鎧を一つずつまで持たせることができます。
ハテに武具を渡すことはできますが、ハテから何かを渡してもらうことはできません。
彼女は今回村のために同行するので、雇用費は不要です。

『 ハテ 』
技量点 1
生命点 7(鎖鎧と木盾による+2を含む)
幸運点 4
装備品:樫の木の杖(片手武器【打撃】)、木盾、鎖鎧、弓矢
特殊技能:【防衛】【そらし】
・鎖鎧により【防御ロール】に「+1」の修正
・鎖鎧により生命点「+1」、木盾により生命点「+1」
本作は屋外型の冒険であるため、ランタン等の明かりがない場合でも【判定ロール】にマイナス修正が付くことはありません。
反応表に「常に」とある時は、表を振らない場合でも常にその反応です。
▼ 隊列
本作における戦闘には、隊列という概念はありません。敵側の攻撃は、主人公と相棒にそれぞれ均等に割り振られます。
▼ ゲームの終了
以下のいずれかによりゲームは終了します。
・最終イベントを無事クリア(成功)
・主人公もしくは相棒が「生命点0」となったらゲームオーバー(失敗)
▼ d33表
▼ 出目11~13
【11】〈隠された何か〉
ここで【器用ロール】に成功すると、「隠された何か」を発見する(目標値:4)。
主人公が一度だけ挑戦できる。
『葡萄酒』
道具(消耗品)
・量は「1d6回分」(下限は2回分)。
・【善の種族】【悪の種族】【少数種族】【人間型】のクリーチャーに対し使用可。
・金貨での【ワイロ】を要求された際、それが〈弱いクリーチャー〉なら、葡萄酒を「1回分」消費するごとにクリーチャー「1人分」のワイロを無視できる。それが〈強いクリーチャー〉なら、葡萄酒を「1回分」消費するごとに必要な金貨を「5枚」ずつ減らしてよい。
・【友情】の魔法効果と併用不可。
また、手がかりを「1つ」入手する。
「父が好きだった銘柄です」
ハテは葡萄酒のラベルをまじまじと見て目を丸くした。
「私の父もまた薬草採りでした。そして父は……私が幼い頃、マイコ森から帰りませんでした」
辛いことを思い出させてすまない、と君が言うと、ハテはゆるく首を横に振る。
「いいえ……ただ。私は……今も父を探して、この森に入るのかもしれません」
【12】〈隠された何か〉
ここで【器用ロール】に成功すると、「隠された何か」を発見する(目標値:4)。
主人公が一度だけ挑戦できる。
『カチカチのパン』
道具(消耗品)
・食料として利用できるが、カチカチなので食べづらい。水場を利用できるなら喉を潤しながら食べることができる(その水場が飲用に適するか否かは君の判断に任せる)。使用したキャラクターは生命点を「+2」回復。戦闘中に食べることはできない。
・パーティが遭遇したクリーチャーに対し【ワイロ】として提供することができる。食料としてのポイントは「2点」あり、【ワイロ】として食料1個分を渡すたび「1点」のポイントを消費する。
ギッシリ、ズッシリとしていてカチカチのパン。噛めば噛むほど味が出る。
また、手がかりを「1つ」入手する。
「カチカチ? いえ、この辺りではこういったパンが主流なのですが……冒険者様のところでは違うのですか?」
君は君の好きなパンについて語って聞かせた。
「わあ……。それも美味しそうな気がします。いつか食べてみたいです、私も」
その時は自分の奢りだと言うと、ハテはなぜか慌てて胸の前で両の手をぱたぱたと振った。
「い、いえ! そのようなつもりは……! でも……」
徐々に声が小さくなり、
「冒険者様と一緒に、というのは……とても楽しそうに思います」
ひかえめにそう言って、ハテは頬を赤く染めた。
【13】〈猟師のおんじ〉
Lv2 / 出現数 1 / 宝物:通常
反応表:1~3【友好的】 4~6【中立】
タグ:【人間型】
森の中で長弓を背負った老人に出会う。
「あんれまあ。冒険者様かあ。こんな田舎に珍しい」
君が村からの要請で訪れたことを語ると、老人はわかったのかそうでないのか、ほうほうと呑気な相槌を打つ。
「カチカチのパン」を持っている場合はここで老人に渡すことができる。
渡す場合は手がかりを「1つ」入手する。
「おお、この岩の如きパンが昔からわしの好物でな」
老人は思いがけぬ差し入れに頬を緩ませる。
君が森で変わったことはないか? と尋ねると、白い顎髭をなでつけながらふうむと唸った。
「そうじゃのう。このところ妙に帰らぬ者が多いと聞くので、わしもこうして様子を見に来ているのじゃが……。
昨日も森でハテちゃんを見かけたが、細っこい女の子が一人で毎日森に入って危なくないのかね?」
「だ、大丈夫です。慣れていますので……」
君の後方にいたハテが少し困ったように笑っている。
▼ 出目21~23
【21】〈湧き水〉
この場所は【水場】である。
敵の姿は見当たらず少し休憩することができたので、各キャラクターは生命点を「1点」回復してよい。
「この辺りは安全だと思います。少し休憩いたしませんか?」
ハテに言われ、草の上に腰を下ろす。森は静かで、空気も澄んでいて清々しい。これで危険さえなければ、よく晴れた日にピクニックなどしたいものだ。
「昔、家族とこの場所でお弁当を広げたことがあります。楽しかったな……」
そう語るハテは、どこか遠くを見るようなまなざしで微笑む。
休憩して生命点を回復した場合、手がかりを「1つ」入手する。
【22】〈ハチの巣〉
対象:主人公
巨大なスズメバチの巣だ。こちらを警戒している様子である。
ここを通り抜けるには主人公が【幸運ロール】を行うこと(目標値:4)。
判定に成功したなら無事先へ進める。
判定に失敗したならスズメバチが主人公に襲いかかる。生命点に「1点」のダメージと、【毒】を受ける。
「ハチコロリ」を持っている場合はここで使用してもよい。その場合の判定は自動成功となる。
ハテは慣れているせいか、君ばかりハチに狙われている気がする。
「冒険者様、どうかご無事で……」
手を組んで熱心に祈るハテ。ハチ程度の相手に、なんだか縁起でもないような。
【23】〈落とし穴〉
対象:ハテ
対象のキャラクターは【器用ロール】を行うこと(目標値:4)。
ただし、ハテを庇うなら主人公が代わりに対象となり【器用ロール】を行ってもよい。その際、主人公が「ロープ」を所持していれば判定に「+1」のボーナスが得られる。
判定に失敗した対象は、落とし穴に落ちて生命点に「1点」のダメージを受ける。
ハテを庇った場合に限り、手がかりを「1つ」入手する。
「冒険者様!」
ハテを突き飛ばし、自分が穴へ落ちる。不幸中の幸いか、単純な罠だったため大きな怪我には至っていない。
「ああ……お怪我はありませんか、そんな……私なんかのために」
ハテが無事ならいいと強がって笑ってみせる。ハテが上から垂らしてくれたロープを掴んで、穴から這い出た。
よし先へ進もう、と告げると
「あなたという人は……本当にお強いのですね。私一人ならきっと挫けてしまう」
そう言って、ようやく少しだけ笑ってくれた。
▼ 出目31~33
【31】〈野犬〉
Lv3 / 出現数 2d6 / 宝物:なし
反応表:1~2【劣勢であれば逃走】 3~5【ワイロ】(2体につき食料1個) 6【敵対的】
タグ:【動物】
不安げなハテに、自分が前に出るから大丈夫だ、と告げ一歩踏み出す。
「……どうか、お気をつけて」
【32】〈彷徨う者〉
Lv3 / 出現数 1d3+3 / 宝物:後述
反応表:1~2【無視】(逃走と同様) 3~4【敵対的】 5~6【死ぬまで戦う】
タグ:【アンデッド】
宝物表の修正はなし。
手がかりを「1つ」入手する。
亡霊にも似た何か。彼らは森を彷徨い続ける。それが求めるものは生前の肉体か、あるいは帰るべき家か。
――おそらくは、この森で道を見失った者たち。
【33】〈死神〉
Lv5 / 生命点 8 / 攻撃数 2回 / 宝物:後述
反応表:常に【敵対的】
死神は攻撃時に対象1人の【魂を吸う】(これを「4回」行う / 攻撃数における1回につき「1回」)。
これは【対魔法ロール】によって回避することができる(目標値:5)。これに失敗した場合は生命点に「1点」のダメージを受ける。
【魂を吸う】は魂を持たないクリーチャーには効果がない(【善の種族】【少数種族】のいずれかであり、【ゴーレム】【アンデッド】【植物】でないクリーチャーが魂を持つ)。【魂を吸う】を4回行った後、死神は【斬撃】による通常攻撃を行う。
宝物表の修正はなし。
手がかりを「1つ」入手する。
それは〈死神〉の名で呼ばれるが、存在としては「神」ではない。森の暗がりで彷徨う者や、迷い込んだ魂へ襲いかかり、生気を拾い集めては持ち帰る習性からいつしかそう呼ばれるようになったモノだ。その正確な正体を掴んだものはいまだ居らず。
▼ 中間イベント〈迷い子の森〉
Lv3 / 目印数(出現数) 1d6 / 宝物:なし
反応表:常に【不動】(【死ぬまで戦う】と同様)
中間地点を通過するため、薬草採りの間で使われる目印を探す必要がある(戦闘)。【攻撃ロール】に成功することで目印を「1つ」発見できる。【防御ロール】に失敗した場合は歩き回って疲れてしまい、生命点に「1点」のダメージを受ける。
現時点で入手している手がかりが「1つ以上」の場合、このイベント中の全ての【判定ロール】に「+1」の補正が付く。
目印を全て発見できたら先へ進める。
「少々道が複雑ではありますが、抜けられない森ではありません。マイコ森というのは……」
森の薬草採り、ハテが語る。
「マイコ森に人が立ち入ると、魂が迷子になるのだそうです。それで『迷い子森』と」
君は後ろを歩くハテを振り返った。
「魂が迷子になる、というのはどういう意味なのでしょう。迷ってしまった魂は、今もこの森を彷徨っているのでしょうか。……冒険者様はどう思いますか?」
不安げな表情を見せるハテの、その肩にそっと手を置いて君は誓う。自分がついている限り、決してハテを迷子になどさせないと。
「ありがとうございます、冒険者様。村へ来たのが他の誰でもない、あなたでよかった」
▼ 最終イベント〈大黒狼〉
Lv5 / 生命点 6 / 攻撃数 2 / 宝物:修正+1
反応表:常に【死ぬまで戦う】
タグ:【動物】
大黒狼と遭遇時、主人公が【器用ロール】を行うこと(目標値:5)。判定に失敗したなら、大黒狼は不意打ちを仕掛けてくる。この場合、戦闘は「第1ラウンド」から大黒狼の先攻で開始される。
森を進み、やがて開けた場所に出る。
その場所は一面の、白い花畑だった。
そこで見たものは――――花々に埋もれ落ちている赤い頭巾と、赤黒い染み。
「…………え?」
ハテが後ずさる。
「私……わたし? 私は……」
その時、背後で低く唸る声が聞こえた。
振り向くと、黒い毛並みの輝く獣が。狼だ。しかし一般的なそれと比べ、あまりにも大きい。
獣が吠える。――――ここは己の縄張りであると。
気を確かに、とハテへ声をかける。油断していると危険だ。
「……は、はい……!」
その大きな黒い狼は、じりじりとこちらへ向かって来た!
▼ 冒険の達成
大黒狼を倒し、森は再び静寂に包まれる。
やったと思い振り向くと、いつの間にかそこにハテの姿はなかった。
主人公は経験点「1点」と金貨「10枚」を得る
現時点で入手している手がかりが「3つ以上」の場合
→エンディングAへ
それ以外の場合
→エンディングBへ
▼ エンディングA
ふと見ると、例の赤黒い染みは花畑の向こうへと続いている。よく目をこらしながらそれを辿ると、白い花の群れの向こうに、隠れるようにして洞窟らしき穴が口を開けていた。
警戒を続けながら洞窟内へと足を踏み入れる。――そこには。
地に広がる、金の小麦のような髪。――――ハテが固く目を閉じて横たわっていた。
慌てて呼吸を確かめる。もう駄目かと一瞬諦めかけたが……かすかに、息があった。
ハテを村へと連れ帰り、医者を呼んでもらった。一時はどうなることかと気を揉んだが、彼女は奇跡的に助かったのだった。もちろんしばらくは安静にしなければならないが、いずれまた森へ薬草採りに出ることもできるだろう。
「冒険者様……」
病床のハテが目を開ける。こちらへ向け弱々しく手を伸ばしてきたのを見て、急ぎその手を取った。
「……私を、見つけてくれて……ありがとう」
ハテは目を細め、花のように微笑んだ。
君が望むなら、その後ハテを君の冒険に同行させてもよい。
END
▼ エンディングB
そうして彼女は忽然と姿を消した。
村へ戻るも、その日彼女を見た者はなく。村人たちは言うのだった。「ハテは森で迷子になった」と。
END
▼ 宝物表
1d6で決定
【1以下】金貨1枚
【2】1d6枚の金貨
【3】2d6枚の金貨(下限は金貨5枚)
【4】1葉の珍しい薬草(1d6×1d6枚の金貨と同等の価値)
【5】1個の天然鉱石・小(1d6×5枚の金貨と同等の価値 / 下限は金貨15枚)
【6】1個の天然鉱石・大(2d6×5枚の金貨と同等の価値 / 下限は金貨30枚)
【7以上】【魔法の宝物表】でダイスロール
▼ 魔法の宝物表
1d3で決定
【1】妖精の赤ずきん
布鎧だが特殊な繊維で織られており、生命点の最大値に「+2」の修正を与える。
静かで大変身軽なため【器用ロール】に「+2」の修正を与える。
【2】大黒狼の尾
これは主人公1人、あるいは「戦う従者」1人が装備できるお守りである。
これを装備している間、【防御ロール】に「+1」の修正を得ることができる。
この効果を採用するなら、【防衛】の奇跡の効果と累積不可。
【3】変装魔導具
パーティが【人間型】のクリーチャーに遭遇した際、これで変装することによって相手の反応は自動的に【友好的】になる。
この魔導具に込められた魔力は「1回分」である。
参考文献
ローグライクハーフ 基本ルール(作:杉本=ヨハネ様 / 監修:紫隠ねこ様)
シナリオ「黄昏の騎士」(作:杉本=ヨハネ様 / 監修:紫隠ねこ様)
認識票 / 魔法の大盾
https://ftbooks.booth.pm/items/4671946
ローグライクハーフwiki
追加ルール「相棒」
https://ftbooks.xyz/ftwiki/index.php
アランツァクリーチャー事典×シナリオ作成ガイド(作:杉本=ヨハネ様 / 監修:紫隠ねこ様)
エール酒の大瓶 / 落とし穴 / カチカチになったチーズ / 魂吸い / トラ / 野犬 / ハチの巣 / 湧き水
https://ftbooks.booth.pm/items/6196364
SpecialThanks
テストプレイにご協力くださった皆様
25/11/16 ver.1.0
25/11/12 ver.0.9
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