#1 幻想御手編×学園都市編
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放課後。寮の帰り道。
美琴、黒子、累はいつものように一緒に帰る。
だが、一つだけいつもとは違うことがある。黒子が、何かにうなされているのだ。
「う—————む……う—————む…」
学校にでてから、ずっとこの調子。
累と美琴が話題をふっても話に参加せず、黒子はずっと何かを考えていた。
美琴は黒子を見守るだけだったが、累は黒子が心配になり、悩んでいるのなら聞くよ。と言ったのを待っていたのか、やっと口を開いた。
「累、お姉様。昨日の虚空爆破(グラビトン)事件の犯人…本当に累とお姉様が捕まえた男で、正しいんですの?」
どうやら、悩みではなかったらしい。累はホッとして、話を聞く。
「『書庫(バンク)』の登録データでは、容疑者の能力は…異能力(レベル2)判定となってますの」
「うそっ⁉明らかに大能力(レベル4)クラスだったわよ⁉」
黒子の言ったことに美琴は驚く。
それもそうだ。あんな破壊力は大能力(レベル4)が出せる出力にしか思えない。
「ええ。ですからこれはつまり…………」
時が止まったように累と美琴は、黒子の話の続きを待つ。
蝉の声がうるさく聞こえる程に、3人の耳に届く。
「どういう事なのでしょう?」
「……」
「……」
黒子の問いに累と美琴は答えることができなかった。
風紀委員(ジャッジメント)の黒子が分からないなら、私たちに聞いても。
そんなことを累と美琴は思っていたことを黒子は知らない。
全く話が進まない3人の耳に届いた涼しい音。
累と美琴は、聞こえる方へ見る。
涼しい音は、かき氷の屋台についている風鈴の音からだった。
「ま…まあ、煮つまってるなら…ね。」
「美琴さんに賛成です。黒子、一度休んで、頭を切り替えよう」
そして3人は、かき氷の屋台に行くことにした。
「メロン味お願いします。…美琴さんは?」
「あたしイチゴ味。…黒子は?」
「お姉様と同じものを。……しかし不思議なものですわね」
黒子は風鈴のことを言っているのだろう。
確かに気温自体は変わらないのに、風鈴の音色を聞くと、少し涼しく感じる。
美琴は「あ———共感覚性ってやつね」と累と黒子に話す。
共感覚性。
1つの刺激で、2つの感覚を得る事。
美琴は共感覚性を詳しく、累と黒子に教えてくれた。
「例えば普通、色を視たら人間の脳みそって、五感の内、視覚のみを得るわけじゃない。
でも、赤系の色を視たら暖かく感じたり、青系の色を視たら冷たく感じたり…」
「視覚以外にも影響があるってことですね」
「『暖色』『寒色』というものですわね」
累と黒子が理解すると、美琴は買ったばかりのかき氷も共感覚性よねと話し続ける。
「ああ。シロップの味に、色のイメージをプラスしてますのね」
共感覚性の話をしている3人に、前から声をかけられた。
そちらを累と美琴が見る。
佐天さんだった。手を振ってこちらに向かう。
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